goo blog サービス終了のお知らせ 

天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

大相撲がおもしろい

2024-01-26 06:30:45 | 大相撲

阿武咲(左)をはたき込んだ琴ノ若(撮影・サンケイスポーツ加藤圭祐)

大相撲初場所が佳境に入っている。
関脇琴ノ若が阿武咲を叩き込みで破り11勝1敗。これに横綱照ノ富士、大関霧島、豊昇龍が10勝2敗で続く。大相撲協会またわれわれ相撲ファンにとって理想的な展開でありワクワクする。
なんといっても休場していた照ノ富士の復活が大きい。場所前、出るといっても10勝すれば及第、いやそれまでに負けが込んで途中休場するのではと懸念した。意外といっては失礼だが横綱相撲をとっている。序盤二つ負けたころより内容がよくなっていて(立ち合いの踏み込みが鋭くなっていて)安定した。きのう伸び盛りの新入幕大の里をすばやくまわしを取って上手投げで屠ったときさすが横綱と感じた。往時に戻っていると感じた。
横綱以上に盛り上げているのが関脇琴ノ若。本格化したという感じがする。今日、横綱と対戦する。過去横綱戦は0-5と1度も勝っていないが今日はいままでとは違うと見る。
今日どちらが勝つかで以後の大相撲の様相がわかる。琴ノ若が勝てば大関はもちろんだが横綱にさらに近づくような気がする。残り全部勝って14勝の優勝もあり得る。スター誕生である。
舞の海さんが「若い力士が三役で力をつけて大関に上っていく姿というのはしびれますね。子どものころ、中学生のころですかね。千代の富士さんが関脇で横綱、大関と対戦しても力で勝っていくんですよね。一気に横綱までいったあの姿を思い出しますけどね、琴ノ若を見ていると」と言ったように。
それは小生も感じている。展開的には横綱が勝って11勝2敗が3人になって欲しいところ。
大関の2人が激突するからどちらかが3敗になって後退する。
次の横綱は誰かという視点からみて、今日当たる琴ノ若の後の豊昇龍、霧島の照ノ富士への挑戦も非常に興味深い。横綱を試金石にして琴ノ若、豊昇龍、霧島の力量がわかるのである。それもあって強い横綱の存在が必須なのである。
現状では霧島、豊昇龍よりも琴ノ若の伸びしろが凄い。あの体型といい腰の座り方といい横綱を張れる風格がすでに漂う。
とにかく最近では一番おもしろい場所になっている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

見よ翠富士の剛腕

2023-11-22 07:36:43 | 大相撲

高安の猛攻をしのぐ翠富士

大相撲九州場所、前頭5枚目の翠富士の相撲が光っている。
7日目北青鵬と水入りの長い闘いで負けたとき3日分の疲労を背負い込んだのではと懸念したが、以後、8日目妙義龍を掬い投げ、きのう高安を小手投げで下した。妙義龍戦では寄られながらのとっさの剛腕で相手がすっ飛んだ。きのうの高安も正対して押されて危ないと見たとき翠富士は相手から身を引き離し間合いを作って投げた。対戦相手はみな大きいので見る方はいつもハラハラしつかまって押されればああ負けかと思う。しかし、翠富士は機を見るに敏でありとっさの相撲勘が冴える。最近は並はずれた腕力があるのではと思う。
翠富士の体は全身これ筋肉ではなかろうか。身長171cm、体重117kg。もう10 kg体重があったら少し楽になるか動けなくなって不利になるか。とにかく怪我をしないで長く幕内にいて欲しいと願う。同じような小さな体で活躍した舞の海さんが「私と違って真っ向勝負するのが魅力。私は怖くて立ち合い当たれなかった」と称賛する。

伊勢ヶ濱部屋は横綱照ノ富士が長期離脱しているが熱海富士8勝2敗、翠富士7勝3敗と個性異なる二人が元気である。

とっさに左腕をたぐる

小手投げが決まる

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

玉砕に美あり翠富士

2023-11-19 06:47:31 | 大相撲



大相撲九州場所七日目。北青鵬と翠富士の対戦に注目した。
北青鵬、身長204.0cm、体重177.0kg。
翠富士、身長171.0cm、体重117.0kg。身長で33 cm、体重で60 kgの差がある両者。まるで大人と子供である。北青鵬は恵まれた身体ながら今場所は4連敗して2勝4敗という情けない成績。この一戦はまわしを取れるので勝てると予想し勝ったのだがその中身はひどかった。
まわしが取れたのは自分が大きく手が長く相手が小さいからである。何か工夫したわけではない。まわしを取ってから自分では何も仕掛けずただ相手が出るのを待っていた。それで4分経過して水入り。その後もただ立って受けていた。翠富士は果敢に攻め足技で揺さぶったり投げに行ったりと見せてくれた。しかし相手が大きすぎて揺るがない。6分41秒翠富士は下手投げに行ったところを潰すような上手投げでやっと仕留めた。
連敗を4で止めた北青鵬は付き人とグータッチして笑顔を見せた。「相手の攻めを待っていた。疲れはなかった。」とけろっとしていたが、情けないのひとこと。
いつもは上手一本で相手を振り回して決めるがきのう翠富士にそれができなかった。そうすれば返されて負けそうな予感があったからだろう。翠富士は身体に恵まれていないが心・技が充実していて自力がある。ただし体がない。
一方、北青鵬は体だけがずば抜けて心・技はまるで空虚。相撲文化というようなものがまるで体の中にない。北青鵬が突っ張りを覚えたら横綱を狙えると書いたがわかっていればすでにそうしているだろう。やはり体だけの男か。
相撲は強いだけでなく美しくあらねばらなぬ。やっと勝った相手から学ぶことは多いだろう。勝ってグータッチしている場合ではない。
負けた翠富士に太平洋戦争で負けた日本が重なった。戦争が長引けば長引くほど勝ちは遠のいてゆく。待っていても負けるなら自分から仕掛けよう。悲愴な敗戦であった。

