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サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

mini review 07261「パッチギ! LOVE&PEACE」★★☆☆☆☆☆☆☆☆

2007年11月04日 | 座布団シネマ:は行
大ヒット作『パッチギ!』のキャストを一新し、さらにパワーアップした、涙と笑いの感動作第二弾。今回は舞台を京都から東京に移し、三世代に渡り受け継がれる壮大な家族史と命の輝きを描く。2200人を超えるオーディションで見事主役に抜てきされた『GO』の井坂俊哉と『さくらん』の中村ゆりが、前回の俳優たちに負けない熱演をみせる。井筒監督が自身の前作を超えると豪語する熱い人間ドラマに胸が締め付けられる。[もっと . . . 本文を読む

mini review 07258「パンズ・ラビリンス」★★★★★★★★★☆

2007年10月02日 | 座布団シネマ:は行
1944年のスペイン内戦下を舞台に現実と迷宮の狭間で3つの試練を乗り越える少女の成長を描くダーク・ファンタジー。『デビルズ・バックボーン』のギレルモ・デル・トロ監督がメガホンをとり、ファシズムという厳しい現実から逃れるため、架空の世界に入り込む少女を通じて人間性の本質に鋭く切り込む。イマジネーションあふれる壮大な視覚技術を駆使して生まれたクリーチャーや深く考察されたテーマに根ざした巧みな演出が衝撃 . . . 本文を読む

mini review 07256「バベル」★★★★★★★☆☆☆

2007年09月18日 | 座布団シネマ:は行
モロッコ、メキシコ、アメリカ、日本を舞台に、ブラッド・ピット、役所広司らが演じるキャラクターが、それぞれの国で、異なる事件から一つの真実に導かれていく衝撃のヒューマンドラマ。『アモーレス・ペロス』のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が、言語、人種、国などを超え、完成度の高い物語を作り上げた。名だたる実力派俳優たちが名演を見せる中、孤独な少女を演じ、海外のさまざまな賞に名前を連ねる菊地凛子の . . . 本文を読む

mini review 07249「武士の一分」★★★★★☆☆☆☆☆

2007年08月06日 | 座布団シネマ:は行
山田洋次監督の藤沢周平時代劇映画化三部作の最後を飾るヒューマンドラマ。主演に『2046』で世界にも活躍の場を広げた木村拓哉を迎え、幕末に生きる武士の名誉と夫婦のきずなを描く。妻役の檀れいやかたき役の坂東三津五郎ほか、緒形拳や桃井かおりなど、日本を代表とする実力派俳優が勢ぞろいする。「武士の一分」とは、侍が命をかけて守らなければならない名誉や面目の意味。そのタイトルが指し示す人間ドラマは、観るものの . . . 本文を読む

mini review 07238「パトリス・ルコントのDOGORA」★★★★★★★★☆☆

2007年06月22日 | 座布団シネマ:は行
ゆったりと流れる大河メコン。そこは人々の生活の源だ。まぶしい太陽の光、やがてオレンジ色に染まる夕暮れの中、往来ではスクーターや自転車に鈴なりの人々と車が渾然となって行き交う。視線の強い子どもたち、時にくたびれて気怠そ... 続き 映画の最後の位置を、ルコント監督は覗き込んだのだろうか。 映画が発明されたのは、もちろんフランスである。1895年、リュミエール兄弟によるシネマトグラフ。そしてフラ . . . 本文を読む

mini review 07231「バッシング」★★★★★★☆☆☆☆

2007年05月19日 | 座布団シネマ:は行
北海道のとある町。アルバイト先のホテルを解雇された高井有子(占部房子)は、ボランティア活動で中東に滞在中、武装グループに拉致、監禁され、人質となった過去を持つ。無事解放されて帰国しものの、自己責任を問われて世間から冷た... 続き あの「自己責任」議論の厭な空気を、決して忘れることはない。 2004年、イラク日本人人質事件。まだ数年前のことである。 世界中でイラクへのアメリカの「侵略」とよん . . . 本文を読む

mini review 07227「ファミリー」★★★★★★★☆☆☆

2007年05月04日 | 座布団シネマ:は行
父・チュソクと幼い弟・ジョンファンが暮らす家に、姉ジョンウンが戻って来た。父は道をはずしていった娘を許すことができないし、ジョンウンは、父を母を死においやったものと思い込んでいる。しかし、父は白血病を患っていた……。 続き 新人監督に、こんな重厚な父娘物語が撮れるなんて、驚愕だ。 韓国映画の意欲的な作品に、長編劇場映画の初監督作品が一定の割合を占めている。 この「ファミリー」という、本格的で . . . 本文を読む

