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天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

獰猛な黒い疾走ノヌー

2015-11-02 14:57:43 | スポーツ


ラグビーワールドカップ決勝戦ニュージーランドVSオーストラリアに酔った。実況アナウンサーが「まばたきができません」というのは誇張ではなかった。
ブレイクダウンでは後続が0.5秒参戦するのが遅れると相手にボールが奪われるというタイトのものでスリルスリルが連続した。

攻撃力に優るニュージーランドがじわじわとゲインラインを突破し、70%ボールを支配し続け相手陣地で闘ったところに実力の差が出た。
両軍の全選手が高い技量と体力と精神力を誇りこれぞ決勝戦という華があったが、一人挙げれば、走りで群をぬいたニュージーランドの11番、マア・ノヌーにはほれぼれした。

獰猛な獣という感じがいい。
ヘアスタイルが獰猛な印象にぴったりでライオンのたてがみよろしくたなびくと人間の世を離れた異界への疾走である。
日本にも山田や藤田などスピードランナーがいるがノヌーの走りは獣である。
一度話して人間であることを確かめたいような雰囲気がすごい。

日本のトップリーグへ来てくれないかな。
ワールドカップ4強のニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンから獰猛な猛者が日本へ来てほしい。
日本人のようにハンサムではない動物に近い選手の到来を期待している。



左:サニー・ビル・ウィリアムズ 右:マア・ノヌー
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プレーオフと季語の奥行

2015-10-05 13:52:32 | スポーツ
片山津GC白山ホームページより


きのう日本女子オープンを見た。
18番で先行していた菊地絵理香がボギーをたたいて後続のチョン・インジ、イ・ミヒャンに並ばれてプレーオフとなった。
個性の違う若い女性たちの競演に見とれたが18番ホールだけ使うプレーオフという決着方法にやや疑問を感じた。
力量が拮抗する3人の闘いは1度で決まるのか、2度やっても決まらないのではないか。秋の日はどんどん落ちていて日暮れが迫っていた。

案の定、1回目は3人ともパーセーブした。
もっといい決着方法はないかと思っていると2回目だったかイ・ミヒャンがボギーで脱落。
チョンと菊地の決戦となった。
このへんからワンホールで決着を図るプレーオフに辛気臭さを感じていたのが薄れて面白くなってきた。
それは同じ場所へ俳句をつくりに行ってもそのつど見えるものが異なり書く俳句の内容が変るのと似通っていると気づいたからである。

夏、俳句のネタを仕入れに御岳山の向こうのロックガーデン(岩石園)へ行った。ここは岩と水を感じるのにいい。
しかし訪れるたびに見えるものが変る。
去年も行って蝶の句がひらめいたが今年は興味が石と風に変った。
また冬と夏では同じロックガーデンでもえらく印象が違うし、風が強い弱い、雲が多い少ないなど自然の刺激は毎回違う情趣をもたらしてくれる。
きのうのゴルフ会場は石川県の片山津GC白山コースであったが風がすごかった。
選手たちの心理も一打一打めまぐるしく変わることだろう。

菊地絵理香

惜敗した菊地絵理香と優勝したチョン・インジはコースの感じ方。見え方はたいそう違うであろう。言葉にして表現できない性質の違いを二人は感じているはずである。
また早く脱落したイ・ミヒャンも。
さらに最終日17番まで3アンダーで来て菊池と並んで18番を終えそうであったが、池へ落としてトリプルボギーをたたいて貯金をすべて吐き出した柏原明日香。
彼女は次にこのコースへ来るとききのうとは違う光景を見い出そうとするはずである。

同じコースを回ってもそのつど見える光景が異なるという点でゴルフと俳句の吟行、また季語への思いはそうとう似ているのである。


チョン・インジ
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スクラムを押す日本を見た

2015-10-04 06:02:47 | スポーツ

圧巻のスクラム

ゆうべのラグビーワールドカップ、日本対サモアは予想もしない日本の圧勝であった。
前半の後半、相手陣地深く攻め込んでスクラムを得た。これを押し込んでコラプシング(スクラム崩し)を誘い、認定トライを取ったのが圧巻であった。
思いもしない楽な展開で怖いくらいであった。
ラグビー先進国相手にスクラムを押すなどという光景は5年前なら考えられないことである。崩れそうなスクラムからやっと球出しして相手の激しいタックルに遭うという場面ばかり見てきた者にとって世界が反転した気がした。

後半17分、自陣に攻め込むサモアの突進に対してのディフェンスは見事でありこのとき日本の勝利を確信した。
突破されるか守るかの激しいブレイクダウンの連続するなかでどちらが反則を先に犯すかの勝負になった。
結局、サモアがオーバーザトップを取られて日本が危機を脱出した。
サモアは随所にラフプレーやミスを犯して日本を助けてくれたのだが、それも日本の連携のよさが繰り出す緻密な連続攻撃に業を煮やした感があった。

