隊員たちは、皆無事です。15時頃にABCに帰着。
今は、音も無く各個人テントで全員撃沈しております。
3人とも、相当疲れた様子です。
パルマが作ってくれたララ・ラーメンを食べられたのは、マコロ爺だけでした。
とにかくお茶をたくさん飲んでもらって、よろよろとテントに向かいました。
ですから、たぶん強制的にトイレに起きるでしょう。
外は、昼ごろからの雪がしんしんと降り続いています。
このところ午後は、いつも雪ですね。少し見慣れましたが、感傷的な景色です。
さて、昨日からの話をしますね。2日分、濃くて長いですよ!
登頂日程をなんとか天気に合わせるため、
荷上げ(ちなみに“荷揚げ”は、船の荷揚げらしい)を急ピッチで進めてます。
シェルパたちだけでは、間に合わないのでアイゼンの必要ないC1までは、
チベッタンの協力を利用することにしました。
ABCには、各国隊から荷上げを請け負うためのチベッタンが常駐してます。(笑)
AG隊は、6人雇いましたが、荷上げ量でもめて、バタバタと…
ま、パサンが纏めましたが。
隊員は、無事に自分達の荷物が出発したのを見届け、昼前頃に出発。
前回のデポ往復よりは、歩調は良かったですね。
でも、クムジュンコは、ちょっと辛そう。
呼吸と歩調のリズムが合わないらしい。というか、わかっていない。
ぴったり一緒に歩いて、大げさに呼吸をして、
歩くリズムと呼吸のリズムの掛け合いが、大切なことを感じてもらう。
だんだん調子が出てきて、デポまで休みも含めて2時間30分くらいで来られた。
歩き出しは、リズムがつかめないらしく、しばしば立ち止まってしまうが、
そのうちに調子が出てくる、他の2人の男性を引っ張る感じだ!いい感じ!
急斜面のガレ場をもくもくと登る。前方を歩いている外国隊を抜かした!すごい!
雪が降ってきて、風も出てきた。ジャケットを着て、手袋を厚めのものに換える。
こんなところでも、凍傷にはすぐなる。身体に抵抗力が無いから、5分くらいで簡単になる。
隊員がどのくらい冷たいのか私にはわからないから、しつこく強めに、
「手が冷たくないですか?冷たいのをほっといてませんか?」と聞く。
そのたびに、隊員は、思い出したように手をマッサージする。グローブの中でグーを握る。
C1のテントが見えてきた。雪雲が一瞬切れて、青空が見える。
その青空の中から、オンジェがテルモスをもって駆け下りてくる。
顔の表情を変えるのも大変ですが、とても嬉しい瞬間でしょう。
C1は、まさしく空中都市。ガレた斜面を抜けると、
反対側は、氷河です。大きなクレバスがどかーんと一個口を開けています。
そのクレバスの対岸にも分譲されています。大変な数のテント!
今年のAGの分譲地は、C1では一番C2に近い場所!って事は、
一番高いところ!そこは、毎年、ラッセルの隊がいますが、その更に上!
テントのすぐ上から、急な雪稜が始まります!
隊員は、テントに入るなり、バタンキュー!
キューは、困るので、お茶を飲んでもらったり、テント内の整理をしてもらったり。
比較的元気な、サシローとマコロ爺がひとつのテント、クムジュンコは、僕と一緒。
夕食を作り、尾西のパックライスが配られるけど、1パック食べ切れたのはサシローだけ。
マコロ爺は半分、クジュンコは、一粒も食べられない。
とにかく水分を摂ってもらおうと、スープやお茶をどんどん作るが、
その間に気を失ってしまう!あららら、「はい、起きて!スープ飲んで!深呼吸して!」
声をかけていないと、違う世界に行ってしまうー!「おーい、しっかりー!」
そんな繰り返し。もうひとつのテントも心配なので、大声で「元気ー?食べてるー?」
って声をかける。明るく元気そうな声が返ってくるけど、やはり眠たくてしかたないそうだ。
もちろん夜には眠ってもらうんだけど、C1到着後すぐに、
しかも胃腸に体液が集中している食後すぐに、高所順応がある程度できあがる前に、
積極的に意識的に呼吸ができなくなってしまう睡眠に入るのは危険なんです。
そこで、「はい、じゃー今日の話題!マコロ爺がどうして山岳写真家になったか!」
という事で話し始めてくれましたが…………長かったぁ…カメラを手にするまでが…。
クジュンコは、頑張って、「へー、そうですかー」とか言ってたけど、撃沈の繰り返し。
俺も、お湯作ったり、クムジュンコつついたり、たぶんサシローも含めて、
もう一度、話してもらわないと、誰も覚えてないかも。でも30分以上は、過ごせました!
