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天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

北勝海になれ大栄翔

2023-05-18 06:21:09 | 大相撲

四日目、正代をはたき込みで破った大栄翔

大相撲夏場所、関脇陣に注目している。大栄翔、若元春が4勝0敗、霧馬山、豊昇龍が3勝1敗である。大関・貴景勝、横綱・照ノ富士が満身創痍でかろうじて土俵に上っている状況にて関脇の誰かが上がって交代する気配がある。
霧馬山が今場所10勝すれば大関の声がかかるかもしれない。ほかに10勝して大関の可能性があるのが大栄翔である。朝之山は身体が悪くて落ちたのではないからいずれ上に来るだろう。若元春も近いうちに大関になりそう。自力がある。豊昇龍も可能性があり、問題は大栄翔である。問題というのは彼だけが突き押し相撲であるということである。

2021年の春13勝2敗で優勝したもののその後なかなか10勝できなかった。出来の良し悪しが定まらないというのが押し相撲の特徴である。大関になって苦しんでいる貴景勝もケガのほかに押し相撲特有の不利を背負っている。阿炎も成績が安定しない。
突き押しは相手がいなくなったとき支えるものがなくなって転ぶ。
四つ相撲は組んでいるのだから相手がいなくなることはない。
この差は運命である。同じ資質の力士が同じ努力をした場合、四つ相撲のほうが負ける確率が少ないとみる。
きのう翔猿を極め出しで破った照ノ富士が四つの安定感を示すいい例。もろ差しになられていい相撲ではないもののがっちり極めて動けなくしてブルドーザーのように相手を土俵の外に運んだ。四つ相撲は基本的に安定感があり、大関・横綱を維持するのに向いている形といえる。

むかし柏戸という横綱がいた。大鵬と一時代をつくったヒーローである。彼は関脇のころ突き押し相撲であった。回転の速い突っ張りを武器にした。そう、今の阿炎のように。柏戸は横綱になってから相撲の形を変えた。突っ張りが減って立ち合いにすぐ前みつを両手でつかむ四つに変えた。自然に変わっていき、その形で一気に寄り切る「電車道」を完成させた。組んで相手を動けなくする安定感に気づいたと思う。

突き押しのまま横綱を張ったのが北勝海である。この人の修練はすさまじかったと思う。突き押し相撲で横綱を張る安定感を得るのは至難の境地。そこに至ったことを尊敬する。
さて、大栄翔はまさに北勝海型である。先輩の精進を見習ってほしい。
初場所10勝5敗、春場所12勝3敗の準優勝、今場所10勝以上すれば安定感もまずまずといえる。
まわりが四つ相撲の敵ばかりゆえに突き押しの力士に頑張ってもらいたいのである。

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霧馬山が霧島になる日

2023-03-27 12:36:12 | 大相撲

かっこいい師弟

春場所、逆転優勝した霧馬山が陸奥部屋所属であることをうかつにも知らなかった。きのう師匠の陸奥親方が弟子を称えている写真を見、さらに親方が「自分の四股名を継いでくれないか」との発言を聞き、最近大相撲界に久しく感じなかった希望を見た。
霧島、かっこよかった。二枚目であり身体がシャープであった。
霧馬山が来場所11勝してこの名前を引き継ぐ可能性は高いと思うし、それを期待している。最近の大相撲の横綱・大関の名前に継承したものが少ない。新たな名前を考えるのもいいが活躍した名力士の名前を継承することも大事である。
そう思っていた矢先の霧島である。陸奥親方は謙虚に霧島襲名を話題にしているが愛弟子がそれを断るはずがなかろう。霧馬山が霧島なるのはえらく明るい話でありこの襲名が成ったとき霧島時代が到来するのではないか。うきうきする。
霧馬山は知らないうちに関脇に来ていた。そう強いと思わなかった。きのうも大栄翔に勝には勝ったが2番とも押された末での逆転であった。けれど星をきちんちと上げている。負けにくい力士である。それは大関、横綱へ駆け上がる大きな資質である。
新関脇で優勝、来場所大関取りに挑む。これは上へ行く器であると見ていい。大栄翔のような押し相撲をがちっと受け止める踏み込みの鋭さを磨いたら、陸奥親方が行けなかった地位へ行くことも可能。日本人の霧島をモンゴル人が継承して霧島になる。ロマンである。
霧馬山が霧島になる日を待っている。


