goo blog サービス終了のお知らせ 

天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

初場所の頭と頭ぶつかる音

2023-01-09 06:01:10 | 大相撲

取り直しとなった玉鷲と霧馬山の土俵際


老人の待ち望みゐし初場所ぞ
きのう大相撲初場所が始まった。ここ3年ほどその開始を失念していたが今年はちゃんと覚えていた。それは年を取ったせいか。
横綱休場、大関陥落で上が寂しいがやはり大相撲は凄い。頭と頭がぶつかる。ラグビーのぶつかり合いも凄いが頭はめったに当たらない。昨日の解説者の舞の海さんはそれは痛いからやらなかったという。大相撲からプロレスに転向した選手が頭突きが強いのがわかる。

初場所の塩を浴びたる高島田
砂かぶりにはきれいどころというお客が鎮座するのは初場所らしくめでたい。めでたいといえば「初場所のまことめでたき勇み足」という句を元日に書いたら初日にそれが出来して驚いた。錦富士が竜電に勇み足で勝ちを献上した。舞の海さんは「かばい足のようにも見えた」と同情した。笑ってしまった。

鉄砲を冬木に見舞ふ力士かな
国技館の壁に「シコテッポウ厳禁」なる貼紙がある。外の大木なら文句あるまい。

脚高き四股踏む力士贔屓とす
その筆頭は阿炎である。この人の身の軽さ、柔軟性はプロレスもできそうだが大相撲で活躍してほしい。

初場所や拝むやうな寄りを見つ
若景隆が明星を寄り切った。これは拝むような姿勢であった。髙安がたやすく負けた。気合が入っていない。若景隆、阿炎、貴景勝あたりが優勝争いをするのか。先が読めない。


若景隆、快心の寄り切り

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

面白いのかつまらないのか大相撲

2022-11-26 06:51:35 | 大相撲

右、玉鷲にたやすく押し出された左、正代


大相撲九州場所13日目、髙安が2敗で3敗の阿炎、豊昇龍、貴景勝、王鵬から頭ひとつ抜け出した。本日、阿炎VS豊昇龍、貴景勝VS王鵬という星のつぶし合いがあるのだが、貴景勝は大関で王鵬は前頭13、むかし大関がそんな下位の者と対戦したのか。
今の大相撲はどんぐりの背比べであるから勝ち星が拮抗してくるとかけ離れた地位の取組が組まれる。
それは表向きの地位の表示があてにならないことを意味する。サッカーでもアルゼンチンもドイツもいわば格下に負けたのだからランキング表示はあてにならぬが、それにしても日本の大相撲のランキング表示はひどい。
その代表みたいな大関正代がきのう玉鷲にたやすく押し出されて負け越し、大関からの陥落が決まった。正代には悪いがやれやれやっとランキング表示が正されるという感じさえする。弱い大関がかろうじて勝ち越し、次の場所負け越し、次にやっと勝ち越し、次は大敗………と○●○●○●という形で地位を守るということを美しいと思わない。もしかして正代は美しくないありようで大関に居続ける稀有な存在になるかと思ったこともあるが、やはりそう甘くなかった。
優勝力士を賭博の対象にしている輩にとって(法律は禁止していてもあるだろう)今の大相撲は血湧き肉躍るスリリングな場であろう。
しかし健全な大相撲ファンにしてみると傑出した強い力士を見たいのである。
最近だと白鵬、2009年2010年に年間最多勝はなんと86。6場所で4敗しかしなかったのである。2005年の朝青龍が84勝。1994,1995年の貴乃花が80。彼らはだんとつに強い横綱であった。聳え立つ高峰であったがいまは里山ばかりである。里山は親しみやすいが怖さがない。大相撲はやはり畏怖するものが必要と痛感している。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

