月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

すえひろたけ

2018-11-08 00:37:21 | キノコ
天下無敵のド普通種・スエヒロタケ(・・・だと思う)。

家の近くから山奥にいたるまでどこででも見かける。全世界的に見ても、もっともありふれたキノコのひとつのようだ。

もっとも特徴的なのはヒダ。乾燥すると一枚のヒダがパカッと割れて2枚になるのだ・・・が。
この写真のはまったくそのように見えない。そのへんがひっかかってスエヒロタケ「だと思う」になっちゃってるのよね。

生えたてフレッシュでしかも雨上がりだったからなのか?ほかの特徴はどう見てもスエヒロタケだしなぁ。当たり前のキノコすぎていちいち観察していないのがバレバレだぜい(´Д`)


ヒダは意外に美しい。

また、「スエヒロタケ感染症」を発症することでも有名だ。いわゆるキノコの仲間が人間に対して病原性を持つことは非常に珍しい。

肺の粘膜の損傷部分に胞子が入りこむことでアレルギー性の気管支炎や肺炎などの症状を引き起こし、これが長期間続く。
今のところ発見症例はたかだか数十例に過ぎず、スエヒロタケの発生頻度を考えればさほど恐れるレベルではない。ただ、いまのところ国内で診断できるのが千葉大のみであり、しかも診断が難しいことを考えると、潜在的な患者はずっと多いのかもしれない。気をつけるに越したことはない・・・
といっても、スエヒロタケの胞子なんてそれこそどこにだって浮遊しまくっているので、避けるなんて不可能だよねー。自身の抵抗力を高めるしかありませんな。


ちなみに、菌類は多くの動植物と違って4種類以上の性別を持つものがあると知られているが、スエヒロタケには28000以上の性があるらしい。どういうことなんだ??相手見つけるのがすんごい大変じゃないのか・・・?
でもそれでこの繁栄ぶりなんだから、余裕なんだろうなぁ。