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天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

大相撲・四股名あれこれ

2023-09-17 04:06:45 | 大相撲



大相撲秋場所、みんな勝ったり負けたりのどんぐりの背比べ状態。いったい誰が優勝するのか。それはともかく四股名はいつも考えさせられる。
まず気に入らない四股名の筆頭は、「湘南の海」。<しょうなんのうみ>の7音は間延びし、呼びにくいことこのうえない。「美ノ海」<ちゅらのうみ>みたいに5音で綺麗にまとめられないのか。「美ノ海」はいかにも沖縄を感じさせてよい。
次におもしろくないのが「阿武咲」<おうのしょう>。これを聞いて書ける人が何人いるか。こじつけが度を越えている。ルビを振って読ませればいいという態度は文化を壊す。「天空海」<あくあ>も強引。
名は体を表わす。「髙安」<たかやす>である。「安」など使うからここ一番の勝負に負ける。何度も優勝レースをしながらその重圧に負けて常に脱落する。「高遠」<たかとお>に改名したらどうか。これは長野県の桜の名所だが、地名を四股名に転用してもいいだろう。
地名の転用はもっと考えてよく、「磐梯山」<ばんだいさん>「玄海灘」<げんかいなだ>など響きがいい。「播磨灘」<はりまなだ>は漫画のヒーローである。勝ち名乗りを聞いて気持ちよくなることをもっと大事にすべきだろう。
地名のほかにエメラルドを意味する「翠玉」<すいぎょく>を誰かに名乗ってほしいし、冬を意味する季語「玄帝」<げんてい>だって風格があるだろう。ほかのジャンルの名前の転用を考えてもいいのである。
名は体を表わすもう一人が「翔猿」<とびざる>。はじめ変な四股名だなあと思ったが彼の取組を見ているとぴったり合っている。ブラボー!
「朝乃山」<あさのやま>は優し過ぎないか。山なら「豪ノ山」<ごうのやま>のほうが強そう。「武将山」<ぶしょうやま>もイメージが立つからよい。「白鷹山」<はくようざん>もスケールが大きい。
山だか海だかわからないのが「御嶽海」<みたけうみ>。木曽の出身だから「御嶽」はいいが「海」が欲張りすぎ。長野県に海はないしイメージが混乱する。
「天馬山」<てんまやま>という四股名があってもいい。「山」はもっとあってよく、「餡子山」<あんこやま>はユーモラスではないか。ぼた餅のような体型のあんこ型の力士に捧げたい。ユーモアといえば「熱海富士」<あたみふじ>はそこはかとなく楽しい雰囲気。力士の風貌と名が合っていて好ましい。
「錦木」<にしきぎ>の響きは慎ましい。それはNISHIKIGIとI音が四つ並ぶ稀有な四股名であるせい。A音О音で晴れやか、伸びやかになるが、I音は収縮する陰の音である。しかし「錦木」は落ち着きがあって、地味でこの力士に合っている。しかし、呼出しにとって発生しにくい音感だろう。やはりA音がどこかに欲しくなる。
呼出しが発声しやすい最右翼は、さきほど優し過ぎると言った「朝乃山」だ。A音の多さとО音の配置が抜群の5音。これに匹敵するのは昔の力士だが、「高見山」<たかみやま>、「隆の里」<たかのさと>、若乃花<わかのはな>であろう。現在呼出しが歌えるような四股名が乏しい。「阿炎」は2音ゆえ呼出しが「あーーーびーー」と苦労する。歌えないのだ。2音はラジオ実況のアナウンサーにはいいが呼出しには嫌われる。悩ましい問題である。
さて、十両に「狼雅」<ろうが>というロシア出身の力士がいるが違和感あり。日本で絶滅した狼がロシアにいそうなのはわかるがこれに「雅」をつけるのは凝りすぎ。あまり情念を込めるのはいかがなものか。宮城野親方(元白鵬)が期待を込めてつけた「伯桜鵬」<はくおうほう>は残念ながら肩の手術で休場。それはともかく読みにくい。色々な要素を詰め込み過ぎていて音感が冴えない。四股名はあまり思いを込めず簡素のほうがいいい。
「盤龍」<ばんりゅう>、「雲龍」<うんりゅう>といった落ち着いた四股名があってもいい。力士は大酒飲みがいそうだから、「斗酒王」<としゅおう>がいてもいい。なにごとにもユーモアが必要。
山や海があるなら城があってもいい。黒羽城<くろばじょう>、疾風城<はやてじょう>、「白帝城」<はくていじょう>など。
最後にいいかげんに「正代」<しょうだい>「遠藤」<えんどう>、は辞めてほしい。前者はまだ力士の匂いがするが後者はそのへんにいるおじさんである。彼らは本来の四股名をつけるきっかけを失ってしまったか。
いろいろ書いてきたが優勝すればその四股名は輝く。すこしくらいへんてこな四股名でも勝てば官軍で輝く。誰か抜きん出て四股名を轟かせ! オレハマッテルゼ、これは競走馬の名前であったか。

