けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

「アクセルのない車」でどうやって前へ進むのか?

2012-11-20 21:32:32 | 政治
ちょうど1年ほど前であるが、橋下市長が大阪市長、大阪府知事ダブル選挙で戦いの真っ只中にある頃、橋下市長を攻撃する反橋下派の連中に対する反撃として、「対案なき者議論する資格なし」的に口酸っぱく「対案を出せ!」と求めていた。そのことが改めて思い起こされる。

昨日、亀井静香氏と山田正彦元農相が新党を旗揚げした。今更なんだという話だが、笑ってしまうのはその党名で「反TPP・脱原発・消費増税凍結を実現する党」だという。巷では、日本の原発事情を「トイレのないマンション」と言うようだが、この党はアクセルのないブレーキだけの自動車ということになる。物事は複雑であり、多面的に考えていかなければならないが、全てを単純化して一つの面でしか物をみないという典型のような党である。同様のことは国民の生活が第一という、これまたヘンテコリンな名前の党であるが、こちらもほぼ同様の主張である。気がついてみると、これらの党の主張は限りなく共産党や社民党の主張に近い。自民党の石破幹事長が「社民と合併して欲しい」と言ったそうだが、これは非常に的を得た話である。本来は、亀井静香氏も小沢一郎氏も、バリバリの自民党員であったはずであり、社民党や共産党から最も距離をおく存在であったはずである。しかし、国民のウケ狙いを追求した結果、社民党や共産党に同化することになるという。このふたつの党は、「反対のための党」として、所詮は何を言っても政権は取れないし責任を問われることもないから、好き放題、自分の立場から一方的に見た価値観で物事を主張していた。それはそれでブレない一貫したものであり、それなりの評価をしても構わないが、いつかは政権を取る気がある方ならその政権を取った時に過去の発言との不整合を指摘されて自滅しないように、ブレーキの踏み方とアクセルの踏み方を両方意識しながら、安全運転で目的地に辿り着く方法を考えなければならない。

元々、民主党が農家の戸別補償を提案した背景には、FTAやTPPなどで農業が自由化された際に打撃を受ける農家への補填的な意味合いがあると聞く。しかし、気が付けば農家の戸別補償だけが先行し、それが票集めのためのバラマキ道具と化している。しかし、ならば戸別補償が農家に評判が良いかといえばそうでもない。さらに、山田正彦元農相が閣僚(及び副大臣)時代に沈みゆく日本の農業を再生させるために何をしたかといえば、特に革命的な何かをしたわけではない。単に、従来通りの流れを踏襲しただけで、全くと言って良いほど何もしていない。つまり、その時代にTPPに参加しなければ開けるバラ色の未来の設計図などを示した実績が何もないのである。しかし、逆にTPP賛成派の中にはTPPに参加することで受けるインパクトを考慮した上での農業再生の道を語る人もいる。その様な主張を全て出し切って、本当に農家の人たちはどの様に思っているのかを一度聞いてみたいものである。

物事には「攻め」の部分と「守り」の部分がある。電化製品や自動車などの製造業からすれば、TPPは攻めのツールとして大きな力を持つ。外交的には、(参加する国の数を今後増やすなどの対応は必要であろうが)アメリカと協調して中国の発言力を押さえ込む上でも戦略上の材料となる。農業は完全に守りに関する議論に終始するが、アメリカですら守りたい農産物があるのだから、交渉次第では様々な展開の可能性が期待できる。早く交渉に参加することの重要性がここにあり、守りの中での攻めを意識するなら、より早くより発言力を確保するための努力が必要である。

全てのことに「守り」だけ、「ブレーキ」だけというのは、どう考えても勝負に勝利するための手段とは思えない。どうかこの様な党の議員には、全てのことにNoと言いながらも勝つための方法(対案)を示して頂きたい。

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