ありがとう、マコロじい~!6400mの語り部でした。
食事が終わってもクムジュンコは、ぜんぜんトイレに行かない。困ったなぁ~。
まだ、7時だし、よ~し、「ちょっと薬のもう!おしっこでやすくなる薬!」って事で定番のヤツ。
意識もうろうとしているクムジュンコに更にお湯やスープをかわるがわる。
そして、いろんな話をして、なんとか起きててもらい、食器をわざと拭かせたり…。
ふと3人の息子達の話をしはじめだすと、意識がハッキリしてきて、元気に!
「私トイレにいきたくなったわ」って、良かったぁー!やったー!息子たちに感謝!
もう、9時になってました。隣のテントでは、出たり入ったりする音が聞こえてたし、
なんとか夜を迎える準備が整ったかな~と判断。
でも、クムジュンコには、パルスオキシメーターをつけたまんまで、横になってもらう。
12時くらいまでは、心配なので声をかけてました。
自分が寝ちゃ困るので、寝袋に入らないで横になって。そーすりゃ寒さで起きるでしょ?
外は、静かで雪も風も無いんです。月明かりだけ。
作戦通りに、クムジュンコも夜中の2時頃に強制的にトイレに行ってました。
というわけで、C1の一晩があけました。翌日のSPO2も問題なし。
元気にC2荷上げのシャルパたちを送り出し、その後に朝食。かなり控えめの。
食後に、高所ブーツ、ハーネスをつけて、フィックスのレクチャー。
出だしの急斜面は、誰もフィックスを張っていないくせ、ぼこぼこ皆スリップして落ちてくる。
ついでだから、この斜面にフィックスを張って、練習しました。
テントを整理して、シェルパたちの水をコッヘルいっぱいに作ってあげて下山。
また、雪が降り出して、ABCまでは、寒いトレッキングになりました。
私は、石を拾いながら、歩いてきました。白い石にガーネットの2mm位の結晶が入ってるヤツ。
ブログ見てくれたひとに、プレゼントしちゃおうかな。
おやおや、調度、夕食の時間です。
隊員たちは、テントからうめき声のような「ふぁ~い、行きむぁ~す」(笑)
皆食べられると、いいなぁ。俺も早くバカ食いできるようになりたいなぁ。
あ、早く来いって言われてる!
では皆さん。また。
おやすみなさい。
PS:写真送れないかも。それと、ラッセル達が本日登頂しました。素晴らしい。
でも、明日ABCに戻って、そのまま撤収になりますので、もうPCはつなげないかもしれません。AAIも撤収に入ります。残念。
PHOTO:空中都市C1分譲中!一番手前、アライテントがAG!
今は、音も無く各個人テントで全員撃沈しております。
3人とも、相当疲れた様子です。
パルマが作ってくれたララ・ラーメンを食べられたのは、マコロ爺だけでした。
とにかくお茶をたくさん飲んでもらって、よろよろとテントに向かいました。
ですから、たぶん強制的にトイレに起きるでしょう。
外は、昼ごろからの雪がしんしんと降り続いています。
このところ午後は、いつも雪ですね。少し見慣れましたが、感傷的な景色です。
さて、昨日からの話をしますね。2日分、濃くて長いですよ!
登頂日程をなんとか天気に合わせるため、
荷上げ(ちなみに“荷揚げ”は、船の荷揚げらしい)を急ピッチで進めてます。
シェルパたちだけでは、間に合わないのでアイゼンの必要ないC1までは、
チベッタンの協力を利用することにしました。
ABCには、各国隊から荷上げを請け負うためのチベッタンが常駐してます。(笑)
AG隊は、6人雇いましたが、荷上げ量でもめて、バタバタと…
ま、パサンが纏めましたが。
隊員は、無事に自分達の荷物が出発したのを見届け、昼前頃に出発。
前回のデポ往復よりは、歩調は良かったですね。
でも、クムジュンコは、ちょっと辛そう。
呼吸と歩調のリズムが合わないらしい。というか、わかっていない。
ぴったり一緒に歩いて、大げさに呼吸をして、
歩くリズムと呼吸のリズムの掛け合いが、大切なことを感じてもらう。
だんだん調子が出てきて、デポまで休みも含めて2時間30分くらいで来られた。
歩き出しは、リズムがつかめないらしく、しばしば立ち止まってしまうが、
そのうちに調子が出てくる、他の2人の男性を引っ張る感じだ!いい感じ!