mini review 07220「母たちの村」★★★★★★★★☆☆

2007年04月04日 | 座布団シネマ:は行
西アフリカの小さな村で、割礼を嫌がった4人の少女たちがコレのもとへ逃げ込んで来る。第一、第三ママや子どもたちと暮らすコレは、自分が割礼で苦労し、二人の子どもを死産した経験から、娘には割礼をさせていなかった。少女たちはそ... 続き 小さな村の局所の出来事に、アフリカ的現在の縮図が描かれている。 吉本隆明の「アフリカ的時間」をめぐる一連の考察を、すっかりわかった気で読んでいながら、この作品を見 . . . 本文を読む

mini review 07209「初恋」★★★★★☆☆☆☆☆

2007年02月21日 | 座布団シネマ:は行
高校生のみすずは、小さい頃から孤独だ。みすずの母親は小さい頃、兄を連れていなくなったきりだった。ある放課後、みすずはとある場所に足を運んでいた。目の前にはBというネオン看板。みすずの手に握られたマッチの名と同じだ。数日... 続き ある時代の「共犯幻想」がもつ哀切さが、記憶をめぐる。 1968年12月10日。ほぼ劇中のみすずと同じ年齢の、地方都市の高校生であった僕にとって、「3億円事件」は大 . . . 本文を読む

mini review 07201「火火」★★★★★☆☆☆☆☆

2007年01月29日 | 座布団シネマ:は行
陶芸界に新風を吹き込む女性陶芸家であり、息子の発病をきっかけに骨髄バンク運動を始めた神山清子を描いた作品。監督は『愛の新世界』『光の雨』の高橋伴明。窪塚洋介の実弟の窪塚俊介が清子の息子役で出演している。神山清子本人が作成した映画に登場する数百点に及ぶ陶芸作品は必見。[もっと詳しく] 鬼神のようで菩薩でもあり。神山清子の鮮烈な生きかたが憑依する。 独自の古代穴窯による自然釉で陶芸界に新風を巻き . . . 本文を読む

mini review 07196「パープル・バタフライ」★★★★☆☆☆☆☆☆

2007年01月20日 | 座布団シネマ:は行
『ふたりの人魚』のロウ・イエ監督がアジアの宝石、チャン・ツィイーを主演に迎えて描くスペクタクルロマン。相手役には『ロスト・メモリーズ』などへの出演で、アジアで人気の高い仲村トオル。1930年代という激動の時代を生きた宿命の恋人たちの悲しみを、日中を代表する俳優2人が確かな演技で見せてくれる。愛と大儀の狭間で揺れ動く彼らの人間的な感情が観る者の琴線にふれ、生きることの意義を問いかける。[もっと詳しく . . . 本文を読む

mini review 07191「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」★★★★★☆☆☆☆☆

2007年01月20日 | 座布団シネマ:は行
天才数学者の父が死に、彼を5年間看病し続けたキャサリンは、生きる気力を失っていた。葬儀のためにニューヨークから姉のクレアがやってくるが、折り合いの悪い関係に、キャサリンは苛立つばかり。そんなキャサリンを優しく包み込んだ... 天才の栄光と孤独が、凡才にも理解できる本作はデイヴィッド・オーバーンの戯曲「Proof」を元につくられた。2000年5月、戯曲「Proof」はマンハッタン・シアター・クラブで . . . 本文を読む

mini review 06179「ブロークバック・マウンテン」★★★★★★★★☆☆

2006年12月11日 | 座布団シネマ:は行
保守的なアメリカの西部で、20年以上にも渡って男同士の愛を貫いた2人の“普遍の愛”を描く人間ドラマ。2005年のヴェネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞したほか、数々の映画賞にノミネートされている話題作。主演はヒース・レジャーとジェイク・ギレンホールが20歳から40歳までの年齢も繊細に表現した演技を見せる。監督は『グリーン・ディスティニー』のアン・リー。ブロークバッ . . . 本文を読む

mini review 06177「フラガール」★★★★★★★★★☆

2006年11月08日 | 座布団シネマ:は行
昭和40年代、福島県の炭鉱町に誕生した常磐ハワイアンセンターにまつわる実話を基に、フラダンスショーを成功させるために奮闘する人々の姿を描いた感動ドラマ。『69 sixty nine』の李相日監督がメガホンをとり、石炭から石油へと激動する時代を駆け抜けた人々の輝きをダンスを通じて活写する。主演の松雪泰子をはじめ、『花とアリス』の蒼井優や南海キャンディーズのしずちゃんこと山崎静代らが魅惑的なフラダンス . . . 本文を読む

mini review 06161「プライドと偏見」★★★★★★★☆☆☆

2006年07月30日 | 座布団シネマ:は行
「ブリジット・ジョーンズの日記」の基になった、ジェーン・オースティンの小説「自負と偏見」を美しい田園風景を背景に映画化したラブストーリー。主演は『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』でブレイクしたキーラ・ナイトレイ。監督は本作が長編デビュー作ながら見事にこの名作を描ききったジョー・ライト。オール・イギリス・ロケで撮った由緒ある豪邸の数々も要チェック![もっと詳しく] 漱石も絶賛した . . . 本文を読む