下手投げを打ち返されて散った翠富士


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北青鵬+阿炎=横綱

2023-11-15 06:51:12 | 大相撲
  
北青鵬                                                  阿炎

大相撲九州場所、大関貴景勝が優勝して横綱になれるかどうかという話題が先行しているが、興味がない。この人は横綱の器ではない。
ではその器とはと考えて、今の幕内に探すと、スケールの大きさで北青鵬を挙げたい。この人について先場所、「大相撲をなめている」と書いた。序盤、立ち会い突っ立つているところを中に入られて何度もバンザイする取り口で負けが込んだからである。ところが以後勝ち続けて先場所なんと10勝5敗の好成績であった。負け越すかと思ったからえらく驚いた。まわしを取ったら無敵である。今場所も初日隆と遠藤にまわしを取って勝った。がきのう湘南乃海に食い下がられてまわしを引けずに負けた。
北青鵬が常時まわしを取れれば横綱になれる。けれどプロは甘くない。それは皆知っているのでいかにそうさせないか敵は考えている。
「大相撲をなめている」の理由は、立ち合い、ふわーっと突っ立ってまわしに手を伸ばすだけで芸がないことをいう。突っ張ってみたらどうか、阿炎のように。
その阿炎は初日、豪ノ山を激しい突き押しで一気に持って行ったとき優勝争いにからむかと思ったが2連敗した。阿炎は突き押し相撲を目指しているがぬるい。突き押しが緩慢なのかすぐ敵に懐に入られて逆に押されて負ける。押しきれないのでいなしたり、はたいたりと懐の深さで勝ちを拾うがいい相撲とは言えない。阿炎の突き押し相撲は限界に来ているのではないか。突き押しを見せて四つになる相撲に転じてもいいのでは、と考えていて、それならまわしを取れば無敵の北青鵬に突き押しをさせたほうがずっと現実的と思った。
それを決め手としない突き押しを身につけるのはそう難しくない。
大鵬も白鵬も突き押しの相手には突き押しで応戦して機を見てまわしを引いた。それで負けにくい横綱相撲となった。
北青鵬は立ち会い、突き押しで相手を起こすべきではないか。宮城野親方(白鵬)はそういう指導をしていないのか。好きにやらせていても勝ち越すであろうがもっと上を狙える玉だけにもったいないと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いじめられる熱海富士

2023-09-22 00:23:13 | 大相撲



写真はきのうNHKテレビが放映した熱海富士の千秋楽までの対戦相手の予想である。みな関脇、大関であることに驚いた。
きのうは大栄翔に負けて10勝2敗となり、勝って9勝3敗となった貴景勝と星ひとつの差となった。貴景勝と今日対戦し負けると両者は10勝3敗で並ぶ。
これは協会首脳部の露骨な熱海富士いじめではないか。熱海富士は前頭十五枚目だぜ。むかし前頭十五枚目が大関と対戦したか。おととい小結翔猿と対戦したときはまあ仕方ないかと思ったが、以後ずっと役力士と対戦が組まれてしまった。
貴景勝よ、後は自分で頑張って優勝を摑みとれよ、大関なんだから、という協会首脳部の意図を感じてしまう。大関、関脇で優勝争いにからんでいるのは貴景勝だけだ。大関最後の砦だ。優勝という看板は最高位の力士が負うべきだという権威主義がまだあるようだ。しかし権威のあるべき番付をないがしろにして昔はとうていなかった番付破りを行う。番付などあってない、と協会首脳部が表明しているようなものである。
熱海富士が勝ち進んでいるからより強い上の力士と戦うのは小生ほか大相撲ファンのほとんどが見たいだろう。しかしそれを隠れ蓑にして協会首脳部は、平幕をつぶし、大関を立てようとしていないか。
しかし大関が優勝することを相撲ファンがそう期待しているのか。大関にそれほどの権威を感じて尊敬しているのか。
役力士を熱海富士にぶつけるのは仕方ないとしてもせめて貴景勝との対戦は外すくらいの惻隠(そくいん)の情をもっていてもいいのではないか。協会首脳部に礼儀がないのが気になる。それでよく白鵬の取り口が荒いとか言えたものだ。
熱海富士は期待できる。きのう大栄翔に負けた相撲も悪くなかった。緊張せず身体がよく動いていた。前傾姿勢を維持でき簡単に落ちないのもいい。仮に今場所優勝できなくても来場所以降かなり楽しみ。はやめにいじめてもらって強くなるにはいいステップであったかもしれない。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする