サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

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mini review 07196「パープル・バタフライ」★★★★☆☆☆☆☆☆

2007年01月20日 | 座布団シネマ:は行
『ふたりの人魚』のロウ・イエ監督がアジアの宝石、チャン・ツィイーを主演に迎えて描くスペクタクルロマン。相手役には『ロスト・メモリーズ』などへの出演で、アジアで人気の高い仲村トオル。1930年代という激動の時代を生きた宿命の恋人たちの悲しみを、日中を代表する俳優2人が確かな演技で見せてくれる。愛と大儀の狭間で揺れ動く彼らの人間的な感情が観る者の琴線にふれ、生きることの意義を問いかける。[もっと詳しく]

僕の祖父もこの時代の上海にいた。

僕の祖父は、京都の丹後の士族の出である。明治に入り、士族は商売を身につけなければ成らない。そして、祖父は中国に渡った。○○商行という商社を営み、一時期は、財閥系を超えて、巨額な商いをしたらしい。祖母は、和歌山狩野家の直系であるが、養女に出され、いろいろあって福岡の有数の料亭の女将となった。そして、祖父と祖母は出会い、父が生まれた。しかしながら、祖父には丹後に正妻がいた。祖母は、妾ということになる。祖母は、それからも、満州で置屋を経営するなど、ある意味で伝説中の人物となった。



僕は、祖父がいた時代の上海を、よく想像する。
世界の魔都といわれた疎開地上海。
ここに乗り込み、事業を興し、いったい何を夢見たのか?
その資質は、僕の父や僕に、なにかを伝播しているのか?
いつか僕は、上海で、祖父の姿を求める旅に出ることになるかもしれない。

さて、「パープル・バタフライ」である。
満州から上海へ。チャン・ツィイー扮する主人公は、反日テロ組織の地下活動で殺された兄の意志をつぐために、名前を変え、反日組織に身を置くことになる。満州にあって、チャン・ツィイーに恋心を抱いていた仲村トオルは、日本の諜報機関のスパイとして上海にあらわれる。そして、たまたまテロ組織が雇った殺し屋(パープル・バタフライのブローチをつけた)上着を間違って手にしてしまい暗殺劇に巻き込まれるリュウ・イエ。



中国第六世代の映画監督の旗手とされるロウ・イエ監督は、どしゃぶりの雨の中で、歴史の噛み合わせに翻弄される哀しい男女を、独特の暗い色調で、描き出している。巷でいわれるほどの反日映画のようには、僕には思えなかった。それより、運命の交錯の中で、離れざるを得ないだ男女の哀しさが、よく伝わってきた。

日中関係が緊迫してきたこの頃、小学生の父は、母つまり祖母に連れられて、祖父と会っている。晩年の祖父は、番頭に裏切られたりして、会社を身売りし、故郷丹後の別荘に、籠ったという。



丹後の一族は、東京では、有名な教育者の一族となったが、故郷の墓を守るものは誰もいない。妾の子である父は、一人静かに、墓を探り当て、住職と懇意になった。僕は、父の死後、叔母に連れられて、丹後に参り、祖父と祖母に始まる長い歴史の片鱗を、語り受けたのであった。父もまた、戦争に狩り出され、最後は、満州から上海へと歩んだようだ。中国の地で、祖父の面影を、感じることができたのであろうか?


 


 

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8 コメント

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このお話 (猫姫少佐現品限り)
2007-01-22 18:18:32
レビューにかこつけないで、単独で書いてください。
猫姫さん (kimion20002000)
2007-01-22 19:01:22
こんにちは。
へい、スイマセン。年をとって、回顧趣味になっているもので(笑)
こんばんは (栗本 東樹)
2007-02-05 19:41:01
こんばんは。
TB、いただきました。
が、文字化けしましたよ(苦)。
そのままアップしましたのでご了承のほど・・・。

自分もこの映画は反日映画じゃないと思います。
ラストのフィルムは検閲対策だと見ました。
作品の流れを見てればわかりますよねぇ・・・。
栗本さん (kimion20002000)
2007-02-05 22:31:16
ごめんなさいね。
いくつかの運営会社とは、相性が悪くて、化けてしまうんですよ。
中村トオルは・・・ (ひらりん)
2007-04-14 01:13:24
大学にはほとんど来てなかったようなので、見たことはありません。
きっと、ビーバップ・ハイスクールの頃だったので、
忙しかったのでは・・・。
ひらりんさん (kimion20002000)
2007-04-14 01:40:29
こんにちは。
そうかそうか、あの頃にデヴューしていたんでしたっけね。
アジア映画に登場する仲村トオルって、あの頃は、イメージできませんでしたよねぇ。
TB有難うございました。 (オカピー)
2007-12-07 01:38:50
猫姫さん、おっかないですね。^^;
本来ブログは日記なのでしょうから、何を書いたっていいでしょうよ。(笑)

内容を細かく分析しなければ、映画評なんて4行もあれば十分です。^^

僕の父方の祖母は父を生んだ1年後21才で亡くなっていますから全く知らず、婿だった祖父は家を出てしまって、ただの親戚のように偶に遊びに来るだけでした。
母方の祖父は戦後間もなく亡くなり、祖母も僕が小さい時に亡くなったので、祖父母の記憶はないに等しいですね。
オカピーさん (kimion20002000)
2007-12-07 09:00:54
こんにちは。
猫姫さんとは、じゃれあっているからいいんです(笑)

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