けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

電気使用税の創設と税金還付のインセンティブ

2012-03-15 22:56:33 | 政治
まもなく日本国内の全ての原発が安全点検のために稼動を停止することになる。この時期は比較的電力の消費量が少なく、直ぐに無計画停電に陥るような緊急事態にはならないが、夏になればまた受給が逼迫する事態に陥る。

様々な機関から、「この夏は乗り切れない」とか「いや、計算すれば十分に足りるという結果が出ている」という主張がなされている。ただ、誰もが指摘している通り東電ないしは経産省が評価に必要な十分なデータを出していないし、計算する側もその計算の前提条件を明らかにはしていない。だから、誰が言っていることが最も信頼できる評価なのかは藪の中だ。

言うまでもないことだが、この問題の焦点は「ピークカット」にある。多分、年間で20~30時間程度の消費電力のピークを除外すれば、残りの99%以上はあまり問題にする必要がないレベルであろう。しかし、そのピークがいつ発生するのかが分からないから、いつ起きても困らない体制が求められることになる。昨夏は、企業や業種毎に休日を変更したり、昼間の勤務を深夜に変更したりなどの対応が行なわれ、何とか乗り切ることができた。一部の企業では、東電管内から他の電力会社の管内に拠点を移動して対処したが、今年は日本全国が逼迫する状況だから、避難するには国外に逃げるしかない。この様な状況が続くと、大企業は電力供給が不安定な国内から国外に拠点を移し、国内産業の空洞化に突き進むことになる。これだけは何とか阻止しなければならない。

多くの反原発派は電力供給は「足りる」と言っているが、では足りなかった時の責任をどの様に感じているのであろうか?例えば、今年の夏が冷夏であり、たまにある猛暑日が偶然週末やお盆休みに重なれば、多分、多くの研究者が「足りる」と認めるであろう。しかし、仮にこの夏が30年に1度の猛暑になり、お盆休みでもなければ休日でもない日に最高気温が全国的に38度以上にも昇るようなことがあれば、多分、多くの人が「足りない」と予測するであろう。昨年は震災の記憶が鮮明で、誰もが「協力しよう!」という強い意思を持って臨んだが、今年はそうは行かない。週休日の変更も、実際やってみた経験ではボディーブローの様なインパクトがあった。政府は電力使用制限令を今年は出さない方向で検討していると言うことだから、昨年度の様にピークカットが上手く働くかどうかは微妙である。大企業が海外に逃げ出さないように、何か手を打たなければならない。

そこで提案がある。ベースとなる考え方(電気料金の値上げ)は東京新聞の長谷川幸洋論説副主幹の発言をヒントにしている。多分、他にも同様のことを考えている人は多いと思う。まず、電気料金の基本料金を除く重量制課金の単価に50%の税金を付加するのである。つまり、電気使用税の創設であり、結果的に電気料金の値上げになる。ただし、この税金の徴収は1年単位とし、電力会社では1年分の累積額を毎年、所定の月に徴収する。一方、国はこの徴収額の総額に対して、それを所定のルールで国民や企業に還付するのである。例えば、企業が消費する電力による電気使用税と一般家庭の電気使用税が70%対30%だったとする。この場合、税収総額の30%を国民に対する還付額とし、大人子供に関係なく単純に人数割りで一人当たりの還付額を計算し、これを国民に還付する。企業に勤めるサラリーマンであれば年末調整の際に扶養家族の分も合わせて還付すれば良いし、自営業などで確定申告を行なう者は、その確定申告に合わせて還付すれば良い。年金受給者は年金に合わせて還付しても良い。あくまでも、その他の還付方法と重複しなければ如何なる方法で還付しても構わない。上記のいずれにも属さない人は、仕方がないので確定申告をしてもらうことになる。確定申告の面倒さは理解できるが、本来は国民全員の納税意識を高める必要があり、大阪維新の会の船中八策では国民全員の確定申告を盛り込んでいるほどであり、これは諦めて従ってもらうしかない。

先ほど延べた電力会社からの税金の徴収月が例えば5月であれば、確定申告後の税金の還付が税金の徴収に先行することになる。貧困により経済的に苦しい家庭であっても困ることはないし、もともとその様な家庭は電気使用量が少ないので、税金の徴収額よりも還付額が大きくなり、多分、苦情は出ないだろう。つまり、電気を使っただけ増税となるが、逆に節電すれば還付金が上回るので減税となるかも知れない。LED電球や省電力の電化製品に買い換える際のインセンティブとしても働き、電化製品などの買い替え需要を生み出す経済効果も期待できる。太陽光発電導入のメリットも大きくなるので、普及促進にも役に立つかも知れない。電気料金の値上げと言えば悪いイメージがあるが、この様な形での値上げであれば不満も少ないだろう。

問題は企業側の電力使用に対する課税と還付であるが、こちらは少々ややこしいので、知恵のある方々のアイデアを募れば良いと思う。例えば、事業内容によって電力使用量が違うので、単純に従業員数に比例した還付とする訳にはいかない。前年度を電力使用量を基準とした節電率で還付すると、昨年頑張った企業が損をするのでこれも駄目である。しかし、例えば電気使用量が大きい小さな町工場などには増税になると経営に直結するので、その様な会社に対しては十分に考慮されるべきである。なんなら、企業は非課税としても良い。ただし、国民感情として一般市民に対しては増税し、大企業には増税なしだと流石に文句のひとつも言いたくなるのは人情である。だから一例として方法を考えてみた。この案では電気使用量の管理が複雑になるのが難点であるが、ピーク時間帯(例えば平日の13時~19時)だけ電気使用税を課税し、その課税総額を企業の総使用電力で除算し、還付単価を各企業の電力使用量に乗算して徴収額と還付額を相殺する調整を年に一度行なうという方法は如何だろうか。当然ながらピークカットに協力した企業は税の徴収額よりも還付額が多くなり、それを社員に還元したり企業の収益とすればピークカット制度導入のインセンティブになる。

ちなみに、それでもピークカットが不十分な場合もある。その場合には、1時間前に通告が行なわれると言う前提で、積極的にピークカット時に給電停止を受け入れる企業を募るのである。そして、実際のピークカット時の給電停止総電力量(停止累積時間×平均の電力消費量)に比例した別枠の税金還付をすることで、損失補てんを行えば良い。例えば工場によっては、たった1時間でも一度電気を止めるとなると、その日一日を棒に振るという会社もあるだろう。鋳物工場の電気炉などは、高温になるまでに十分に時間をかけなければならないとか、その様な話は良く聞く。だから、その様な会社ではなくて、例えば自動車工場の様に1時間前に電力停止が分かれば何とかなる会社は、無駄になった時間の従業員の給料の補填がなされれば、それほど不満は大きくはならないだろう。強制的な停電ではなくて、企業側が自分で運転を停止するだけだから、地域単位で行なう計画停電の様にとばっちりを受ける人も少ない。

この様に、節電やピークカットを個人や企業の良心に頼るのではなく、努力した人が報われる制度に変えることで、大きく流れを変えていく必要がある。その様なアイデアは、他にも出せると思う。如何だろうか?

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