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天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

がんばる遠藤関と情けないG馬場

2015-03-12 18:51:10 | スポーツ
車椅子で退出する遠藤関

大相撲春場所5日目、好調遠藤が松鳳山を土俵際の突き落としで破ったが左膝を痛め、土俵に戻って勝ち名乗りを受けることができなかった。
その後車椅子で病院へ向かった。
けががとても心配だ。
一勝が一生を台無しにすることもある。プロの勝負の厳しさを見た。

こういう場合勝ちを捨てることもプロではないかと思った。
一勝を棒に振るようなけがを呼び込むような瞬間、勝ちを捨てるいさぎよさもプロではないかという気もする。

大技を食らうとすぐまいったの意思表示してからだを労わったジャイアント馬場を思った。
たとえばザ・デストロイヤーの四の字固めを食らったときなど10秒も我慢せずにギブアップ。からだの負担を最小限にとどめて次の勝負に備えたものだ。(3本勝負の場合)
見ていて苦笑してしまった。
情けなかったが馬場さんは徹底した合理主義者であった。
プロというのは意識して負けることもときに大事であることを情けなさと一緒に教えてくれたような気がする。
プロレスは大相撲と比べ勝ち負けにあまり意味がないショービジネスではあるがそれにしても馬場さんはあっさりしていた。

もう一人頑張らないプロ選手に大洋ホエールズの平松投手がいた。
彼は「ガラスのエース」という不名誉なニックネームをマスコミからもらっていた。それはここで頑張ってほしい試合で崩れることが多かったためだ。
平松は金田さんのようにからだが頑健でなく故障がちだったためかとにかくからだの酷使無理使いをさけた感じで18年はたらいて201勝をあげた。
名投手である。

大関が全員ばたばた負ける中で有望なプロ力士にときには意識的に負けていいよ、というのもなんだが、ひとつくらい落としてもほかの取り組みで輝いてくれれば納得できる。
絶対負けたくないという気性が凄すぎて一生を棒に振る重傷を負うのはどうなのか。
ジャイアント馬場流の情けなさもまたプロのひとつの姿勢のように思う。

遠藤関の負傷が軽いことを祈る。
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守備的体力と戦略的頭脳

2015-01-06 07:02:17 | スポーツ

後半17分、東福岡・岩佐が中央へ勝ち越しのトライを決める

きのう行われた全国高校ラグビー準決勝の2試合目、東福岡(福岡)vs尾道(広島)は血湧き肉躍る興奮であった。
前半2トライずつ取り合って12-12で終えたがスコア以上に尾道の方が優勢であった。
尾道は東福岡が飛ばしパスをするところを読みそこをタックルで完璧につぶした。出足鋭い防御網が東福岡にあせりをもたらし、たびたび反則を誘った。その反則のため東福岡の攻撃はとん挫した。

拮抗したラグビーほどおもしろいものはない。後半どちらが先に点を取るかが試合の趨勢を決めるだろう。
5分過ぎ10分過ぎ両者が押したり押されたりして拮抗しているとき見ている者の心臓は高鳴り脈搏が異常にはやく打つ。
渓流と渓流がぶつかって逆巻く波をもたらすがごとき力と力。寒気団と温気団がぶつかって前線をつくるかのようなせめぎ合いを見ていると体が浮遊する感じさえする。
この興奮は17分も続いた。この17分を見せてくれた尾道の守備的体力の凄さに感謝したい。

この守備的体力を東福岡のウイング岩佐がぶち抜いた。
相手3人のタックルをかわして約40メートル駆け抜け、インゴールでも2人を倒して中央にトライ。
「当たりが弱くなっている。抜いて走れる」と尾道の体力消耗を察知し、個人技で相手防御網を切り裂いた。
これで趨勢が東福岡に一気に傾いた。
この後、尾道が押し返しペナルティキックでもいいので3点を返すことができればまだ勝敗はわからなかっただろう。それも注目していた。
けれど尾道の守備的体力はほぼ尽きていた。
次のトライも東福岡が取ったとき勝敗は完全に見えた。