急斜面のガレ場をもくもくと登る。前方を歩いている外国隊を抜かした!すごい!
雪が降ってきて、風も出てきた。ジャケットを着て、手袋を厚めのものに換える。
こんなところでも、凍傷にはすぐなる。身体に抵抗力が無いから、5分くらいで簡単になる。
隊員がどのくらい冷たいのか私にはわからないから、しつこく強めに、
「手が冷たくないですか?冷たいのをほっといてませんか?」と聞く。
そのたびに、隊員は、思い出したように手をマッサージする。グローブの中でグーを握る。
C1のテントが見えてきた。雪雲が一瞬切れて、青空が見える。
その青空の中から、オンジェがテルモスをもって駆け下りてくる。
顔の表情を変えるのも大変ですが、とても嬉しい瞬間でしょう。
C1は、まさしく空中都市。ガレた斜面を抜けると、
反対側は、氷河です。大きなクレバスがどかーんと一個口を開けています。
そのクレバスの対岸にも分譲されています。大変な数のテント!
今年のAGの分譲地は、C1では一番C2に近い場所!って事は、
一番高いところ!そこは、毎年、ラッセルの隊がいますが、その更に上!
テントのすぐ上から、急な雪稜が始まります!
隊員は、テントに入るなり、バタンキュー!
キューは、困るので、お茶を飲んでもらったり、テント内の整理をしてもらったり。
比較的元気な、サシローとマコロ爺がひとつのテント、クムジュンコは、僕と一緒。
夕食を作り、尾西のパックライスが配られるけど、1パック食べ切れたのはサシローだけ。
マコロ爺は半分、クジュンコは、一粒も食べられない。
とにかく水分を摂ってもらおうと、スープやお茶をどんどん作るが、
その間に気を失ってしまう!あららら、「はい、起きて!スープ飲んで!深呼吸して!」
声をかけていないと、違う世界に行ってしまうー!「おーい、しっかりー!」
そんな繰り返し。もうひとつのテントも心配なので、大声で「元気ー?食べてるー?」
って声をかける。明るく元気そうな声が返ってくるけど、やはり眠たくてしかたないそうだ。
もちろん夜には眠ってもらうんだけど、C1到着後すぐに、
しかも胃腸に体液が集中している食後すぐに、高所順応がある程度できあがる前に、
積極的に意識的に呼吸ができなくなってしまう睡眠に入るのは危険なんです。
そこで、「はい、じゃー今日の話題!マコロ爺がどうして山岳写真家になったか!」
という事で話し始めてくれましたが…………長かったぁ…カメラを手にするまでが…。
クジュンコは、頑張って、「へー、そうですかー」とか言ってたけど、撃沈の繰り返し。
俺も、お湯作ったり、クムジュンコつついたり、たぶんサシローも含めて、
もう一度、話してもらわないと、誰も覚えてないかも。でも30分以上は、過ごせました!
ありがとう、マコロじい~!6400mの語り部でした。
食事が終わってもクムジュンコは、ぜんぜんトイレに行かない。困ったなぁ~。
まだ、7時だし、よ~し、「ちょっと薬のもう!おしっこでやすくなる薬!」って事で定番のヤツ。
意識もうろうとしているクムジュンコに更にお湯やスープをかわるがわる。
そして、いろんな話をして、なんとか起きててもらい、食器をわざと拭かせたり…。
ふと3人の息子達の話をしはじめだすと、意識がハッキリしてきて、元気に!
「私トイレにいきたくなったわ」って、良かったぁー!やったー!息子たちに感謝!
もう、9時になってました。隣のテントでは、出たり入ったりする音が聞こえてたし、
なんとか夜を迎える準備が整ったかな~と判断。
でも、クムジュンコには、パルスオキシメーターをつけたまんまで、横になってもらう。
12時くらいまでは、心配なので声をかけてました。
自分が寝ちゃ困るので、寝袋に入らないで横になって。そーすりゃ寒さで起きるでしょ?
