けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

沖縄防衛局長と公平な判断

2012-02-03 21:17:51 | 政治
何かと話題の防衛省であるが、沖縄防衛局長の選挙に向けての講和が問題となっている。マスコミや野党の皆さんは鬼の首を取ったような勢いで盛り上がっている。しかし、ちょっと待って欲しいのである。ここではふたつの大きなポイントが忘れられている。その点について今日は議論する。

まず、ひとつ目のポイントは、公平な判断についてである。最初に断っておくが、沖縄県民の思いや感情を考えて、誰かを吊るし上げても生産性はないので、丁寧に公平性を考えてみる。最初に今回の局長の行動が法に抵触するかどうかであるが、私の予想では、この局長は前局長が更迭されて再任されるぐらいの人だから、官僚の中でも(良い意味でも悪い意味でも)有能な人なのだと思う。だから非常に巧みな言い回しで、直接、「どの候補者に投票しろ」とは言っていないのだと思う。つまり、イザ、裁判となった時には言い逃れできる、ギリギリの講話だったのだろう。この様な情報が内部からリークされていると言うことは、そのリークした人は思想信条的には「沖縄から米軍基地を追い出せ」と思っている人に違いない。だから、確実に法に触れるネタを掴んでいれば(つまり、具体的な候補者への投票の呼びかけ)、その情報も合わせてリークするはずである。にもかかわらず、それが未だに出てこないと言うことは、本人も「国家公務員法、公職選挙法などに抵触する『恐れ』があることを認識している」と言っている通り、その最後の一線を越えないギリギリのところで勝負しているはずである。仮に勤務時間中であっても、防衛省の活動を国民に知らしめる活動であれば、(「選挙」というメガネを通してみなければ)誰からも非難される筋合いのものではない。

しかし一方で今回大騒ぎする人たちの多くは、大阪市役所内の労働組合が、自分たちの身分と高い給料を安定的に保証してくれる候補者(前市長)を当選させるために、税金から給料が支払われている勤務時間中に、堂々と違法な政治活動をしていたりすることに対しては無頓着なのである。彼らは、自治体の財政再建を行うために「身を切る努力」をさせない様に、候補者を明示的に組織立てて応援するのである。ギリギリのところで一線を越えずに踏みとどまるのではなく、堂々と一線を越えて「何が悪い!」と開き直っているのである。

国家公務員と地方公務員の差はあるにせよ、同じ公務員なのであり同様のことが求められる。だから公平な目で見れば、(後で示すもうひとつのポイントであるが)沖縄防衛局長の行動も問題ではあるが、それ以上に問題である別の公務員の政治活動には、その違法性に見合った非難のされ方がされてしかるべきである。そうでないならば、明らかに公平性を欠いたボヤキと見なされても仕方がない。如何だろうか?

さて、ふたつ目のポイントであるが、こちらはちょっと趣が違う。防衛省の特殊性に関連した問題だ。防衛というのは国家の根幹に係わるもので、戦時中であれば各国がスパイによる諜報活動を繰り広げていた。今の平和ボケした日本ではあまり重要視されていないが、今でも外国では必至になって合法・非合法の活動を繰り広げている。ロシアの美人スパイが捕まったという話題も紙面を賑わせていた。だから、スパイ活動をしても捕まらない日本においては、中国やロシアの諜報員が当然ながら暗躍している。彼らには倫理観など無いのだから、例えば色仕掛けで罠を仕掛けてくるというのも常套手段である。以前にも、某元総理大臣と中国系スパイと疑われる女性との親密交際が噂されたことがある。「女を抱かせて、機密情報を取って来い」という様なやり方は、政治家、防衛省職員(その他の省庁の職員も同様)には常に付きまとうものである。

だからこそ、防衛省の特に幹部連中は、危機・リスク管理に十分に気をつけなければならない。その様なことを踏まえて今回の問題を見ると、自分の言動・行動がどの様な影響として跳ね返ってくるかのリスク評価を、正確に管理できることが幹部連中には最低限求められる。昨年末の発言で更迭された前局長も全く同じである。「オフレコだから良いだろう」とか、「身内の職員だからいいだろう」などと言う甘ったれた考えは、国家の防衛の中枢にいる人達には持ってもらっては困るのである。ここのところは自覚してほしい。

だから、法的にはどうかという意味で言えば沖縄防衛局長の更迭は不要かも知れないが、今後の沖縄との交渉という政治的な判断では、更迭はやむを得ないのだろう。しかしその様な判断がなされたからといって、「沖縄防衛局長の行動はNGで、市役所の労組の活動はOK」ということを意味しないと言うことを、ここでははっきりしておきたい。

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