正代は休まない

2022-09-22 05:40:18 | 大相撲
                     
       大関正代


大相撲秋場所。一昨日9日目、大関正代が1勝8敗で負け越しが決まった。10日目も負けて1勝9敗……休場するのかなと思った。
休場や不戦敗を含まない大関の9日目負け越しは、15日制が導入された1949年夏場所以降初の屈辱とか。粂川審判長(元小結琴稲妻)が「看板力士がこれじゃあちょっと」とため息をついたそうだ。9日目5勝4敗となった横綱・照ノ富士は10日目に休場届を出した。
正代は休場しなかった。きのう11日目は勝って2勝9敗とした。正代の根強いファンは歓声を上げたのかもしれない。二つ勝って。
連敗しているのにNHKは正代に勝った力士に毎日インタビューして「おめでとうございます」と言った。言われた力士は殊勝に「ありがとうございます」と応じたが、本音は「いまの正代関に負けるわけないでしょう」ではなかったか。看板は大関でも中身はヒラの力士を称え続けるのは茶番と思った。
ほかの大関も目を覆いたくなる惨状で御嶽海が3勝8敗で負け越し、貴景勝が7勝4敗で勝ち越しにあとひとつ。大関代表で一人は勝ち越しできるかもしれないが優勝争いからはほぼ脱落した。

ぼくが高校生のころよく負ける大関は「クンロク」と揶揄された。9勝6敗しかできない大関という意味であった。そのころ大関の及第点は10勝であったが、その後大関の価値は下落し続けて、クンロクを続けれれば優秀と感じるようになってしまった。
もしかして正代は新しい大関像を打ち立てるかもしれない。大負け→8勝→大負け→9勝→負け越し→8勝→9勝→大負け……勝率0.489といような綱渡りの身過ぎをする大関というものを。
いま正代は批判の渦の中で相撲をとっているが休まないで出場し続ければその声が静まってゆくだろう。出場し続けれることはえらく勇気と胆力が要ることである。
大相撲界ではちょっと負けが込むと診断書を出して休むことが当然となっている。特に横綱は金星を配給させたくない協会の思惑もあってか、照ノ富士のように5勝4敗で休場してしまう。けれど照ノ富士は出場し続ければ勝ち越しはできたかもしれない。
そう思わせた横綱に大乃国がいる。彼は1988(昭和63)年、秋場所で最後まで出場して8勝7敗であった。横綱の8勝7敗は小生の長い相撲観戦歴のなかで、大乃国のこの1回だけである。よって芝田山親方(大乃国)が解説に出ると8勝7敗の勇気と胆力を必ず思い出す。
不名誉ではあるがこうした印象を見る人に与えるのもプロのひとつの在りようであっていいのではないか。

正代よ、君も自分自身の大関像を打ち立ててほしい。ともかく故障せず次は8勝すること。9勝なら言うことはない。

   
   大乃国(現芝田山親方)
   
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

道徳的な大相撲の解説

2022-09-15 05:54:00 | 大相撲

関脇・豊昇龍

最近ほとんど本の話をしないヨミトモF子からメールが来た。彼女は大相撲はよく見るようで疑問などあるとメールを寄越す。
きのうの大相撲秋場所4日目。
霧馬山―豊昇龍
寄り切りで豊昇龍が快勝した。立ち会い、右にかわって右上手を取り、それを突きつけるように出た。3勝1敗とした。小生には豊昇龍の巧さが光った。
きのうの解説者が誰か知らないが(北の富士さん、舞の海さんではない)、かわるのはよくない、と言ったらしくそれが古くさいとF子は憤慨するのであった。とにかく勝たないと落ちていき飯の食えなくなる世界において力士の実情をまるで無視した見解である、という。まったくその通りで小生もそういう皮相的な解説には同調できない、と応じて旧交をあたためた。

