2日目、無言館へ行く前に、飯山市の高橋まゆみ人形館へ行った。
ここの人形たちはとっても素朴で、私の子供時代の田舎ののどかさでいっぱいだった。
昔のあの暖かで素な感じの田舎の情景がジオラマになっていて、おじいさんもおばあさんもしわくちゃで、子供の顔もつるんとしていなくて野性的だった。
今は、もうどこにもないのかもしれない懐かしい少しごつごつして決してスマートではないけれど凄く懐かしい人達と村や田圃の風景。
そんな風景の中に人形たちが、ありありと出現していて、何とも頼もしい感じだった!
うん、確かに、私たちの子供の頃には、こんな場所が確かにあったし、年寄りもおばさんも子供たちもこんなふうだったなと思いだした。
それがノスタルジーではなく、はっきりと「今あるぞ!」と言っているのが何とも嬉しかった。
この旅で色んな絵を見て、草間弥生も、そのエネルギーのほとばしりの逞しさに気持ちが晴れ晴れとしたが、山下清も本当に良かった。
貼り絵の作品って、こんなに魅力的なのだと初めて知った。
貧乏だから、決してちゃんとした和紙や貼り絵の用紙を使ったのではなくて、何でも手じかにある反古紙を使ったりしたそうだ。
あの有名な花火の絵も凄い数の細いこよりが貼られていて、どんなに手間をかけたのかと驚くが、花火が好きでたまらないのだと言う気持ちが伝わって来て、私は絵の前に立つたびに微笑んでしまった。
彼は東京生まれだが、何度も諏訪湖の花火を見るためにやって来たので、それで諏訪湖のほとりに「山下清 放浪美術館」ができたそうだ。
乞食坊さんのように放浪の旅を続け、人にご飯をもらいながら、好きな絵を描き続けた山下清。
私には到底できないが、素敵な凄い人生だなと感動した。
意気地なしの自分は、彼が、何とも羨ましくなった。
信州に来て、こんなに色々な作品に出会えて、ストラディヴァリウスの演奏まで聞けて、本当に満足だった!!
新幹線で岐阜羽島まで行き、そこから3日間、大型バスでの移動で、かなり疲れたけれど、素晴らしい旅だった!!
木莉
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