けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

北朝鮮との付き合い方を考える

2011-12-20 22:43:09 | 政治
北朝鮮のキム・ジョンイル氏が亡くなり、世界中でテンヤワンヤの状態である。日本国内でも様々なニュース番組で、専門家のコメントや視聴者からの意見などが寄せられていた。

その中で、「これを機会に対話を行い、北に援助をして事態を打開しよう!」という声も聞かれたが、全く的外れな意見だと思う。この手の問題を考える時に、日本人は性善説に立った議論をしがちであるが、歴史を通して多くの国々は、権謀術数を駆使して自分たちに都合の良いことだけを考えているので、性悪説に立った議論をしないと判断を誤ることになる。

さて、その性悪説に立つとして、北は何を考えるのだろうか?常識的に視点は二つあり、ひとつは「理想的なゴールを設定してそれを目指す」こと、もうひとつは「絶対に避けなければならない最悪のシナリオを設定し、それをさける」ことである。北にとって前者は「核開発を完了し、アメリカと言えど手出しが出来ない国家となる」ことであろう。問題はもうひとつの視点で、最悪のシナリオをどう考えるかである。もちろん、国内的なクーデターなどもキム・ジョンウン氏は気にするだろうが、国家としてはそんなことは前提とする訳がなく、最悪のシナリオは多分「アラブの春」そのものだろう。つまり、国民の生活が改善され、生活にゆとりが出て来て、携帯電話、ツイッター、フェースブック、衛星放送などを通して情報が横通しで伝わるような状況になると、キム・ジョンウン氏もカダフィ大佐のようになることは目に見えている。だから、それを如何にして回避するかを真剣に考えているのだろう。

だとすると、援助などを行ってもそれを国民に提供するなどもっての他で、私が指導者なら軍部の間でその救援物資を独占し、相変わらず国民が貧しい状態であり続けるようにするであろう。「北風」と「太陽」の話が例え話として良く話題になるが、太陽政策とは北朝鮮国民に対する太陽ではなく、軍部や一部の特権階級に対してだけ利益のある太陽であり、貧しい国民には北風が吹き続けることを意味する。軍部や一部の特権階級が潤えば、将軍様に対する忠誠心も維持できるので、ますます北朝鮮の体制は安定する。揺さぶりをかけるはずが、体制を強固なものにしてしまうことになる。この点を忘れてはいけないのだろう。

では逆に、我々にとってはどうだろうか?最悪のシナリオは当然ながら北が核を手に入れることであり、何としても阻止しなければならない。しかし、それも時間との勝負でありあまり時間は残されていない。では、最善のシナリオはどうか?それは、北が恐れる最悪のシナリオそのものだろう。

仮に軍部のクーデターが起きたとしても、それは権力者の首が変わっただけで、北の体制そのものは変らないことを意味する。軍部が実権を握れば、ますます核の放棄は期待できなくなる。軍事的なアクションを取らない限り、事態を打開できなくなるのは目に見えているので、軍部のクーデターは我々の望むシナリオではない。

最善のシナリオとは、「アラブの春」よろしく北朝鮮の民衆が立ち上がり、軍の一部も巻き込んで市民革命を引き起こすというシナリオだろう。こうなると、残りの軍部も民衆を殺戮してまで抵抗しようとする勢力は少数派となり、「極東の春」を迎えることが出来るようになるかも知れない。この様にして民主的な勢力が政権を奪えば、民衆は核の放棄の対価として裕福な生活を保証されるなら、喜んで核を放棄するであろう。

であるとすれば、「極東の春」を誘発する政策を推し進めるのが我々の取るべき道である。例えば北朝鮮の民衆が相互の情報交換を行うための手段として、携帯電話やラジオや衛星放送などの情報ツールを闇で提供するという手もあるかも知れない。少々安直ではあるが、中国の国境付近に出稼ぎに来ている北朝鮮人に、無料で通信機器を横流しをすれば、それが国内に流通するようになるかも知れない。他にも考えれば案が出てくるだろう。

お行儀の良いことばかりを考えるのではなく、相手の最も嫌なところをさりげなく突くような戦略を、国家としてもって欲しいと思う。もちろん、その反動でキム・ジョンウン氏が弾けてしまうことも想定に入れた上で・・・。

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