東福岡は後半戦略を修正した。
フォワード戦にかける時間を増やしてスクラムサイドをほじるように前進を繰り返した。小刻みに一人が2、3メートルといった前進をはかりそれを全員がサポート。
フォワード主体で地道な攻撃をしかけた。手っ取り早いバックスへの配球が相手の力を馬鹿にしたものであったと気づいたのだろう。
それが奏功して尾道の守備的体力を根こそぎ奪っていった。

フォワードで中央を消耗させておいて横へ早いボールを出す。
これにもはや尾道はついてこられなかった。地道にやって急に華麗に転回するというふうにプランを修正できる福岡東の頭脳は凄い。それができる体力を温存させていることも。

東福岡(福岡)40-12尾道(広島)。
東福岡圧勝と見えるのだがラグビーは全時間見ていないとわからない力と力、頭脳と頭脳の織り成す機微がある。

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赤鬼と青鬼の激突

2015-01-05 04:52:05 | スポーツ


きのうトップリーグラグビーのキャノンとパナソニックが闘った。キャノンのユニフォームは赤、パナソニックが青、まるで赤鬼と青鬼が喧嘩しているようだった。
前半、赤鬼が先制し青鬼がついていく展開。キャノン強いなあと思わせた。
キャノンフォワードのタックルからのジャッカル(ボールをもぎ取る)が凄い。もしかして青鬼を食う番狂わせが出来するのではと思わせた。
前半は13-13。いいぞ赤鬼。

後半2分にダニエル・ヒーナンがキャノンの防御を突破したトライは凄いのひとこと。左手のハンドオフはもはや大相撲の「突き倒し」。相手が仰向けにひっくり返った。
ヒーナンはすぐプロレスラーになれそう。今日最高の青鬼と思ったら試合後、この試合の最高殊勲選手賞「マン・オブ・ザ・マッチ」に輝いた。

キャノンのジャッカル、ターンオーバー、パナソニックのタックルと両チームの防御に見るべきものがあったが、ヒーナンのトライから流れはパナソニックに傾いた。
ラグビーは60分過ぎてからの20分に実力があからさまに出る競技。青鬼軍団が次々加点して赤鬼軍団を後半完封してしまった。
結果38-13.ダブルスコア以上の差がついてしまった。


5番(ロック)ダニエル・ヒーナン。オーストラリア出身33歳。196㎝111㎏。ロックは最前列の3人を支える2列目。スクラムの支柱である。

こちらの青鬼は毎試合凄い。10番(スタンドオフ)べリック・バーンズ。オーストラリア出身28歳。183㎝87㎏。
大局を瞬時に判断してボールコントロールするゲームメーカーで正確無比のキック力を有す。

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青山学院原旋風

2015-01-02 18:02:59 | スポーツ
ま、まさか、青山学院大学が箱根駅伝の往路を圧倒的な強さで制するとは!
東洋、駒沢の2強によく食らいついているな、とは思っていた。
5区駒沢の馬場翔太がすんなり1位のテープを切るだろう、青学が2位とはすごいと9キロ地点までは思っていた。


ところが追ってきた青学の神野大地くんがすいすい抜いてあっという間に置去りにしてしまった。

さらに馬場君は疲労困憊であやうく失格になるのではというふらつき何度も転倒して起きてかろうじてゴールイン。神野くんに約8分ちぎられた。
神野くんはまさに神の走りで2位明治に約5分の差をつけた。

青学の監督、原 晋さんの指導が花ひらいたといえよう。
原さんは名門広島・世羅高校、中京大学を経て実業団・中国電力にて活躍するも1995年、故障により27歳で引退。陸上の現場を退き、その後はサラリーマン生活を送っていたとか。
箱根駅伝の出走経験や出場校のOBではなかったものの、箱根駅伝出場を目指す大学の強化支援もあって2004年に青山学院大学監督へ就任。今年で就任11年目を迎える。