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若元春に見る栃錦

2023-03-17 06:49:40 | 大相撲



小結の若元春。いつの間にかこの地位に来たという感じ。激しいと感じないが左差しは鋭い。静かに強くなっている。
この力士に最近注目していて懐かしさを感じた。そうだ、あの栃錦を思い出すのである。両者の写真を引っ張りだして見比べるとそう似ている気もしないが、雰囲気が栃錦なのである。
栃錦清隆は春日野部屋所属。身長177cm体重132㎏。第44代横綱。小兵だったが横綱を張り、第45代横綱若乃花幹士をライバルとして「栃若時代」を築いた。幕内優勝10回。1955年横綱になってから1960年引退するまでの優勝が6回。

1559年小生は8歳。相撲というものがわかりかけたころ、栃若全盛期であった。栃錦も若乃花も左四つゆえがっぷり四つになるケースが多く、両者は熱戦を繰りひろげた。
その栃錦とその時代を若元春は濃厚に思い出させる。
実家は農家ゆえ家の中に茣蓙を敷いた広い空間があった。そこで兄二人が相撲を取り眺めた。小生は彼らから年が離れていて相手にしてくれなかったが、近所の米屋の兄貴がけいこをつけてくれた。けいこといっても藁を敷いたところで彼が好きなだけ小生を投げるのであった。まさに「可愛がる」という感じであった。あのころ少年たちの娯楽の大きな柱が相撲であった。

若元春は身長185cm、体重146kg。左四つ。いまの時代、そう大きいと感じない。それより小さな栃錦がとても大きく見えた。さて、若元春はどんな雰囲気を持った力士に成長していくのか。同じ左四つ。栃錦の再来として期待している。



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貴景勝の横綱問題

2023-03-13 06:19:06 | 大相撲

土俵際、突き落とされた貴景勝

きのうは大相撲春場所の初日。
大関貴景勝が優勝して横綱になれるかどうかと報道関係が取りざたしているがきのう、天敵翔猿に土俵際で突き落とされて負けた。痛恨の1敗で、これを見て小生は貴景勝の横綱は遠のいたと感じた。大相撲の首脳部は貴景勝を横綱にさせたくないのかと思うような相手を初日にぶつけた。
貴景勝は九州場所12勝3敗(準優勝/決定戦で阿炎に敗れる)と健闘し、初場所12勝3敗で優勝した。優勝またはそれに準じる成績を二場所なすことが横綱になる条件で、いちおうそれをクリアしたのだが、横綱になれなかった。たぶん1勝足りなかった。
今横綱が休んでいて事実上不在。一番上は大関貴景勝である。その大関も一人。上位がすごく寂しいのが今の大相撲である。その状況で12勝3敗の優勝は物足りない。せめてもう一つ勝ってよ、というのが首脳部の考えでありそれはおおいに納得できる。小生は14勝してほしいと思うし悪くても13勝2敗を望む。その課題が今場所に持ち越されたのである。
しかし身長175㎝体重165㎏のずんぐりむっくりの体型の貴景勝に横綱を感じない。美しくないのである。それは勝つことで克服するしかないが押し相撲というのが横綱を張るうえでえらく不利。押し相撲で横綱になった北勝海(現理事長)は猛稽古で回しを取らない相撲の不安定を克服した。貴景勝は不安的感を克服できていない。だから勝っていても今日パタンと落ちるのでないかとハラハラして見ざるを得ない。
横綱は今の幕内力士から出ないのではないか。下からぐんぐん上がってくる力士の中から出るのではないか。たとえば今十両14枚目の落合。「令和の怪物」と呼ばれる逸材に期待する。
仮に貴景勝が今場所、12勝3敗で優勝したら首脳部はどうするのか。よい趣味ではないがそんなことを考えた。
コメント (3)
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喰いつく翠富士を見よ

2023-01-20 11:06:09 | 大相撲


大相撲は、西前頭3枚目の翠富士に注目している。きのう若元春を破って6勝6敗。残り三つのうちいくつ勝てるか。薄氷を踏む思いである、本人も小生も。
凄いなと存在をつよく意識したのが6日目豊昇龍を突き落としで破った土俵際での粘り腰であった。物言いのついた一番であった。凄みを感じたのが7日目の貴景勝戦であった。大関相手に張り手を繰り出し一歩も引かなかった。負けたがプロは凄いと感じさせてくれた。貴景勝戦で見せた全身バネのような瞬発力はすばらしい。小兵力士だけにこれが続くかどうか心配だが頑張ってほしい。
身長171㎝体重117㎏と発表されているように小さいがまともにぶつかる。その中で「肩透かし」という得意技を持つらしい。これはまだ見ていない。彼を意識したのが最近であるから。
全身の弾けるような力の発散がすばらしい。プロレスに入れば近ごろ見ないドロップキック3連発など軽くこなすだろう。が、とにかくけがをせず幕内にいてほしいと思う力士の一人である。

負けたが見せた対貴景勝戦


低い攻めで押し出した対若元春戦

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