けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

時間と空間の壁を取り払えば・・・(橋下市長と久保田君のために)

2012-02-17 23:26:22 | 政治
今朝の産経新聞の「産経抄」を読んで思ったことがある。

「産経抄」の記事の最初の書き出しは、静岡県島田市のがれき処理の受け入れの話題から始まった。この話題については、過去のブログ「放射線を正しく怖がる方法(前編)」でも書いたが、一般市民においても「過剰に放射線を怖がる権利」というものは許されないのである。つまり、「自動車は走る凶器だから、全ての自動車に時速10km/h以下を義務づけろ!」というような類の主張には、石原都知事のごとく「黙れ!と言えばいい」の対応で良いと思っている。もちろん、彼らの主張を無視するのではなく、彼らの主張に対して最低限の誠意として、大本営発表としての安全性とは別に、信頼できる第三者機関による安全性の検証ができる体制を確保することが大切だと思う。多くの市民が納得できる方法を確立できれば、全国の自治体が一斉にがれき処理に協力できるようになるので、その様な提案がなされるのを待つのみである。

さて、今日書きたいのはその後に書かれていた話題である。大阪の高校生が橋下市長に手紙を送り、それに橋下市長が応えたという話題である。ご存知の方もいると思うが、その高校生(久保田君)は難病を患い、中学時代から入退院を繰り返していたそうだ。中学時代に長期入院した時には、病院内の院内学級で勉強をすることができた。その後退院したが、昨年9月、また入院することになった。しかし、義務教育でない高校の場合には院内学級がなかったという。友人の協力を受けながら、自力で勉強しながら何とか授業についていったそうだが、「高校生が入院したときに、勉強の遅れで不安にならないような制度をつくってほしい」との訴えを橋下市長にメールで送ったそうである。それに橋下市長が心打たれて、「僕ら政治家は大きな話をしたがるが、久保田君一人を救えないなら政治なんかいらない」と対応を確約したのだと言う。

そこで提案である。この様な難病の学生の数は個々の病院には少数である。そのための院内学級を全ての病院で充実させるのは非現実的である。しかし、技術はできないことを簡単に可能に変えることができる。例えば、大阪府庁や教育委員会などの何処かに教師を配置し、そこで授業をやるのである。その動画映像をIPマルチキャストで配信し、生徒は病院の何処かの部屋で授業を受けるのである。IPマルチキャストは片方向の通信であるが、1地点から多地点に簡易に配信することができる。その映像を生徒がパソコンで見るのである。ノートPCなら2Mbit/s程度のレートで十分に綺麗に映すことができるし、テレビの画面であっても、動きが少なければ4Mbit/sで十分だろう。病院内にも、特定の病室(ないしは会議室?)にはパソコンを利用するためのネットワークを組み、そこで利用するのである。ただ、これだけでは片方向で授業にならない。しかし、例えばSkypeなどのアプリを併用すれば、音声だけであれば簡単に多地点間通話を実現することができる。現在のSkypeの仕様でも25人までの参加(通話は同時に5人?)が可能だから、先生ひとりに生徒24人までなら収容できることになる。さらに、人数が5人までなら同時ビデオ通話も出来るので、24人の生徒を4人づつの6班に分ければ、顔を見ながらの先生と生徒で班ごとの朝礼ないし終礼もできる。当然、休み時間になれば友達同士のおしゃべりを楽しむこともできる。双方向の高精細のビデオ会議システムだと高価となるが、この程度のものであれば明日からでも安価に利用可能である。ちなみに、クラス分けは各病院側から教育委員会に「この様な学生が何人いる」と申告してもらい、適当に同一学年の学生をひとクラスあたり24人以下に編成する。そして、マルチキャストの受信設定と、クラスメートのSkypeのメンバ登録を行なったノートPCを病院側に貸与するのである。生徒は設定されたPCで簡単に授業に参加することができる。病院は生徒の健康状態に配慮して、1日の授業の受講(参加)時間を管理する。

もちろん、病院側にはそれなりの対応が必要であり、通常は病室には有線のLANが引かれていないと思う。ドコモのLTEサービスXiやWiMAXなどの無線アクセスなら有線LANがなくても簡単に対応できるが、病院内での無線機器(PCも同様)使用は場所により制限されるので、その辺をどうするかは考える必要があるかも知れない。防磁対策の施されたPCの開発が必要とあれば大掛かりになるが、簡易の電波吸収体で遮蔽するとか、考えようで何とかなることはあるはずだ。最悪の場合、時間を限定して会議室を利用して授業を受けさせてもらってもいい。仮に1日に2時間でも、皆との授業を受けることが可能にあれば、大分、気持ちの上で張り合いが出るのではないか。

蛇足ではあるが、今から4〜5年前に私は職場の友人と国内・国外(北欧)の4地点をSkypeで結び、「Skype飲み会」をやったことがある。ある仕事がひと段落し、海外出張中の友人を交えて飲み会をするために、Skypeを冗談半分で使ってみた。当時は、多地点通話は音声のみだったので、ビデオ飲み会にはならなかったが、それでも「・・・それでは、乾杯!」「俺、今、一番絞りにおつまみでカキピー食べてます」「2本目、行きまぁーす!(プシュー:缶ビールを開ける音)」・・・てな具合で楽しめた。飲んでいるうちに眠くなれば、もう、その場で寝ればよい(自宅なので)。最後は「では、そろそろお開きにして、明日からまた頑張りましょう!では、最後は関東一本締めで!(よーっ、ポン!)」と締めくくる。馬鹿と言えばお馬鹿であるが、ちょっと昔ではこんな馬鹿なことは不可能であった。しかし、今は、お金をかけずにタダでこんなこともできる。インターネットとは時間と空間の壁を取り払うことができるツールなのである。だからインターネット技術の恩恵は、健常者よりも体の不便な人の方がより便利に受けることができるのかも知れない。高齢者もしかりである。

本当は対面式の授業がベストなのは理解できる。先生が身近にいてくれたらどんなに心強いだろう。しかし、この様な出来ることから始めても良いのではないかと思う。橋下市長はこんなブログを読んでいないだろうが、本格的な院内学級が出来るまでだけでも、この様なものを利用してみては如何だろう。

←人気ブログランキング応援クリックよろしくお願いいます


最新の画像もっと見る

コメントを投稿