けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

猪瀬都知事はバッシングに見合うだけの「巨悪」なのか?

2013-12-20 01:23:49 | 政治
猪瀬東京都知事が辞職表明した。個人的には東京オリンピック招致の最大の功労者でもあり少々残念だが、現在の憔悴しきった彼の顔色を見れば、この辺が潮時というのが正直なところか。手短ではあるが、この辺のことにコメントを加えてみたい。

まず、今回のケースを見ていて思ったことは、先日のブログ「みずほ銀行と阪急阪神ホテルズとオバマ大統領の共通点」でも書いたことにも関連するが、マスコミの猪瀬バッシングは阪急阪神ホテルズの食品偽装の会見をした(元)社長に通じるものがあると感じている。このブログでは、みずほ銀行の反社会的勢力への融資の問題にしてもは阪急阪神ホテルズの食品偽装にしても、さらにはアメリカによる盗聴問題にしても全てが同様であり、そこら中で誰もが行っていることでありながら、正論で言えば確かに非難されて然るべき問題である。あのブログの時には発覚していなかったが、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行のメガバンクの3行では全て社会的勢力への融資の問題が発覚した。しかし、私の記憶では三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行の問題発覚のニュースは扱われ方が極めて小さかった。正直、リアルタイムでは気が付かなかったほどである。結局、最初に白羽の矢が立った者だけが馬鹿を見て、後続した連中はラッキーこの上ない展開であったということだ。特に顕著なのは阪急阪神ホテルズであり、自らが罪を認めて公表したにも関わらず、その部分の情状酌量など全くなく、その他の同罪ないしは寧ろ悪質な同業者と比べて明らかに「割の合わない」仕打ちを受けることになった。冷静に見れば、「何か問題が発覚しても、ギリギリのところまで隠し通し、同様の問題が他社で発覚したらドサクサに紛れて公表するのが良し」という教訓を再確認する事態となった。マスコミというものは、本来は問題の真相究明と再発防止のために、「我こそは正義」と問題を起こした者を糾弾するのが使命であるが、実際の彼らの行動は「再発防止」ではなく、問題の隠蔽を助長する行動に徹した訳である。これが正義とは私には思えない。

今回の猪瀬都知事の問題にしても同様で、彼が行ったことが不適切であるとして、その不適切さ、ないしは悪質さの程度に応じて社会的制裁を受けて然るべきだと私は思う。しかし、世の中の熟練の政治家の多くは、派閥の領袖や自分の親分・兄貴分などの政治家から「法の抜け道」を事細かに伝授され、悪質さでは仮にずば抜けて悪質であったとしても、如何にすれば自らの身に司法の手が及ばないかのノウハウを熟知している。一方で志の高い猪瀬都知事の様な人は、自らも認めているように政策通ではあるが政治家としてはアマチュアなところがあり、誠に無防備に脇が甘かった。例えば、外国人からの政治献金は法律で規制されているが、実際に日本国籍を有しない外国人から献金された政治家は、その犯罪行為で議員辞職などしていない。これは、厳密には明らかに問題だが、程度の問題としてはこの程度の脇の甘さ(外国人献金であれば、国籍をちゃんと確認した上で献金を受け取るというルールの徹底を怠ったこと)は「議員辞職」には見合わない軽微な罪であり、だから結局、検察も過剰な対応としての起訴に踏み込まずに不起訴とする対応になったりする。今回のケースは、(多分実際のところは)政治家としての脇の甘さで過剰に選挙資金の融資を受け取り、結果として使わずに済んだので、お金には色がついていないから「もしもの時の資金」として確保していたお金を政治資金収支報告書に記載しないでおいたパターンだろう。勿論、後日、その融資ないしは裏献金の見返りに明らかな贈収賄事件に発展する便宜供与を図ったならば、その時点で犯罪が成立するので逮捕されても仕方がないが、その犯罪構成要件を満たす前の段階であれば、「清廉潔白とは言えないが、まだ犯罪に手を染めていない段階で強烈な社会的制裁を加えるのは不適切」というのが一般的なところだろう。変な例えだが、友人から覚せい剤の話を聞いて、「面白そうだな。俺も今度やってみようかな?」と答えたところ、その翌日にその友人が逮捕され、上記の会話を警察で自供したとする。警察は任意での事情聴取や覚せい剤反応の検査を行うかも知れないが、覚せい剤に手を出した実績もお金を払ったこともなければ、結局は犯罪を構成する条件を満たさずに興味を示す発言だけで逮捕することはしない。それが芸能人であれば、その興味を示した発言を捉えてその芸能人のバッシング記事を書くかも知れないが、まだ犯罪に至っていないのだからそのバッシングが妥当であるかと問われれば、そのバッシングがもとで受ける社会的制裁と「ちょっとした出来心」がバランスが取れているとは言い難くい。当然、心に疾しいところがあるので記者から質問を受ければ、何処かで辻褄が合わない答弁に終始することになるのだろうが、その不十分な説明責任に対して偽証罪などの法的拘束力がない限りは、それを根拠に引退・辞職に追い込むほどの話ではない。

