Catch Ball

修業の時計を止めない教師でありたいです。

芽生える追究の鬼 2

2010-11-05 00:57:12 | 社会
「工場では130~150人働いていると聞いてきた。それなのに,4つしかないのでは足りないのではないか」
「みんなでかわりばんこに使うから,4つでもいいんだ」
「工場の中で働いていた人は,僕が見たときは12人しかいなかった。だから4つでいいんだ」
「12人なんておかしい。奥の方で見えないところにもっといたはずだ」
「笹かま館全体で150人ぐらい働いているけれど,工場内で働いている人は少ないから4つで足りているんじゃないか」
「工場の仕事は機械で自動化されているから,少ない人数で済むのではないか」
「笹かま館全体では400人働いていると僕は聞いた。そのうち工場で働いている人が150人。4つでは絶対に足りない。ほかの人は販売の仕事などをしている」


 大激論は授業終了後も続いた。
 涙を浮かべながら訴える子がいたのには驚いた。

 コロコロクリーナーの写真ひとつで,子どもたちは困惑の状態に陥っている。
 なんとかその困惑の状態から抜け出そうとして,知らず知らずのうちに知的欲求を高めているのである。

 コロコロクリーナーの数などというのは,単元の端っこの小さな問題である。
 単元のねらいとは一見関係ないように思える。

 しかし,そこから衛生管理の工夫,働く人の服装,工場で働く人の数,製品の販売,生産の工程など,単元の本質的ねらいに話が及んでいる。

 今回の授業で子どもたちの内発的動機付けはできた。
 この好奇心を次に生かし,追究の鬼に育てていきたい。