けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

まず、あるべき姿の議論をしよう!

2012-01-22 14:12:45 | 政治
「消費税増税の前に自ら身を削れ!」との声の下、比例代表枠の削減を中心とした定数削減(選挙制度改革)の議論が始まろうとしている。定数削減は方向性としては良いことであるが、実際に行われている議論は「まずは理想的な選挙制度のあるべき姿、理念を集約する」という点よりも、完全に損得勘定を中心とした政党のエゴを丸出しにした議論が先行している。

元々小選挙区制が導入された際の基本的な考え方はこうだったと思う。中選挙区制だと、ひとつの選挙区に複数の枠(議席)があるために、同じ自民党から派閥ごとに複数の候補者が立てられ、制度的には大きな政党に有利に働くと考えられていた。一方、健全な民主主義のためには、政権交代が可能な勢力が必要と考えられていた。相互に政権交代が可能な2大政党制が確立し、お互いが切磋琢磨し、問題があれば相互に監視し合えば、腐敗も生まれにくく無茶なことはできないと誰もが信じて小選挙区制に踏み切った。もちろん、少数政党の存在を否定するわけではなく、その様な党のためにも比例代表枠を設けたりもした。

しかし、実際に政権交代を実現した現在、改めて振り返ってみるとどうであろうか?確かに政権交代可能な2大政党は存在するが、当初の目的を果たせているとは到底思えない。民主党は政権を奪取するために集まった烏合の集団である。自民党の中にも右から左、タカ派からハト派まで色々いたが、民主党はそれどころではなく、周りから長々と批判されているにもかかわらず党の綱領すら決められないくらい、極端に意見の違う人をも束ねた集団となっている。連立政権であれば、政党ごとに微妙に政策が異なり優先順位も違うのであるから、事前の協議で定めた優先順位に従って事を進めざるを得ない。その主張も、その政党の議員数に応じて反映されるのは仕方がないことだから、自らの主張が通らないことも承知の上である。しかし、民主党はそれが同一の党であることから、党の中で実権を握ってしまえば300議席を総取りできるという感覚なので話がややこしい。常に分裂の危機をはらんでいるので、思い切った政策など取れないのである。

この様に考えると、現在の2大政党は結果的に本来求められていた2大政党とは似て非なるものである。本来は対立するふたつの軸があり、その軸に沿って議員が集まり政党を組み、対立軸に沿って意見を戦わせるべきであるが、そうはなっていない。思い起こせば、多分、「大きな政府」と「小さな政府」というのが対立軸だったと思う。しかし、身の丈を超えた「大きな政府」を謳い文句に多くの議席を獲得した民主党を見た時点で、もはや当初の「小さな政府」では物足りないと誰もが思うようになってしまった。小さな政府のはずの自民党も、今では十分に大きな政府を志向するようになってしまった。どうも、民主党は元に戻せないようなことをするのが好きらしい。

話は戻るが、日本の政治が成熟しておらず、目指した2大政党制を実現できないのであれば、最初に戻って小選挙区制を見直しても良いだろう。そして、中選挙区制に戻す代わりに比例代表枠を撤廃し、参議院と衆議院の差別化を図ればよい。これにより、参議院の意義も大きくなる。またこれならば、少数政党も選挙制度改革に文句が言いにくくなる。小選挙区であればベタなドブ板選挙も致し方ないが、中選挙区になれば過剰に選挙活動に勤しむより大局に立った政治のあり方をゆっくり考える時間も持てるだろう。そして、政治が成熟した時点でまた小選挙区制に戻せばよい。派閥の否定の意味も込めて小選挙区になったのかも知れないが、結局、民主党内ですら派閥の論理を否定できないでいるのだから。

選挙制度は単なる手段であり、目的ではない。まずは目的をじっくり議論して、その中で手段を選ぶのが本来の筋であろう。

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