3日間の旅行のハイライトと言えば、何といっても、「無言館」での天満敦子さんのヴァイオリン演奏である。
「無言館」と言うのは、上田市にあり、太平洋戦争で亡くなった画学生たちの作品を集めた、世界的にもユニークな美術館である。
館長の窪島誠一郎氏は、作家故水上勉氏の息子で、私財を投じてこの美術館を運営しているのだ。
無言館は丘の上の十字架型の建物で、戦没画学生たちの絵は十字架型に区切られた部屋の壁に展示されている。
私たちは絵に囲まれて椅子に座り、天満さんのヴァイオリンを聴いた。
ストラディバリウスの音の何とも力強くて暖かく頼もしかったこと!!
彼女はもっと生きて絵を描きたかった画学生たちの無念を慰めるために鎮魂のヴァイオリンを弾く!
無伴奏でバッハのソナタ・トロイメライ・シチリアーナ・タイスの瞑想曲……子守唄・叱られて‥…ジュピター……
真ん中あたりで少しだけトークがあった。
「このヴァイオリンは284歳で、彼は私のダンナさんで30年のお付き合いです」
ダンナさんは天満さんが演奏すると「良いよ!良いよ!」と言ってくれるそうで、「今日もダンナさんはとっても喜んでくれています」
天満敦子さんのヴァイオリンは本当に凄かった!!
コンサートの後、私はCDを買い、サインをしてもらうために列に並んだ。
その日は夫の誕生日だった。
私は自分の順番になると演奏が素晴らしかったことを言い、すかさず「今日は夫の誕生日なんです!素敵な誕生日プレゼントをありがとうございました!」
と言ったら、CDに「2017.9.19 Happy Birthday」と書き、夫と私に握手をしてくれた!
どこから来ましたかと聞かれたので、西宮ですと言うと、「私、時々弾きに行っているから来て」
と言われた。
そうそう西宮の芸術文化センターに時々、天満さんは来るのだ。
「行きます!」と応えてたちまちフアンになったのだった。
木莉
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