外は、静かで雪も風も無いんです。月明かりだけ。
作戦通りに、クムジュンコも夜中の2時頃に強制的にトイレに行ってました。
というわけで、C1の一晩があけました。翌日のSPO2も問題なし。
元気にC2荷上げのシャルパたちを送り出し、その後に朝食。かなり控えめの。
食後に、高所ブーツ、ハーネスをつけて、フィックスのレクチャー。
出だしの急斜面は、誰もフィックスを張っていないくせ、ぼこぼこ皆スリップして落ちてくる。
ついでだから、この斜面にフィックスを張って、練習しました。
テントを整理して、シェルパたちの水をコッヘルいっぱいに作ってあげて下山。
また、雪が降り出して、ABCまでは、寒いトレッキングになりました。
私は、石を拾いながら、歩いてきました。白い石にガーネットの2mm位の結晶が入ってるヤツ。
ブログ見てくれたひとに、プレゼントしちゃおうかな。
おやおや、調度、夕食の時間です。
隊員たちは、テントからうめき声のような「ふぁ~い、行きむぁ~す」(笑)
皆食べられると、いいなぁ。俺も早くバカ食いできるようになりたいなぁ。
あ、早く来いって言われてる!
では皆さん。また。
おやすみなさい。
PS:写真送れないかも。それと、ラッセル達が本日登頂しました。素晴らしい。
でも、明日ABCに戻って、そのまま撤収になりますので、もうPCはつなげないかもしれません。AAIも撤収に入ります。残念。
PHOTO:空中都市C1分譲中!一番手前、アライテントがAG!
気分はいかがですか。
体調がすぐれない方がいるかもしれませんが
当たり前です。そういう場所なんですから。
上部に行けばいろんなことがあります。
寒い、痛い、苦しい・・・。
心が萎えそうになった時、思い出して欲しいことが2つあります。
1つ目は「ムチャをしないで」ということ。
ムチャをするのはあまりにもリスキーですし
ムチャが通用する場所ではありません。
けれども・・・。
8000mというとこは、平地にいる人間をいきなりその高度まで連れて行くとすぐに気を失ってやがて死に至ると言われています。
デス・ゾーンと呼ばれるそんなところに行くのは人体にとって相当のムリがかかる訳です。
あなた方はそういう場所に自らの意思で突っ込んでいくわけです。
きつくて、苦しくて「もうこれ以上は自分にはムリかも・・」と感じた時思い出してください。
”そのムリをするために自分はこの地へ来たのだ”と。
2つ目です。
皆があなた方の登頂を願っています。
でもそれは「おまけ」の願いで一番の心からの願いは
あなた方の無事な帰国ということです。
人は生れてからいろんなことを期待され願われまたは押し付けられて人生を送っていくのですが
ただ生きていてくれるのがうれしい、元気でいてくれることだけが願いだと思われるのは赤ちゃんの時だけかもしれませんね。
あなた方は今その赤ちゃんに戻っているんです。
あなた方が登頂したとかしなかったとか標高何メートルまで行ったとかそんな結果はどうでもよくてただただ無事で帰ってきてくれることが望みだと思っている人が日本でたくさん待っているということを思い出してください。
最後に私の座右の銘から1つ選んで贈ります。
”In appreciation for whatever
it is that makes men accomplish
the impossible.” --A.Lansing
「人間に不可能なことを成し遂げさせる何ものかに感謝を捧げて」(星野道夫訳)
目標目指して楽しんできてくださーい(笑)
土産話楽しみにしてます!
隊員のみなさん、はじめまして!私は今、ヨガをちょっと始めたところなのですが、先生が毎回、体の声を聞きなさい、今自分がどう言う状態なのか、疲れているのか、体が堅いのか、あるがままの体の声を聞いて、今の自分の状態を愛しなさい。私は、結構、そう言うの好きなんです。・・・なんか、言いたい事が上手く言えないなあ!?<汗
けんけん隊長、早く食欲戻ると良いですね。今になって、カシスのアイス奪ってしまったの、ちょっと心苦しく思ってます。<笑
なんて言うていいのかわからんけど・・・、とにかく皆さんの無事が報告されるのを、何よりも心待ちにしています。頑張って下さい。
けんけん隊長 隊員の皆様
順調に前進なさっていますね!
登頂前にはご覧いただけないかもしれませんが、少しだけ書かせていただきます。
t-runnerさんと似てしまいますが、私はいつも、「無事是達人」だと思っています。
皆様どうか元気で行って来て下さい。
好天に恵まれますように!
クムジュンコさん
貴女は強い人です。前向きな人です。「絶対登頂するぞ」と強い意志を持ってください。一番応援している家族を思い出してください。何も知らない私だから言えるかもしれませんが最後は「気力」だと思うのです。
どういう結果であっても貴女はすごい人です。
うれしい知らせを待っています。