けんけんブログ -guide diary-

国際山岳ガイド近藤謙司の冒険案内記!
“ハイキングからチョモランマまで”

『壁』

2010-09-24 04:20:05 | マナスル2010
けんけん@雨と霧のマナスルABCです。
ネパール時間の12時にC1から全員無事に戻ってきました!

応援してくださっている皆さん、
メッセージを書き込んでくださった皆さん、、
そして、飯田橋留守番隊ありがとう。


3日間の好天予報は、マナスルマジックにかかり
残念ながら昨夜から大雪。

やはりここは、局地的で特別な天候が存在するんだろうか。

HIMAX隊やSWISS隊など他のチームも
好天予報を信じて行動していたため、
各チームが予定を変更して下山に移っています。

テントを雪でつぶされたり、
物資が雪で見つからなかったりした隊もあるし、

フィックスロープも一部雪に埋まったり、
雪崩に流されたりして、再ルート工作も!

視界もかなり悪く、クレバスやバンプなどの
危険アイテムの確認がすばやく判断できないので、

残念ながら今回も滑りチームは滑走を断念。
登頂日のクールに“ぶっつけ本番”となりました。

☆写真は、C2へのアイスフォール帯を行くけんけんチーム!☆

さて、昨日のC2への道のりは長く苦しいものでした。
午後早いうちまでの天候には恵まれたけど、

隊員たちは、アイスフォールのフィックスロープを辿り、
クレバスを飛び越え、雪壁を登り、

なんとか薄い空気を肺に入れようと、
口をパクパクさせて…

でも意識が朦朧としていて、
しっかりとアイゼンワークやアッセンダーの操作ができなくて…
つまづいたり、転んだり、膝まづいたり、四つん這いになったり。。

それでも、なんとか斜面の上のほうに目線を向けて、
スローモーションのように一歩を踏み出し、

やっとの思いでHIMAX隊のC2(6343m)に
たどり着きました。


でもここで、降雪も激しくなり、寒くなってきたし、
引き返すことにしましたが、AG隊のC2予定地は、

標高差で、なんと300mも上部!
まだまだ頑張らなくちゃならないんです。

だから…

なんとなく…

遠くって、しんどくって…

隊員全員が体力的にもメンタル的にも落ちていて、

元気がイマイチなんです~~~!

本番前のリハーサルで
うまくテンションが上がるはずだったんですが…。(涙)


そう…、

『壁』にぶち当たってます。


あと1~2日のうちに態勢を整えて、
次にくるチャンスを逃さないように再出発しないと!

皆さん、AG隊、緊急事態です!
特大の“元気玉”を投げてくださ~い!!!

☆①出だしのセラックを登るけんけん隊長②クレバスは特大!
③ラダーでクレバスを越える鍋ちゃん④雪壁を登るkumiちゃん、高ちゃん、サブちゃん!☆



飯田橋留守番隊の記事にも写真を追加しました~!