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天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

全勝せよ逸ノ城

2022-07-16 06:08:21 | 大相撲

完敗した御嶽海(左)


大相撲名古屋場所、逸ノ城(前頭二)が6連勝の快進撃を演じている。きのうは御嶽海を何もさせずに引き付けて片付けた。おとといの横綱戦もそうだったが今場所は立ち会いの瞬間に左上手を取っている。照ノ富士も上手を取られてどうすることもできなかった。
なぜ簡単に上手を取れるようになったのか。なぜ以前は上手を取れずにもたもたしていたのか。わからない。同じような動作で立ち会って何が変ったのか。相撲は人に伝えにくい秘伝のようなものがあるのだろう。
いまいちばん強いのが逸ノ城であり横綱相撲である。次元の違う強さである。
相撲は両者が手をいっぱい繰り出して賑やかなのだが逸ノ城の相撲は自分も相手も手数がほぼない。すぐに体を密着してしまう。後は前へ出て土俵の外へ出すだけ。これを磐石という。ブルドーザーがバイクを押して行く感じ。
さてあと9連勝できるか。このまま勝ち続けるのは至難であろうが優勝争いのいちばんであるのは間違いない。逸ノ城は顔がよくないが強ければいい。どんぐりの背くらべ状態から逸ノ城が抜け出す気配を感じる。
全勝せよ、逸ノ城。圧倒的な強さを見せ続けてほしい。
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ハラハラした大相撲夏場所

2022-05-23 07:24:45 | 大相撲

体勢低く突き上げる若隆景


白鵬は強かった、相撲協会の屋台骨を支えたと痛感するこのごろである。
ひいきの横綱照ノ富士が初日負け、六日目2敗に、八日目3敗。もっと負けるかもしれないと思い、優勝予想ができなかった。照ノ富士は前半、雑な相撲が目立った。強引で安定感に欠けた。横綱に磐石感がなかったのがハラハラの最大の理由であり、千秋楽の照ノ富士VS御嶽海で照ノ富士が負けないよう祈るような気持ちであった。11勝の優勝など絶対見たくなかった。白鵬の全盛時、12勝の優勝もそうはなかった。

横綱は優勝して最低限のつとめを果たしたが大関陣のていたらくには目を覆いたくなった。
千秋楽、貴景勝が正代を破ってやっと勝ち越し。負けた正代が5勝10敗、御嶽海が6勝9敗。誰かがいつ大関から陥落しても驚かないという状況である。
横綱照ノ富士はけがもあり今いっぱいいっぱいで土俵をつとめている。白鵬がいたころみんな弱いなあと感じていたのがいなくなって、みんな強いなあ、さすが幕内力士と思うようになった。これが白鵬の偉大さであったと痛感する。

千秋楽で横綱が勝った取組のほかに注目したのが、関脇決戦、若隆景VS阿炎である。
双方に期待していてちょっと前まで阿炎はすぐ大関になると思っていた。若隆景は魅力的な力士だが大関は無理、ないし時間がかかると見ていた。
その若隆景の防禦の堅さから勝ちにいく姿勢はすばらしかった。阿炎を押し出しに破っての9勝6敗は立派である。負けた阿炎が7勝8敗。小生の予想が狂ったかもしれない。
阿炎は長身で文句なく横綱を張れる体力、体格であるがまだまだ甘い。突っ張りが上の方で行われている感じで相手に下から攻められるという構図が目立つ。きのうの若隆景戦もそうで、阿炎が土俵際に攻め込んだものの残されて、下から突き上げられて負けた。この甘さを克服しないと上へは行けない。

この二人に割って入ってくるとしたら誰か。身体のいい琴ノ若、プロの顔つきの豊昇龍、
迫力ある大栄翔あたりか。
幕内力士はみんな強いと思うのもいいが、誰か抜け出て、彼意外弱いなあと思ってもいいのである。
白鵬がいなくなって、団栗の背くらべという大相撲である。



体勢が高くなる阿炎(左)
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思惑と違った二人の関脇

2022-03-21 08:10:54 | 大相撲

かの千代の富士を思わせる若隆景

大相撲春場所、横綱が休場したが関脇の二人が活躍している。東関脇:若隆景、西関脇:阿炎である。前者が7勝1敗、後者が6勝2敗。
阿炎がこのくらい勝つことは予想していたが若隆景がこんなに勝つとは思わなかった。よくて8勝、負け越しも十分あると思った。出来過ぎと思って相撲を見ていて、出来過ぎじゃなくて実力かなあと思いはじめている。千代の富士や朝青龍が上ってきたころの勢いを感じるのである。身長182cm、体重127kgは今の幕内では小さいほうでそれがネックではないかと危惧したのだが千代の富士が身長183 cm体重126 kgでほぼ同じ。千代の富士同様筋骨隆々でほれぼれする。もしかしたら関脇以上もあるかもしれないと思いはじめている。

