けんけんブログ -guide diary-

国際山岳ガイド近藤謙司の冒険案内記!
“ハイキングからチョモランマまで”

青空はつながってます。

2013-05-13 13:08:19 | エベレスト2013

けんけん@ゴラクシェプです。

みんなで休養とインターネット接続の1泊トリップに来ました。

たった200m下がっただけですが
空気の濃さを感じています。

しかし、「みんな」と書きましたが、
残念ながら。。。全員ではありません。。。

ここに、しのちゃんの姿は無いんです。

 

しのちゃん、
ほんとにほんとに頑張りましたが、

体調が正常に戻らず、
昨日の昼にヘリにてカトマンズに下山しました。

 最後にマイラの広島焼きを食べるしのちゃん。

モンジョへのヘリでの到着から、長いトレッキングをはじめ、
ナムチェ、デボチェ、ディンボチェ、、、と

長いトレッキングをみんなで一緒に歩いて、
パンボチェ僧院では、しっかりとプジャまでやってもらったのに!

ディンボチェでは高熱が出たけど、
胃腸の障害も出ず、それを乗り越えて
一日遅れて、ロブチェBCに追いついて。

そして、ロブチェイーストにみごとに登頂!
目指すエベレストの頂をしっかりと見てました。

予定通りに、みんなとエベレストベースキャンプへ到着して、
いよいよ本番にむけて体調を整えはじめて、

ロブチェまで、一度下山して体調リセットしてから、
C1順応&C2タッチもクリアして、
C2順応&C3タッチのクールにも挑戦したのに。

ベースにいても休養にならず、生存機能は低下していく。
くそ、なんで!マナスルの登頂者だぞ!

辛いけど、しのちゃんと話しをしなくちゃと
下山の方法について話し始めると、

「ほんと、ここまで、生かしてもらった命です。ありがとうございます。
 大事に持って帰ります。ほんとに、感謝しています。」

と、静かなしのちゃんが力強く言いました。

いやいや、まだまだ、

いろいろやってあげられた事があったように思います。
しのちゃん、ごめんなさい。力不足です。


BCのヘリポートまでプラチリに支えられてヨロヨロと歩くと、
すぐにヘリが来て、最後の記念写真なんか撮る暇も無くて、

腫れたまぶたで、細い目から、涙が筋になってこぼれて、
ヘリコプターの窓から、両手で手をちっちゃく振って、

あっという間に、しのちゃんは西の空に消えていきました。


でもね、

心にぽっかりと穴が開いたはずのAG隊ですが、
引き続き、笑顔と笑い声が絶えず、元気いっぱいですよ!

このゴラクシェプ滞在で、
いろんなものをリセットして、またBCに向かいますね。

みなさん、引き続きの応援をお願いします。
また、しのちゃんにもエールを。

ではでは。


PS:しのちゃんのその後の様子はまた報告します。