けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

離党した後のシナリオは?

2011-12-28 23:50:54 | 政治
一部の民主党議員が離党届を出したニュースが話題になっている。

建前上は野田総理の増税に対する前のめりの姿勢を批判し、八ッ場ダムの建設再開なども相まって、マニュフェスト違反だということで政府の対応に反旗を翻したことになっている。しかし、誰一人としてそんなことを信じている人はいないだろう。ブログの中で何度も言っているが、最初にマニュフェスト違反をしたのは、ガソリンの暫定税率の継続を判断した小沢一郎元代表その人である。「コンクリートから人へ」と言いながら、自民党の息の根を止めるために、小沢氏の言うことを聞くところには「コンクリートからコンクリート」に、言うことを聞かないところには「コンクリートから無」へとあからさまな利益誘導型の箇所付がなされていた。これを見て批判した議員が一体どれだけいたであろうか?

また、結局、公務員の給与を2割削減するというマニュフェストにしても、民主党を支持する労組に配慮して、ギリギリのところで法案を通せず、結局、民間給与が下がる中で公務員の賞与は上がることになる。この時、今回の離党者の中の一体何人が給与引き下げを訴えていたのか?

結局、選挙で有利に働くことにはそれがマニュフェスト違反であろうと黙認し、選挙に不利に働けば大騒ぎするのである。野田総理は少なくともこれまでの民主党代表、すなわち政権交代前の小沢元代表の時代から数えて、3代の代表に比べたら明らかにポピュリズムを封印した代表であることは間違いない。選挙のことを考えれば増税やTPPへの参加表明など言うはずはない。方向性の議論は別として、少なくとも真面目に政治家としての信念に基づいて行動している。この状況は、少なくとも次の代表選がある秋までは変わらないだろう。一方で、このまま行ったら早期に解散があったら絶対選挙に勝てないのは目に見えているから、沈みゆく泥舟からいち早く逃げて、自らに責任があるのを棚に上げて外から政府に向かって批判することが政権交代時の自らの公約違反の呪縛から逃れる最も安直な方策だと考える。「だったら離党しよう!」というのは極めてわかりやすい行動だ。

しかも、どうせ次の選挙でも参議院の議席数には変化がないのであるから、選挙前後に離合集散があって、ねじれを解消できるだけの数が集まれば、キャスティング・ヴォートを握れる可能性が出てくる。あれだけ人数の少ない少数政党の国民新党が民主党を振り回すことが出来るのだから、それを見ていれば、キャスティング・ヴォートを握る誘惑には勝てないだろう。

しかし、その様な打算的な政治家が日の目を見ることは無いであろうと予想している。可能性は二つあると思う。ひとつ目は、その様に崩壊しつつある民主党が、離反者に対して同じ選挙区で候補者を立てれば、前回の支持者の多くが他の党に票を入れる上に残った票を2分することになるので勝てる見込みはない。もうひとつは、小沢氏を中心とする勢力が大挙して党を割ったとすると、残った勢力はむしろ自民党と組みやすくなるので、野田総理と野党の代表たちが解散総選挙を行うことを条件に、選挙後の連立を約束するようになるかも知れない。その様になれば、もはや少数政党はキャスティング・ヴォートを握れない。

もちろん、そんな状況は小沢氏は百も承知だろうから、(裁判で勝利するという前提のもとだが)民主党が崩壊する前に自民党側の分裂を狙い、秋の代表選で自らが代表に返り咲いた後のシナリオを考えているのであろうが、もはやそこまでの力はないだろう。

勝手な予想であるが、野田総理が来年の秋にまだ総理である可能性は限りなく低いであろう。しかも、その時までには解散総選挙が行われており、新たな枠組みでの連立政権も生まれているのだろう。次の選挙では、ハリボテのマニュフェストではなく、増税やTPPなどの様々な課題に対する議論が深まり、少しは希望の持てる政治家が増えていると期待したい。

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