先日の有力校監督座談会での原さんの発言はほかの監督とずいぶん違っていた。
できるだけ楽をして合理的に強くなるのがいい、とか、体幹を強くしないと早く走れないとか、ただしゃにむに走ればいいという根性論から発言がほど遠かった。
ぼくもこういう監督のもとでやりたいな、と思った。
むろん走ることはできっこないが指導者のタイプとして熱情的、教条的でなく合理的発想を大事にし常に新しい指導方法を編み出そうとする姿勢に新鮮なものを感じた。

箱根駅伝のような過酷なレースはそこにいたる練習で故障することが多い。
げんに山梨学院はレース直前練習でオムワンバが故障して大幅に予定が狂った。
青学の陸上部員は以前より故障が減っているという。

競走部の監督と俳句教室の指導とは畑が違うが、原理として似ているところはあろう。いかに教条的にならずフレッシュな発想を教えることにも取り入れるか。
「教える」という考え方でいいのか、といったことも含めて、人の中でどういうふうに自分が動くと人様にいい栄養が与えられるのか、
青学の選手たちのはつらつさを見ていて考えることが多かった。
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プロレスなら女子も見る

2014-11-02 09:33:07 | スポーツ

きのうGAORA SPORTSで「OZアカデミー女子プロレス」という団体の10月13日後楽園大会を放映した。
「ビューティペア」が終ってから何年も過ぎ、女子プロレスはいまどんな玉がやっているのか。

この団体はその公式サイトで、「魑魅魍魎とした本格派女子プロレス団体です」と謳っている。
最初は「本格派女子プロレス」といっていい見せ方であったが、第5試合でなんと女2人対男2人のタッグマッチとなった。[ 王者組 ] 尾崎魔弓:旧姓・広田さくら、 [挑戦者組] 男色ディーノ:大石真翔。
男子プロレスでは大阪プロレスが吉本興業ふうのお笑いをプロレスに持ち込んでいるが女子プロレスに男子を入れるとは…。
世も末じゃと思っているとまさにエロ・グロ・ナンセンス!
「魑魅魍魎」とはこのことだったか…。


主役は「男色ディーノ」。ウィキペディアによると、彼は、DDTプロレスリング所属のプロレスラー。広島県豊田郡瀬戸田町生口島出身。リングネームは漫画「魁!!男塾」のキャラクター男爵ディーノに由来する。 色白でプロレスラーらしからぬもっちりした腹回りをしている。大学時代から一時中断した時期をはさみつつも、一貫してゲイレスラーのキャラクターで活動している。
得意技は「男色ドライバー」:相手の顔を三重に履いたタイツとタイツの間に入れてのドリル・ア・ホール・パイルドライバー。

 
さくらに抱きつく大石真翔、まあこれは正常         男色ディーノの紐パン攻撃、これはグロの極致

えらいものを見てしまった。
ふつうならテレビを消すのだがこのあとどうなるか興味が持ったので見続けると、
最後はまた「本格派女子プロレス」に戻ってホットとした。

いずれにせよ見世物である。男爵ディーノのようにぼくは生きられないなあ。
見世物はどう見せようと見世物、基本的に哀しい。むかし作ったわが俳句
「後の月化粧落とせしピエロはも」を思い出してしまった。
女性の場合、見世物にエロスがついてまわる。エロスの乏しい女性は強さと迫力で見せる。
それがアジャコング。
サッカーや野球のように技量のみで勝負できない世界だけにプロレスは見世物度がつよくて哀しい。
後楽園へ行ってチケットを買ってまで見る気にはならない。
強さと悪さと美貌を備えた玉はそうそう出現するものではない。


アジャコングの存在感は見もの          志田光はきつめの吉永小百合という感じでキュートが売り 
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