けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

事件の一面だけを見る危険さ(「復興庁幹部の愚かな発言」から)

2013-06-18 23:58:48 | 政治
既に5日ほど経ってしまい完全にタイミングを逃した感があるが、どうしてもコメントしておきたいのでここで書かせて頂く。復興庁幹部がツイッターで行った暴言問題についてである。

まず最初に、この官僚のやったことは決して褒められることではない。そして、明らかに政府や自治体が行おうとする復興に関する活動にとって、明らかに足を引っ張る結果をもたらしたのだから、責任を取って更迭されたのは仕方がないことだろうと思う。これには異論はない。ただ、物事はそう単純ではなく、以前からコメントでご指摘を頂いたスイスの「民間防衛」の中でも触れられているように、ある国の政府を悪意をもって貶めるように必死に行動する組織というものも悲しいかな世の中どの国にも存在し、その様な連中が仕掛けるトラップに引っかかる良心的な一般市民は意外にそのトラップに気が付かないことが多い。つまり、背景にはドス黒い何かがあるのだが、それに悟られない様にオブラートで包み、しかもそれが如何にも良心的な集団と信じられている組織の中に潜り込んでいるというお話である。

私も底が浅い人間だから最初は分からなかったのだが、下記の記事を一読して頂きたい。

アゴラ 言論プラットフォーム 石井孝明「復興庁幹部暴言騒動・役人『叩き』ではなく仕事を『減らす』で福島を救え

詳細はこの記事に譲るのであるが、ポイントとしては、官僚の暴言をスクープした毎日新聞の記者は、「自称市民メディア」のOurplanetTVと連動して記事を新聞に載せている。時系列的な証拠から、そしてこの記事を書いた記者とOurplanetTVの代表とのこれまでの行動経歴から、極めて密に情報を交換しながらこの団体の代弁者として全国区の新聞に記事を掲載した形である。更にはその他の類似の団体とも相互に連携し、一大キャンペーンを張ろうとした形跡がうかがえるという。そして、経済・環境ジャーナリストである石井孝明氏のこれまでの活動の中で、このOurplanetTVという団体が極めて偏った組織であり、一般市民に誤った情報を発信してミスリードを図ろうとしてきたことを証拠と共に示している。所謂、サイレント・マジョリティの真逆のノイジー・マイノリティの典型として、震災瓦礫に付着した放射性物質の危険性を過剰に吹聴し、科学的な根拠もなしに、復興の足を引っ張ろうとした組織に通じているという。つまり、「正義の味方」のふりをしていながら、実は正義を語れる資格がないというのである。

この辺の事実認識についてはこの記事を読んだ読者に委ねるとして、世の中には「権力に楯突くことが正義」と勘違いし、「権力に逆らいさえすればそれでOK」と感じている人は意外に少なくない。復興庁職員が対話集会で対峙した市民の多くはそうではないのだろうが、しかし、この手の集会を行えば必ず偏ったノイジー・マイノリティの人達が声高に叫んで集会の流れをコントロールしようとするのは良くある話だ。しかし、政府側の人間は対話により理解を深めてもらうのが仕事だから、これらの人々を一刀両断、切り捨てることは許されない。ひたすら耐えて、取りあえず説明会を行ったという実績を作ることが彼らに与えられた仕事となる。震災前までであれば、原発賛成派と原発反対派を議論で戦わせても不毛な争いしか行われず、有益な議論、例えば「長期的な視点では原発をフェードアウトするにしても、短期的には原発に依存する現状は急激に方向転換できないから、せめて如何にすれば少しでも原発を安全に運営・管理できるか、まずはそこから議論しよう!」という方向には向かわない。相手を罵りあってお終いである。最近は流石に原発賛成派も旗色が悪いと自覚しているのだろうから対話のチャンスが生まれるのかと思いきや、原発反対派が逆に錦の御旗を得たと思い込んで先鋭化し、これまた議論にはならない。この様な、殆どイデオロギーの対立的な人々とは議論しても意味がないというのは確かに現実としては真実だから、この官僚がツイッターで行った発言は、許されはしないかも知れないがそれなりに的を得たものである。本人も、流石に実名はまずいと思い匿名にしていたのだろうが、過去には実名で発言していた時期もあったそうで、それを辿って人物を特定されてしまったという。

あくまでも官僚である以上、政府の活動の足を引っ張る結果を導いたのなら、その責任は問われてしかるべきだろう。人物を特定されうる状況で、一般市民に誠意をもった対応をしている姿を見せなければならないものが、誠意のかけらもないことを証明したのだから、それは責任を問われても仕方がない。しかし、一方でこの官僚がボロ糞に罵倒される集会で暴言を吐いた人がいたとしても、その人の暴言は何故か「言論の自由」で守られて、多くの一般市民から攻撃を受けることなどない。極めて非対称な環境に置かれている訳である。この様な状況を考えると、まずはこの官僚には人身御供となってご退席を頂くのは当然なのだろうが、しかし、大新聞社が偏向した一部の政治団体などの策略に踊らされたとしたら、その大新聞社は謙虚に自己反省をして頂かなければならない。しかし朝日新聞が、少なくともその火付け役の人・団体が後に慰安婦の補償金詐欺で逮捕されるに至っても、そのかなりいかがわしいと言わざるを得ない団体に踊らされて報道したことを総括しようとはしない。報道機関というのは自らには極めて甘い組織なのである。

だから、物事は一面だけに目を奪われてはいけず、様々な裏の事情を予測して是々非々で判断しなければいけないのだろう。今回の件はそれを思い知らされる事件であった。

なお蛇足であるが、よくよく上述の官僚の発言を見てみると、橋下代表のツイッターで交わされる過激な発言に比べればかわいいものとも言える。橋下代表を半ば個人攻撃する報道機関や有識者との間で行われる橋下代表のツイッターを見れば、滅茶苦茶過激な表現が並んでいる。その典型例が過去に話題になった「教育委員会のクソ野郎」発言である。しかし、橋下代表のそれらの発言自体はあまり問題とされることがない。それは、暴言の裏に、ちゃんと何らかの問題提起が隠されており、言葉は乱暴だが、内容的には正論であったりすることが多いからなのだろう。今回の官僚の発言は、同情はできても正論とはかけ離れている。だから、孤立無援で失脚することになる。民主党時代の某大臣の「放射能つけちゃうぞ!」発言も、「それは駄目でしょ!」的な発言で私もボロクソに非難していたが、今になって冷静に思えば、辞任まですべき発言かと言われれば少しは悩むところである。この事件の背後にも、今回の様なドス黒い何かがあったとすれば、私も反省しなければならないと思うところである。勿論、こちらの事件の背景は漏れ伝わっていないので良く分からないのであるが・・・。

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