昔から大相撲の解説はそういうところがあり、前へ出なさい、引いたりはたいたりはよくない、というのがルーティーンである。その通りなのだがプロの力士はみなぎりぎりの瀬戸際の勝ち負けをしている。ときには相手の裏をかくことが必要で1勝が身をすくうことがある。したがって奇襲もしかたないのである。
北の富士さん、舞の海さんはあまり道徳的な解説をしないのでおもしろいが、たまに出る解説者に昔ながらの道徳を語る人がいらっしゃる。
誰か特定の力士に肩入れして、「来場所はもっと勝星をあげてほしい」といえば、ほかの力士は負けろというのに等しい。力士Sが12勝すれば対戦する力士BやМのZの勝ち星を削り取っていることになる。決まっている勝ち星の数の分配である。そのへんがわかっているか否かで解説の中身はかなり変ってくるだろう。

みんな必死に相撲をとっている。
大関・貴景勝の張り手連発のなりふり構わぬまるで喧嘩には驚き、感動した。そうしてやっと勝つのである。横綱・照ノ富士も必死さが伝わった。
いま角界に白鵬のような抜けた存在はいない。大関、横綱もよく負けるから必死である。立ち会い変化したりするのもいたし方ないのである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

おもしろくないという一相撲ファン

2022-07-18 07:49:29 | 大相撲
                              


「朝乃山が今場所から復帰。3段目で4連勝して勝ち越している。相撲、見る気しないね、負けてばかりで」
というメールがヨミトモF子から来た。彼女は遠方にいる読書家にして大相撲ファン。大相撲開催中に一度はメールが来る貴重な友。
「相撲、見る気しないね、負けてばかりで」は、たぶん、関脇以上の役力士の成績が芳しくないことを言いたいのだろうが、勝ち星の総数が減っているわけでなく分配されているのである。役力士に勝ち星の集中度が減ったことをF子は嘆いているのである。そう冷静に分析してみても上位陣が負けてばかりだと観戦意欲が乏しくなる。
角番で2勝4敗でヤバいと思っていた御嶽海が七日目から休場、なぜとこんな大切なときにと訝しむとコロナウイルス感染。
御嶽海の身分はたぶん保証されるだろうが(落とせば上位力士がスカスカ)、感染しなくても落ちそうな大関ばかり。こうなると朝乃山のお仕置きはきつ過ぎたと協会首脳はほぞを噛んでいることだろう。横綱にしても八日目でかろうして6勝2敗。序盤に負けすぎる。

それで逸ノ城に話が及んだ。
6連勝したときは「相撲史上最強」と思いブログに書いた。すると、とたんにの正代にころっと負けた。上手が取れずに引いた。
F子に逸ノ城の試金石はきのうの琴ノ若戦だと言った。これに勝てば史上最強の四つ相撲がまた復活すると。するとまた上手が取れずに負けた。もう元の木阿弥、ウドの大木、8勝7敗路線だと言うとF子は「そこまで落とすの?」と笑った。
逸ノ城については「長い眠りから覚めた」と評価した舞の海秀平さんも困っているだろう。
逸ノ城は幕内に上がったとき1年以内に横綱という威力を発揮した。そうなるかと思ったら以後まるでだめ。今回、角界の救世主復活と思ったらまたもや失速。精神力が足りないのかなあ。ひとつ負けると転がるように転落する。

F子に言っておきたいのは幕内力士で勝率6割はすごいのである。大関が「クンロク」と揶揄されたころから大関は不遇の地位であるが前頭力士で8勝7敗はたいへんなことなのだ。
昭和45年から55年、幕内で活躍した好きな力士に、「デゴイチ」の愛称で呼ばれた黒姫山がいる。彼の幕内成績は510勝570敗 (72場所)。最高位関脇、殊勲賞4回、敢闘賞3回、技能賞1回の活躍をしたのに勝率は0.472。
つまり幕内力士は、7-8、7-8、8-7の負け越し、負け越し、勝ち越し(勝率0.489)で十両へ落ちないで幕内を維持できるのである。

白鵬のいない今、群雄割拠といえば聞こえがいいが、どんぐりの背くらべ状態である。漫画の播磨灘みたいな怪物が出来しないかなあ。品格も礼儀もなくていいからめちゃくちゃ強い魔物、出て来ないかなあ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする