天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

竹煮草に魅入られて

2021-06-01 04:50:46 | 自然



近所の空き地に何株も竹煮草が生えている。結と散歩するとき近道の空き地を通る。彼が触ろうとするとたしなめる。かぶれるのではないかと思う気持ちの悪い奴である。
茎や葉裏の白さにぞっとする。
竹煮草粉を噴くおのれ労らねば 加倉井秋を
やはりこれを詠んでいる人がいて納得する。以下の句もこの植物の気持ちの悪い面を取り上げて句になっている。
竹煮草一番先に刈られけり 下間ノリ
竹煮草見えぬところにあざをもつ 平井照敏
川上に一燦の過去竹煮草 飯田龍太

気持ちの悪い奴は気になる奴でもある。触ったらかぶれるのか、何かたたりがあるのか、付き合ってみたくなった。
カッターナイフで茎を切ってみた。すると切口から黄褐色の汁がべっとりと出てきた。気持ちが悪い。中は空洞ですかんぽのようにスパスパ切れるのは爽快。気持ち悪さと爽快さが同居していて面白くなってどんどん輪切りにする。多少かわいそうだなと思う。




芋版を思い出した。芋に模様を刻みそこに色を乗せて紙に転写するあれを竹煮草でやってみた。
そこへ3人の御婦人が来て足を止めて不思議そうに見ている。俺は記者会見するほど有名じゃないが何か言わないと場が収まらない感じ。
「酔狂です」と言うと彼らは笑って容認してくれた。黄褐色の汁、どんな味かと舐めると不思議な苦みがあった。あとで本を見ると「茎や葉に有毒の黄褐色の汁を含む」とある。青酸カリじゃないから少し舐めても死なないだろうが、これからは情報を入れてから舐めたほうがいいな。





小生の竹煮草の句はどんなであったか。
ダンプカー石跳ねにけり竹煮草
というようなのを書いた記憶がある。庭園にある草ではない。やはり気持ち悪いということから免れがたく、次のような心境である。
この先は一人で行けよ竹煮草
竹煮草白々とあり寄辺なし
胸中の爛れてゐたり竹煮草
食べるのはむろん無理であるが何か人の役に立たないのか。とにかく草の中では圧倒的な存在感がある。まもなく花が咲いて黄金色の実がつく。それは食べられないのか。まだまだ付き合いたい奴である。
竹煮草刈り倒し謎深まりぬ


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