一方、阿炎はこのくらいは前半に勝つとは思いそれは当たったのだが相撲の内容がいまいち。きのうの大栄翔戦、おとといの宇良戦といい押し込まれて瀬戸際でいなす、かわすという奥の手で勝ちを拾っている感じである。
よく言えば、相撲勘がいい、勝負に集中している、ということだが、大関あるいはそれ以上を目指す器であると思うと物足りない。土壇場で勝てるのは相撲言葉でいう「懐が深い」というのである。相手の伸ばした手の先に阿炎はまだ逃げる空間がある。身長188cmと反射神経のよさでなんとか相手を屠るのである。負けにくいというのは生来の大きな武器であるが攻めはまだまだぬるい。大栄翔のような突き押しを跳ね飛ばすような破壊力がないと横綱を張るのはむつかしいだろう。これからである。



7日目、宇良戦に土俵際まで攻め込まれた阿炎


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若隆景と正代の違い

2022-03-15 06:58:28 | 大相撲

低い体勢で突き上げる若隆景


大相撲三月場所。きのうは若隆景と阿武咲の対戦に注目した。前者は四つ相撲、後者は突き押し。若隆景は新関脇。彼が関脇の地位を守れるか否かに突き押しにどれだけ対抗できるかであり、その試金石として阿武咲は恰好の相手である。対戦成績も拮抗している。
結果はどちらが押し相撲かわからないほどの鋭い押しで若隆景が寄り倒した。腰の低さ、突き上げる角度といい完璧であった。8勝できる可能性を感じた。若隆景は1994年12月6日生まれ、27歳。身長182cm、体重127kg。この体格はいまの大相撲では小さいほうである。初代若乃花、栃錦はこのくらいの体格であったがいまや180 kgがごろごろいてそれらと闘うには不利である。けれど関脇に上がったのはスピードと切れがあったからである。なによりも体勢がいい。「突き上げる錐」なのである。
若隆景と同じ四つの照ノ富士は大栄翔の鋭い押しに体勢を崩されて負けた。

大相撲を四つ対突き押しに分類して見るとおもしろい。
今場所の上位(前頭1以上)の力士を四つ相撲と突き押しに分けてみると以下の通り。
四つ:照ノ富士、若隆景、隆の勝、宇良
突き押し:貴景勝、御嶽海、阿炎、隆の勝、大栄翔
2連敗している正代がどちらだったかすぐさまわからず相撲協会の発表をみると「得意技は右四つ、寄り」とある。最近、正代がまわしを取っているシーンをあまり見ない。得意の形になれていないのも不調のしるしである。北の富士さんは「稽古していないので当然の負け」と手厳しい。
正代はなぜあんなに胸を出して相撲をとるのか。相撲は前傾姿勢でないといけない、ということは素人でもわかることである。プロが人に言われるようなことではないはず。俳句は季語をいれてつくりましょう、というようなレベル。あるいは野球は打ったら一塁へ走りましょう、というような初歩なのだ。
正代が勝ち越すのはそうとう難しい。若隆景の勝ち越しはむつかしく、正代の勝ち越しは当然というのが本来であるが現状は違う。両者に稽古量の差があるかもしれない。
四つのグループに正代がいないように感じるのは淋しい。いま大相撲は突き押しグループに勢いがある。突き押しグループの筆頭に伸びしろのある阿炎がいる。
小生はやはり四つ相撲が好きなのである。


体が伸びてしまう正代(右)
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悠々自適と相撲観戦と

2022-01-12 06:37:52 | 大相撲

同体と判定された一番 左:貴景勝、右:宇良

きのう大相撲初場所3日目をみていて、悠々自適ということをふと思った。いつだったか「定年して俳句三昧で悠々自適ですね」と言われてびっくりしこの人本気でこう言ったのか顔を見たことがある。
悠々自適:俗世を離れ、自分の欲するままに心静かに生活すること(広辞苑)

この人、意味がわかって言ってたのかなあ、と今でも思っている。まず仕事をしていたら悠々自適ではない。仕事をせずとも心静かに生活するには一定の原資(お金)が必要であるし、心静かに生活するには健康の不安があってはならぬ。俳句は悠々自適に通じるかもしれぬが作った句を人に見てもらいたくなり句会をしたくなる。見てもらいたいというのは評価を期待することであり俗世である。こう考えると悠々自適の条件を満たすのは実に難しいことではないのか。ぼくの周囲に該当する人はいない。
大相撲を見る束の間がぼくにとっての悠々自適の時間である。

きのうは大関が二人負けた。
貴景勝は宇良と取り直しの結果、押し倒された。二番目の相撲をとったとき貴景勝のほうがばてていたように思った。


宇良のいなしに対応できなかった貴景勝
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