
圧巻の攻めだがボールを接地(トライ)できていないと思った
第8回ワールドカップラグビーでよもや日本が南アフリカに勝つなどとは誰が予想できたか。
テレビ中継があったかどうか知らないほどでニュースで事の大きさを知った。
しかし録画を見ると闘っている日本の選手たちは全員、勝ちに行っていた。引き分けでいいのではなくて、勝つか負けるかを闘っていた。
後半38分、相手の反則をもらったときPKで3点を取るのではなく、スクラムを選択したときぼくは胸が高鳴った。
攻撃しているのが日本でなくて南アフリカでなはないかと錯覚したほどだ。南アフリカなら絶対勝ちに行き、かなりの確率でトライを取れる王者なのだ。
その王者ラグビーを日本がやろうとしていた。
それからの3、4分の攻撃は日本ラグビー史上に燦然と輝くだろう。
トップリーグのパナソニックやサントリーなどの攻撃はすごいが、こういう局面で落球(ノックオン)はままあった。
3分攻め続けると落球に加えてあせりからの反則も起こしやすいが一切なかった。反則したら笛がピーッと鳴って敗け。
そんな緊張のなかでハンドリングエラーが皆無で絶妙な球出しでトライを取ったことを奇跡と思った。
引き分け狙いならあの反則で得たPKを五郎丸に蹴らせただろう。あの位置であの距離ないま彼のキック力なら100発100中。
そんなことを誰一人として考えずスクラムを選択した(勝ちに行った)勇気を称えたい。
その時間に試合を見た人が世界に少なく、そのニュースが世界中を駆け回っていま大騒ぎになっていることに、ジャパンラグビーの快挙が端的に表れている。
日本が38分の時点で「負け犬意識」を完全に払拭していたことが歴史的なことなのである。
歴史的なトライ
