サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

無重力の日

2005年06月16日 | インドア歳時記
6月16日は「無重力の日」。北海道上砂川町が制定。三井炭鉱が1987年廃坑になり、その跡地利用ということで89年に「無重力科学館セクター」ができた。要は、自由落下部分が490メートル、制動部分をを入れても710メートルのたてあなに、長さ8メートル直径1.8メートルの砲弾型カプセルを落下させるわけです。と、約10秒ほどの無重力(正確には微小重力状態)が現出するわけですね。まあ、宇宙探査ロケットのなかでの実験と同じようなことができるわけで、「ミール」に莫大な実験参加予算を払うことから較べれば、お手軽な実験施設です。「スーパーカミオカンデ」のような、気負いもなさそうだし。

で、ご町内で「無重力」から「6・10・6」と脱力語呂合わせで、記念日としたんです。町は、「無重力の町」宣言までしちゃいました。たぶん「無重力まんじゅう」や「無重力ペンホルダー」なんてのもあるんでしょうね。

ところで、残念。役割を終えたということでセクターは2003年3月に解散してしまいました。さあ、大変。施設は無償で町に譲られましたが、どう運営するのでしょう。近くに記念館もありますし。

実は、このころ、頭を痛めた関係者から僕のところに相談がありました。スポンサーがつかないかしら、と。「現地に行きましょう!」といわれて、パンフレット見たのですが、「遠慮させていただきます」というつれない返事しかできませんでした。

まあしかし、まじめな研究のかたわらで、廃坑以降の跡地利用で、さまざまなドラマがあったんでしょう。
村の青年諸君たちは「無重力の町」宣言にいかに自分たちの想像力を掻き立てたのでしょう。居酒屋での議論が目に浮かぶようです。

さて何年かして、町民もかつてそんな大それた宣言をしたことも忘れた頃、トマソン化した廃墟はどんな恐ろしげな光景を見せてくれるでしょうか。

ちなみに1963年のこの日、世界初の女性宇宙飛行士テレシコワ少尉(当時26歳)が、ソ連のポストーク6号で宇宙に飛び立ち、地球を48周。地球との交信で「ヤーチャイカ(わたしはカモメ)」という名セリフを残した日です。
がんばれ、北海道上砂川の青年団諸君!

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