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おもしろいが風格のない大相撲

2023-07-23 05:38:26 | 大相撲

きのう北勝富士を「突き落とし」で葬った伯桜鵬

大相撲名古屋場所は今日、千秋楽。見ものは以下の2番。
11勝3敗同士の豊昇龍(関脇)と伯桜鵬(前頭十七枚目)がぶつかる。
10勝4敗の錦木(前頭筆頭)と11勝3敗の北勝富士(前頭九枚目)がぶつかる。
仮に豊昇龍と北勝富士が負けると、伯桜鵬が優勝してしまう。彼は今場所はじめて幕内に上がった19歳。そんな快挙があっていいのかと思うがあり得る事態である。
横綱が負傷休場、大関一人が老朽化休場。新大関・霧島が締めるかと思いきやはなから休み、気を取り直し再出場、勝ち越しを期待したがきのう負け越し決定。せめて8勝してくれよ。霧島には期待したのだが、現状では豊昇龍、大栄翔、若元春と差はない。豊昇龍か大栄翔が場所後、大関に上がったとしても大関安泰とは言い難い。正代や御嶽海のように落っこちる可能性大。
幕内全体の力が上がったのか傑出した力士がいないのか、どっちなのか。
照ノ富士が皆勤した先場所、14勝1敗で優勝した。盤石の強さ、安定感であった。幕内はやはり13勝以上の優勝でなきゃあ、と痛感したものである。今場所の優勝は12勝であり、やはりずば抜けた存在がいない寂しさがある。
錦木にも相当期待したのだが終盤けっこう負けて優勝争いから離脱した。
玄人筋に評判の伯桜鵬に期待するしかないか。今場所優勝しなくても次は前頭五枚目以上にきそう。小結、関脇にすぐなりそうな予感がある。そのように出てくる力士に期待しては裏切られている。
盤石の横綱のいない相撲は、主宰がいない小句会のようなもの。民主主義的で和気あいあいとして楽しいといえば楽しいが、「こんなのダメ」という一声が場を締めるのである。
絶対者不在の句会はたちまち俗化する。小川主宰はみんなが喜ぶ句をときおり「おもしろ過ぎる」と突っぱねる。その倫理感は心地よい。
いまの大相撲はおもしろいが気品と風格がない。
伯桜鵬が小結に来たときさらにぐんぐん上がっていく気配があるのか。夏富士の上昇気流のようなものがあるのか。そのとき気品と風格あれば横綱が期待できるのだが。
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大相撲をなめている

2023-07-15 05:59:38 | 大相撲

北青鵬、上手を取っただけで突っ立っている


大相撲名古屋場所七日目、大相撲をなめてるなあと思ったのが北青鵬である。
相手・宇良に立ち会いに飛び込まれたが右上手は取った。なにせ身長204.0cmで宇良の身長175.0cmを29 cmも上回っている。大人と子供であり肩越しに楽々上手が取れてしまう。上手一本で宇良を振り回す。投げ捨てようとする。
ふてぶてしい。このとき宇良、負けるなよと思った。北青鵬は相撲に足して不遜であり相手に対して失礼である。そういう輩に負けてはならぬ、という気持ちになった。
宇良は再三の投げに踏ん張って北青鵬の後ろに取り付き、結局、送り出して勝った。
師匠の宮城野親方(白鵬)は相撲の基本を教えていないのか。15代武蔵川の「まわしを取ったあとに、なぜか何もしないんだよ(笑)」との発言があるように、とにかく立ち合いが鈍いしその後態勢をつくる気配がない。
きのうの取り組みもなぜ上手一本で満足するのか。左手はまったく使っていない。小生は立ち合いに突っ張て相手をいったん起こすべきではないかと思う。それに少しは前傾するとか、腰を下ろすとかして相手に正対すべきではないか。正対すれば両上手取る確率が高くなる。そうなると負けない。
現状ではでかい図体を持て余しているように見える。本人は「相撲の概念をぶっ壊す」と豪語するほどに自分の戦い方にこだわりをもっているらしいが、上手一本で振り回すのがそれなら大相撲はそう甘くないだろう。
もう少し相撲のために身体を使うことを覚えないと宝の持ち腐れになってしまう。横綱を張れるだけの素材なので早くきちんとした形を見せてほしいのである。

