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163707 サブプライム問題の射程①

2007年10月18日 | 経済破局か?市場の軟着陸は可能か?
163707 サブプライム問題の射程①
  猛獣王S ( 30代 東京 営業 ) 07/10/18 PM10


『サブプライム問題の射程』(リベラル21)リンクより転載します。
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■サブプライム問題は峠を越したか

金融市場におけるサブプライム問題は峠を越した。本来それほど深刻なものではなかったし統御可能な問題である。金融界とメディアは、こう言いながら、問題を小さく見せようとしている。

たとえばその証拠に株価が回復した。金融市場、為替市場も安定しているという。

株価はたしかに回復した。サブプライム不安で07年8月15日に前日比167ドル安の12861ドルと急落したニューヨーク証券取引所(NYSE)のダウ工業株30種平均は、10月1日には14087ドルをつけて史上最高値を更新した。日経平均も米株価下落を受けて8月17日には874円安の15273円へと急落したが、10月初旬現在には17000円台を回復している。いずれも10%前後の戻りを見せている。しかもNYSEの史上最高値はいかにも説得力がある。世界各国の株式市場も同じ趨勢である。

■サブプライム問題の構図

それを図式化すれば次のようなメカニズムとなるだろう。

①米国におけるサブプライムローン(低所得者向けの住宅融資)が不動産価格の下落を契機に不良債権化した
②回収不能になった一部の住宅金融会社が破綻した
③証券化された住宅金融債権は各国で資産運用の対象になっていた

上記①②を知った運用者担当者が資金回収、つまり当該証券の売却を図ったが不調に終わる。仏大手銀行BNPパリバの傘下フアンドでは組み入れた証券の評価ができず営業停止に追い込まれた

④欧米の金融市場で資金調達への不安、信用収縮へ懸念が広まりそれに対応してEU中央銀行、米連邦準備制度理事会(FRB)が緊急に大量の資金供給を行った。米大統領は総合対策を発動する。日銀も8月10日 国内短期市場へ1兆円を供給した
⑤パニックは一旦回避されたが、金融機関のサブプライム関連損失の計上が始まっている
⑥現在は「サブプライム問題は峠を越した」とされ株価が反騰し事態は小康状態にある

NHKのニュース解説ならば「成行きが注目されます」といって話はここで終わる。

■「羮に懲りて膾を吹く」

しかしバブルの経験に照らすと私は楽観的になれない。

日本人は90年代のバブルとその崩壊の体験から「羮に懲りて膾を吹く」のが性となっている。これが外国人ビジネスマンの認識である。その意味では私も「膾を吹いて」いることになるのだろう。

しかし「君たちもいずれ痛い目に遭うのだよ」というのが私の深層心理である。そうなるのを望んでいるのではない。しかし「渦中の人間はバブルを認識できない」ことを実感している自分だからこそ、その理由を(おそらく断続的になろうが)回数をかけて検証していきたいと思う。

取りあえず論点を挙げるだけでも

①住宅金融が、住宅価格が上昇を続けるという、いわばバブルを前提としていること
②その前提が崩れて不良債権残高が膨らむであろうこと
③債権の証券化でリスクが世界各地の投資家に分散され、金額が把握しにくいこと

となるだろう。これらの諸点を事実に照らして追跡しなければならないと思う。
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続く