けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

「言ったモン勝ち」を排除するための提言!

2012-11-28 22:55:54 | 政治
昨日のブログでは、選挙後において政権与党の主流派と成り得ない政党にとっての政権公約・マニュフェストは意味がないのではないかという暴論を問題提起としてさせていただいた。今日は、もう少し先を見つめた新たなふたつの提言をさせていただく。

まず最初に何が問題であるかといえば、仮に有権者にウケの良い嘘八百を並べて当選してもその嘘の責任が問われ難い現状を何とかすべきであるという点である。ただ、これは実は難しいところがある。仮に脱原発を訴えて当選しても、衆参両院で多数勢力にまで議席を獲得できなければ、どんなにその人が誠実に最大限の努力をしても政策が形になることはあり得ない。それをその人個人の責任と責めてしまっては浮かばれない。政党にしても、弱小政党であれば同様である。この意味では、(少なくとも現職だった議員であれば)前回の選挙での約束を誠実に実現するために最大限の努力を行ったかどうかが次の選挙の投票基準にされるべきである。しかし、実際には選挙の都度に新しいスローガンをぶち上げ、前回の約束をリセットして新しいスローガンだけで勝負を仕掛けてくる。また現職は別としても、少なくとも新人候補には過去を問うことは出来ないから、中々前回の政権公約を基準に投票するというルールは一般化しにくい。

そもそも、今回の膨大な数の弱小政党の顔ぶれを見れば、前回の選挙の時の所属政党とは違う名前の党に所属している人が大半だから、責任を問うということの意味も曖昧になってしまう。民主党を離脱した議員の多くは、民主党が変わってしまったから悪いのは現在の民主党執行部であり、我々は悪くないという言い訳もあるだろう。これでは、正攻法である「嘘八百を並べて当選した候補者の嘘を糾弾する」ことには限度があると言わざるを得ない。もちろん、ネット上で各政治家の過去の言動の数々を比較できるようにまとめたサイトを立ち上げ、有権者が投票の際の自分の判断に活用できるようにすることで嘘を炙り出すという方法はあり得るが、有権者がそこまで真面目にネットを検索して投票先を選んでくれるかといえば、それは幾らなんでも期待しにくい。

実は、単に政権公約の実現の可否の責任を問う以上に更に深刻な問題も浮き彫りになっている。それは最近できた政党である「みどりの風」には3人の衆議院議員と4人の参議院議員がいるが、このうちの衆議院議員の3人だけが日本未来の党に合流して選挙を戦い、選挙を終えたらまたみどりの党に戻る画策をしていると噂される。他の党にしても、日本未来の党に骨を埋める気などなく、選挙のための腰掛け的に利用しようとしている(ないしは、選挙が終わったら日本未来の党内でクーデターを起こして乗っ取る)人が多いのは容易に予想できるが、場合によってはそのような議員が小選挙区で敗れて比例代表で当選する可能性もある。みどりの党に投票するつもりがない人が日本未来の党に投票し、それが選挙直後にはみどりの党の議席に化けるかも知れない詐欺行為である。これを堂々と合法的に行うことができるというのは、根本的に選挙制度が間違っているとしか言い様がない。最低でも比例区で当選した議員は、政党が解党しない限りは離党とともに議員資格を失うというルールは必要である。しかし、それだけでは足りないことも容易に理解できるだろう。

であれば、この様な事態を回避するための全く別のアプローチを模索しなければならない。ではどうすれば良いのだろうか?

ひとつの方法は、選挙のために寄せ集めの政党を利用できないようにするメカニズムである。具体的には公職選挙法における政党構成要件を厳しい方向に是正するという方法である。例えば、選挙の公示日を基点として1年ないしは半年以上前に総務省に政党登録の申請を行い、構成要件を満たしていると認められていない限りは、次の選挙での政党としてのアドバンテージを行使できないようにするのである。今回の選挙は12月4日が公示日だから、半年前だとすれば6月4日までに政党登録されていること、その後も公示日までの間にその条件が一度も失効していないことが条件となる。また個人の政治家にしても、6月4日時点でその党に在籍していない限りは、政党としての恩恵を受けられないようにすれば、直前にあっちに行ったりこっちに着たりすることを避けられる。ここでの在籍とは党員資格を持てばよいので、新人候補であってもそれまでに党員資格を獲得していれば政党の恩恵を受けることは可能である。こうすれば、今回のようなドタバタ劇は見ることがなかっただろうし、十分な準備期間を通してその政党の真の姿を国民に見せることができる。

