けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

皇室の安定的な継続のために

2011-12-01 21:36:59 | 政治
昨日、秋篠宮殿下が天皇の公務の定年制について言及した。

イマイチ、天皇の地位の定年なのか、公務の定年なのか分からないので何ともいえないが、皇位継承権の高い皇族からのこの様な発言は異例なので驚いた。記者から質問を振られて思わず答えてしまったのかも知れない。

ところで、先週、宮内庁長官が野田首相に対して、表現は微妙なのだろうが結論として「女性宮家」の検討を訴えたとの報道があった。雅子様の体調不良があったので、小泉政権の頃から皇室典範の改正の議論がなされるようになったが、秋篠宮家に悠仁親王が生まれて下火になった。しかし、皇室の維持の問題はいまだに解決していないことは明らかである。

たまたま先週のBSフジのPRIME Newsでその問題を扱っていて、旧宮家出身の明治天皇の孫の孫に相当する憲法学者の竹田恒泰氏が詳しく解説していた。非常に分かり易い説明だったので、私は思わず納得してしまったのであるが、「女性宮家」などよりはよほどスジが良い落としどころを提案していた。以下にポイントを整理しておく。

【Point1】「女性天皇」と「女系天皇」の違い

これまでにも女性天皇は10名ほどいたそうで、皇室典範の改正は必要になるが、愛子様が天皇になることに関しては、多くの皇室研究者においてもそれほどハードルは高くないようである。問題は「女系天皇」は過去に例がないということのようだ。つまり、父親をたどった時、必ず過去の天皇にたどり着くというルールが「男系」で、愛子様が将来結婚して子供ができて、その子供が天皇になれるかと考えた場合、その子供の父親は天皇家とは関係のない人(つまり、「男系」ではなく「女系」ということ)になるということが問題であるのだそうだ。これはある意味理にかなっていて、例えば、悪意ある人がある家系を乗っ取ろうとした時、その家系の当主である女性に取り入り、結婚して旦那さんになってしまえば、その後の家系は自分の家系に取り込んで乗っ取ってしまうことができるということである。今でこそ、その様なことはありえないと思えるかもしれないが、昔であれば当たり前の様に起こってきた事である。家系の当主を「男系」「女系」を自由につなぐことができるというルールではなく、必ず「男系」でなければならないと厳しく制限することで、承継の選択肢を狭めて自らの身を守るという防御線を長い歴史の中で張っていたのである。この意味で、「女性天皇」はハードルは低いが「女系天皇」はハードルが高いのである。

【Point2】「男系天皇」は女性差別になるのか?

この様に聞くと、女性だけが差別されているように思われるかもしれないが、実際にはもう少し微妙なのである。つまり、上述の様に「女性天皇」は比較的ハードルが低く、頑なに女性が天皇になることを排除する意図を皇室研究家は持っていない。また、女性であればどのような人でも、皇后陛下になるチャンスは持っている。しかし、天皇を「男系」とする以上は、皇族以外の全ての男性には、天皇になるチャンスは与えられていないのである。家系の乗っ取りなどを考えるのは殆どが男性だろうから、その外部の男性の血が皇族を支配することができないように、明確に排除するのが「男系」である。もちろん、女性天皇の旦那さんにはなるチャンスは残されているのだから、その意味で女性が優遇されている訳ではないのだけれど…。

【Point3】では、どうすれば皇室を延命させることができるのか?

現在の選択肢は、(1)「女系天皇」を許容する、(2)戦後GHQによって廃止された旧宮家の復活、あたりが主流になるのでしょうが、(1)は上述の理由でハードルが高く、(2)はもともと皇族ではあったかもしれないが、いままで見ることがなかった人が急に出てきて天皇になってしまうということへの違和感は拭い去ることはできないので、これまたハードルが高いようだ。先の竹田さんの主張は(私の理解では)、「帝王学」と言う観点からも生まれながらに「天皇になるかもしれない」という立場で教育されることの重要性を考慮し、戦後、皇籍離脱した宮家の男系から例えば現皇太子殿下が養子を向かえ、その養子自体は皇位継承件を持たないとしても、その養子の子供には皇位継承件を与えるというような中間的な解を提案しているようだ。もちろん、現状の皇室典範第9条では天皇・皇族の養子を禁止しているので、「ただし、(旧宮家の男系の者に限り)皇室会議の議により養子を許すことができる」と言うような但し書きを追加する必要があるのだが…。

もちろん、これ以外にも「側室制度復活」とかの飛び道具はあるのだが、今のご時勢には全く合わないので、このようなものは考慮に値しないのだろう。もちろん、上述の旧宮家からの養子についても、旧宮家側の方でそれを許すか否か、さらにはそれを迎え入れる皇太子殿下、秋篠宮殿下が認めるか否かの問題は残るのであるが…。ただ、養子を迎える年齢を例えば旧宮家のご子息が15歳を過ぎた以降などのように配慮することで、話は現実的になるのかも知れない。別に婿養子ではないので、婚姻の自由は保証されているし・・・。

ちなみに、この竹田さんはこの旧宮家の男系に相当するので、いわば当事者そのものである。したがって、当事者がこの件に直接関係する政治的な発言をしている以上、自分はその検討の対象外の人物として扱われることを望んでいるようだ。

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