欲をいえば、ラインアウトからのモール攻撃に緻密さを欠いたことか。
あるいはサモアのモール対策が上回っており、ほころびを突かれた。

とにかく心・技・体の充実がいちじるしかった。
サモアに欠けていたのは心と技。ラグビーは連係であるという考えを日本から学ぶことになるだろう。さらにここ一番は踏ん張らねばならぬという胆力も日本から学ぶ要素であろう。

試合はあまりに日本が優勢でかえってスリルが乏しいと感じたほどであった。
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ラグビー2匹目の泥鰌おらず

2015-09-24 12:51:24 | スポーツ

前半、モールを押し込んでの日本の唯一の得点

自分の生活スタイルを崩して昨夜、Wカップラグビーの対スコットランド戦を見た。
みどころのあったのは前半終了間際、五郎丸が相手14番の疾走をトライ寸前で弾き出したところまで。
あとは力で防御網がずたずたにされてトライを続々取られて完敗した。

敗因は讀賣新聞が「日本無念 ミス連発」と書いたことにつきる。
前半からスコットランドの防御は破れそうな気配がした。ぶち当たって一人、二人を抜くケースはしばしばあった。
この調子で展開すればトライはいくつか取れるだろうと予想したが、スコットランドは最後の5mで堅固であった。あと5mが遠かった。
中央部ではいくぶん抜かれても危険地帯では鉄壁な防御を誇った。
力の使い方を熟知していて最後で決め手を欠く日本のパス回しを読んでいくつかインターセプトして、一気にトライした。カウンターが効いた。
南アフリカ戦で完全燃焼してしまった感じでそれ以上を望むのは酷のような気がした。
いっそのこと負け試合をつくって体力を温存し次を取るという考えもあるのでは、という気がした。次を取るなどという余裕はないのだろうが、全試合に南ア戦のような力を出すのは困難。
南アフリカ戦がまぐれとは思わないが常にあの闘いができるまでにはなっていないということだろう。

それにしても南アフリカが2位でスコットランドが10位というランキングは変ではないか。
スコットランドの防御は南アフリカのそれより明らかに優れていた。
完敗しても一つの負け。奇襲でもなんでもいいからもう一つサモアに勝ってくらないかなと願うのみ。引き分けでもいい、そう思って闘うと負けるのであるが…。
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ラグビーの余波車内へも

2015-09-22 03:54:38 | スポーツ


きのう鷹同人総会が終わって東京駅で中央線に乗った。
ぼくの横に70歳ほどの女性が座り前に20歳代の女性2人が立っていた。3人は仲間で日本ラグビーが南アフリカに勝った話をしている。
びっくりした。
女性でラグビーがわかる人はそう多くない。野球にしても女性は男性ほど興味をもたないし、もったとしてもイケメンとかかっこいいとかいった要素であることが多い。

「日本って津浪みたいな波状攻撃だったわ」
「それに対抗する南アフリカは防潮堤みたいだったけど結局打ち破った、すごかった」
若い2人がラグビーの本質をわかっていることに感動し、彼らの話に加わりたくてうずうずしはじめた。
「でも南アはなぜモールで反則を取られたのかしら」と仮にカナちゃんがいったとき我慢できずに話の縄跳に入っていた。
「ごめん、話に入ってもいい? あのとき南アはモールが完成していなかったわけ。それを審判がきちんと見ていた」
モールというのは選手どうしが完全にかたまりになっていないと認められない。あのとき隙間がありすぎたのであった。

津波と防潮堤のたとえが優れていることを評価しつつラグビーは陣地取りゲームであること。ボールを持った選手が陣地の最前線であること。これより先にほかの選手がいてはいけないのだが例外が二つ。
その一つがモールを組むこと。この場合モールの最後尾の選手がボールを運ぶことができる。もう一つはスクラムでボールを保持すること。たいていスクラム最後尾の8番が足でボールを運ぶ。
この二つのケースはボールの前にいわばボールをかくまう選手が存在することになる。
ほかの場合、ボールを持った選手が最前線となる。
こちらの最前線は向こうの最前線でもありぶつかる。そう、津波と防潮堤である。
あるいは、寒冷前線か温暖前線。
異なる空気のかたまりがぶつかって面をなす。

ボールは前に投げることができないが蹴ることができる。
蹴った場合ボールは自分の支配下を離れどちらのものでもなくなる。この場合、ぶつかっている面もなくなりボールのあるところに両チームが殺到することによりまた面ができる。面と面が押し合う。
基本的な仕組みを理解するとラグビーは合理的ですこぶる面白い。
彼女たちにラグビーの基本的図式をレクチュアしていた。

20分ほどして彼女たちが下車したとき、俳句の世界に人材を導くむつかしさを思っていた。
俳句も高校生の甲子園みたいにスポーツの対抗戦みたいなイベントを一般向けにどんどんつくる必要があるのかも。
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