ちなみに今回の例を詳しく見てみるなら、この6月4日という日は消費税の議論が佳境を迎えるより前だから、その後にドタバタしてできた政党は政党としてのアドバンテージは認められない。政党のメリットには選挙区での政見放送の有無や、比例区での重複立候補の可否など、色々と旨みのあることが多いから、これは政党にとっては大きなハードルとなり、直前の風向きを睨んでの合従連衡ではなく、そもそも自分たちの政治信条に基づいた形での評価が求められることになる。日本維新の会などはゆっくりと時間をかけて準備してきたが、この様なルールであればより早く党としての条件を満たすために、より早い時期から準備をしていただろう。石原代表も同様である。

なお、Wikipediaによれば(対象となる法律により美妙に異なるが)、概ね政党の構成要件は「政治団体のうち、所属する国会議員(衆議院議員又は参議院議員)を5人以上有するものであるか、近い国政選挙で全国を通して2%以上の得票(選挙区・比例代表区いずれか)を得たもの」を政党と定めているという。この構成要件も更に厳しく変更し、政策に対する政党の取り組みがもう少し国民の目に見える形で活動できるものだけを「政党」と見なすべきだと考える。衆院で言えば、議席数は480であるが、その1割ぐらいはないと政党の行動が目に見えてこない。だから、丼勘定ではあるが、衆参合わせて50名以上を政党とみなせば流石に政党としての活動が目に見える形になってくるだろう(得票率に関しても2%を10%程度に引き上げる)。そうすれば、各政党の任期中の活動が不満足なものであれば次の選挙で議席を減らすだろうし、政策が実現しなくても50議席なりの有意義な活動が認められれば議席を増やすことが出来るだろう。そんなルールを作れば少数意見を抹殺するという意見もあるだろうが、それならば別の形で救済することも考えられる。例えば、従来の議員数5人で政党と認めるルールをベースとして、「議員数5人以上を5年以上の間継続して維持した政党」ないしはもう少し厳しくして「5年以上連続で議員資格と党員資格を有する所属議員が5人以上(つまり、入れ替わりのある議員は人数にカウントしないというルール)」という条件で、選挙でのアドバンテージを行使できるというものである。こうなると、共産党の様な地道な党は特例的に政党と認められ、合従連衡に走る政党は政党と認められないことになる。この様にして、毎回、選挙の度にスローガンを変えたり枠組みを組み替えて人の目を欺こうとする政党の増殖を防ぐことは可能である。

さて、この後はもうひとつの別のアプローチを提案する。それは、「白票(無記名投票)」の有効利用というものである。先日のフランスの大統領選挙でも多くの「白票」が投票されたと話を聞いた。しかし、単に「意思表示」としての「白票」ではもったいない。もう少し、それが国政に反映させる形で「白票」を有効活用すべきである。だから私の提案は、小選挙区および比例代表を合わせた総投票数に対する白票の総数の比率を評価し、その比率に応じて議員の任期を短縮するのである。エイヤの数字であるから実際には有識者に最適化してもらいたいが、例えば白票率が10%で1年短縮(任期3年)、20%で2年短縮(任期2年)、30%以上は3年短縮(任期1年)というものである。

今回の選挙の例を見れば、トータルな政策として合理性が認められ積極的に応援できる政党が見つからない場合、敢えて消極的に特定のテーマだけに特化して投票先を選ぶのではなく、白票を投じて任期を短縮することで見直しの時期を前倒しさせるのである。具体的には、経済政策や外交政策では自民党に投票したいが、原発の見直しが3年以内というなら、敢えて得体の知れない脱原発の寄せ集めの党に消極的に投票するよりも、白票を投じて3年後にもう一度自民党の評価をしようという選択が可能なのである。この様にして、積極的な投票と消極的な投票を区別することで、より現実に近い国民の意思の反映方法を模索するのである。

以上は提案の一例であるが、この様な考え方を発展させればもっと良い方法が見つかるかも知れない。現状は余りに酷く、このままでは日本は滅んでしまう。政党制民主主義は正しい道だと思うから、小選挙区制の見直しも含めて、総合的な選挙制度改革を期待したい。

←人気ブログランキング応援クリックよろしくお願いいます


最新の画像もっと見る

コメントを投稿