宇良は後ろにとりついて、送り出し

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横綱が締めた

2023-05-29 06:06:43 | 大相撲



大相撲五月場所は横綱照ノ富士が14勝1敗で優勝した。正直いって10勝できれば御の字かと思っていたので中日まで8連勝したとき期待した。
千秋楽の貴景勝は差して体を密着させたとき勝てないだろうと思いそうなった。照ノ富士に体を密着させてはダメというのを「極め出し」で負けた翔猿、宇良、豊昇龍が証明する。横綱はうるさい奴らを引っ張り込んでがんじがらめにして始末した。
横綱にとっていちばん嫌なタイプは終始体を離して攻めるタイプ。ボクシングでいうヒット&アウェイであり、それを果たして勝ったのが9日目の明生であった。
14日目の霧馬山はうまく攻めたが横綱に前みつを引かれて正対されたのが敗因。横綱は苦しかったが前みつを引き付けて霧馬山の態勢が上がってきたとき勝負あった。勝つには霧馬山は照ノ富士の横にとりつかねばならなかった。
朝乃山、若元春のように素直に四つになる力士は組みしやすかったのではないか。強い横綱相撲であった。12勝の優勝はプロの幕内の優勝としては物足りなかったから14勝が燦然と輝く。
ひと場所でも多く取ってほしいと思う。


通常ならもろ差しの寄り(貴景勝)は最高の形だが
今場所の照ノ富士には「飛んで火に入る夏の虫」であった

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横綱相撲をとれる二人

2023-05-24 19:04:58 | 大相撲

横綱の器、北青鵬


大相撲夏場所11日目。もっとも注目した対戦が若元春VS北青鵬であった。
きのう明生の再三の寄りを上手一本で残し、最後上手投げで仕留めた北青鵬には度肝を抜かれた。この新人が緻密さを身につけたら間違いなく横綱になると感じた。
2001年11月12日生まれの21歳。モンゴル生まれ母親の語学留学に伴って5歳で札幌に移住し、大相撲の札幌巡業を観戦した時に横綱の白鵬と出会って相撲をやることを勧められて相撲を始めたという。
2020年3月、前相撲をとってからわずか3年目の今場所、20場所目で関脇と対戦するまで上がってきた。10日目で8勝2敗。筍が竹になるような早さの出世である。身長204.0cm体重177.0kg、ただでかいだけでなく身体が動く。明生を上手を摑んだけで屠ったことが実証している。怪物である。

緻密で鋭い若元春


若元春、大関候補の一人である。二人とも左四つですぐがっぷり左四つになった。なにせ身長で17㎝劣る若元春は深く懐に入って身動きできない。北青鵬が果敢に寄って出た。いい寄りであったが、足腰が良く相撲を知っている若元春は左へ身体をひらいて寄る力を排除して行った。きれいなうっちゃりが決まった。両者が左四つでよかった。相四つゆえがっぷり四つを見ることができた。いいものを見せてもらった。
若元春の足腰の良さ、緻密さからくる自力と北青鵬の将来性を1分25秒の相撲が存分に見せてくれた。
二人が横綱になって力の入った四つ相撲をとってほしいと思った。また、そうなる可能性はそうとうある気がする。

現状では霧馬山がもっとも大関に近いところにいる。けれどこの二人もそれにぴたっとくっついている。これに朝之山が加わるだろう。
照ノ富士と貴景勝の落ちた後、大相撲は四つ相撲全盛となるのではないか。ただし、北青鵬が四つ相撲に専念するかどうかはわからない。彼は何をするかわからないほど器が大きいのである。

これぞ四つ相撲の醍醐味。うっちゃる若元春

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