政治家の多くは多かれ少なかれ、脛に傷を持っているのが当たり前だから、たまたま自らで埃を叩いてしまったアマチュアの政治家がいたとしても、相対的にそれがどの程度の社会的制裁を受けるのが妥当かという目線でペナルティを求めるのが「バランス」というものだと思う。しかし、マスコミにしても野党を筆頭とする政治家にしても、「弱い奴は徹底的に叩く」という性癖が強いから、今回の様な徹底追及を行うことになっている。東電病院の問題にしても、(これだけガードが甘いアマチュアの政治家を相手にして)検察及びマスコミが起訴して有罪に持ち込めるだけの十分な根拠を持っているかと問われれば、「疑惑」の域を出ない程度の問題ではないかと私は理解している。彼の答弁は心に疾しいところがあるから論理的に矛盾しているところがあるかも知れないが、答弁の矛盾は犯罪行為そのものではないのだ。

結果的に、そこまでの社会的制裁が妥当であるか疑わしい所で一人の政治家の政治生命を奪っておき、その結果、東京オリンピックの運営に支障が出るかも知れない。しかし、マスコミというのは決して自分の行動を振り返り、反省などしない。しかも、本来は猪瀬都知事以上に悪質な形で違法献金を受け取った政治家がゴマンといるはずだが、それらの政治家に対する追及の姿勢などちっとも見せない。アマチュアの政治家がポカをする(ないしは検察が答えを示す)のを寝て待つだけの怠慢を平気でやってのける。本来は、もっと巨悪に立ち向かうのがマスコミのはずだが、最近は巨悪に立ち向かう気概のあるマスコミを見ることはない。

雰囲気的には虐めの構図に似ているように見えてならない。悔しかったら、阪急阪神ホテルズに続く食品偽装会社、三菱東京UFJ銀行及び三井住友銀行の経営層などに対し、誰も見向きもしない中、阪急阪神ホテルズやみずほ銀行と同じだけの情熱をもって責任追及をし続けて欲しい。問題発覚前にお金を返却した単なる疑惑のみの猪瀬都知事に対してだけ徹底したバッシングをするのは、バランスとして悪すぎやしないだろうか?


なお、最後に今後のことについて一言だけ・・・。石原前都知事の時代の尖閣購入資金の募金が15億円規模で東京都に眠っている。次なる東京都知事は、この問題についても適切に着地させる必要がある。そのためには、尖閣に対する日本固有の領土という認識・心意気を強く持った政治家が好ましいと私は思う。現在名前が挙がっている政治家の中で、この点に該当するのは小池百合子衆議院議員ぐらいだろう。多分、安倍総理は最終的に彼女を擁立するのではないかと思う。

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