goo blog サービス終了のお知らせ 

Catch Ball

修業の時計を止めない教師でありたいです。

ブレルボールの授業化まで 2

2011-01-12 00:26:47 | 体育
 ゲームの方法は,次のようにすることにした。

・3対3でゲームを行う。

・1人1回のプレーとし,3回で相手コートに返球する。

・基本のポジションは,前方に1人(セッター),後方に2人(レシーバー,アタッカー)となる。

・ボール操作をしやすいところへ移動したり,体の向きを変えたりすることを行いやすくするために,ボール操作は原則として両手での平手打ちとする。一瞬ボールをキャッチしてもよいこととする。

・相手からの返球や味方へのパスは,必ず自陣でワンバウンドさせる。

・アタッカーはボールをキャッチして,自陣にワンバウンドさせてから相手コートへシュートする。

・一定時間内に多く得点したチームの勝ちとする。

・コートはバドミントンコートを使用し,ネットの高さは50cm程度とする(カラーコーンに工事用の仕切り棒を掛けようかと考えている)。

・ボールはソフトドッジボールを使用する。

プレルボールの授業化まで 1

2011-01-11 00:23:43 | 体育
 新学習指導要領に例示されたネット型ゲーム「プレルボール」の授業を開始した。初めての実践である。

 プレルボールについては4~5年前に橋健夫氏が論文で取り上げているのを読み,関心を持っていた。
 杜の都セミナーで取り上げようと考え,教材研究をしたこともあった。
 しかし,特に次のような疑問が解決せず,授業化ができないでいた。

 ・どんなボールを使うのが適切か。
 ・げんこつでボールを打って操作するのは難しいのではないか。
 ・どんな戦術的な工夫があるのか。

 ボールについては,ゴム製のソフトバレーボールやドッジボールを使う実践が多く紹介されている。キャンディボールを使った実践も知っている。しかし,どれがいいのかは分からなかった。

 プレルボールでは,片手をげんこつにしてボールを打ちつける。これでボールを操作するのは難しいと感じていた。
 これを簡易化して,平手で両手打ちすればよいと橋氏は述べている。
 木村真知子氏の『子どものボールゲーム バルシューレ』(創文企画)に付属していたDVDでは,完全に両手でボールをキャッチして打ちつける方法が紹介されていた。しかし,これだとあまり面白くないのではないかとも思った。

 また,作戦面の工夫として,どんなものがあるのかもいま一つ見えなかった。

 しかし,昨年秋に発刊された文部科学省の『学校体育実技指導資料第8集 ゲーム及びボール運動』を読み,付属のDVDを見て,イメージがつかめてきた。

 DVDでは,平手で両手打ちし,「プレル・プレル・キャッチ・シュート」の合言葉を掛けながら取り組む児童の姿が収録されていた。
 今まで私が見たり調べたりしたのと違うのは,「キャッチ・シュート」の部分である。
 3人目のプレイヤーがボールをキャッチし,その場から相手コートにワンバウンドで投げ入れるのである。
 
 また,この本には作戦の工夫や動きの工夫についても分かりやすく解説されている。

 これならば,子どもたちにも受け入れられそうだと思った。授業のイメージが見えてきた。

シュートボール 3

2010-12-22 00:17:43 | 体育
1時間目

 子どもたちに3人組を作らせた。全部で8チームである。相手は私である。

「先生対みんなです。ボールを持った人は走れません。3人でボールをパスします。シュートを決めたらみんなの勝ちです。途中でボールを取られたら,先生の勝ちです」

 ボールを持って走ってしまう子が多数見られたが,その都度ルールの確認をしていった。

 次々と3人組の相手をしていき,さすがに私もヘトヘトになった。途中で補助の先生と交代してもらい,終盤再び私が子どもの相手をした。

 子どもたちはルールを概ね理解したと思われる。それにしても疲れた。


2時間目・3時間目
 
 体育の時間にいつも使っているグループ同士で対戦をした。

 攻撃3人対守備1人である。
 3対1という攻撃側が絶対的に有利な状況である。
 相手が1人しかいないのであるから,作戦に即した動きがほぼ保障される。
 
 1人がサークルの後ろ側に回ってパスをもらい,シュートを決める動きが多く見られた。
 パスをもらうために動いているのである。


4時間目・5時間目

 攻撃3人対守備2人とした。
 これでもまだ攻撃側は有利である。
 ただ,作戦をどのように立てるかがより重要になってくる。
 さらに相手がどう動いてくるかという,状況に応じた判断が必要になってくる。

 1人がサークルの後ろ側に動いていくというのは同じだが,そこに至るまでの動きが複雑になってきている。
 フェイントを入れる子や,バウンドパスを入れる子が登場したのである。ノールックパスをする子まで現れた。
 さっそく取り上げて紹介した。

 一方,やみくもにシュートをねらっている子も何名かはいる。

 守備側の動きにも変化が見られた。
 マンツーマンディフェンスが見られたのである。「○○君について」などとアドバイスをしているのが耳に入った。
 そうかと思うと,「○○ちゃん,後ろ側」とアドバイスをしている子もいた。ゾーンを決めてディフェンスしているのである。
 
 子どもたちのアドバイスの声掛けが素晴らしい点をほめた。
 「頑張れ」と応援しているチームもあったが,「頑張れ」ではどのように頑張ればいいのか分からない。
 作戦をしっかりと立て,それに従って教えているからこそ的確なアドバイスができるのである。

シュートボール 2

2010-12-21 00:15:45 | 体育
 ゲームの進め方とルールは,次の通りである。

・1チーム6~7人。
・攻撃チームはローテーションで3人ずつ試合に出る。
 守備チームにボールを取られたときや,ラインからボールが出たときは,次のメンバーと交代する。
・攻めるチームはスタートラインから始める。
・ボールを持っている人は移動することができない。パスだけで攻める。
・シュートしてコーンを倒したら得点になる。
・サークル内には入れない。
・制限時間になったら,攻守交替する。

 攻守入り乱れ型ではなく,攻守交替型とした。
 最初から攻守が入り乱れると,動きが分かりにくくなる子が出てくる。攻めの場合と守りの場合で,状況に応じて動きを切り替えることが難しいのである。

 また,ボールを持った子が移動できないことにしたのは,大きなルールである。
 先日の「フレッシュセミナーin秋田」での間嶋祐樹氏の低学年のバスケットボール型ゲームや,以前「全国セミナー」で参観した村田斎氏の跳び箱を的にしたシュートゲームでは,ボールを持った子が何歩でも走ってよいことにしていた。
 そのルールによって,ダイナミックな動きのゲームができたとは思う。

 しかし,ボールを持った子が制限なく走ったら,学習指導要領で強調されている「ボールを持たないときの動き」を習得させることは難しいのではないかと考えた。

 パスをもらったりシュートをしたりするために,ボールを持っていない子はどこに動けばいいのか。
 ボール保持者と自分との間に守備者がいない場所に移動するのである。
 その動きを考えさせ,身に付けさせなければならない。

 ボール保持者が制限なくどんどん走ったのでは,ボールを持っていない子はどこに動いたらいいのか,全く見通しが持てないのではないだろうか。

 また,守備側の動きの特性をつかませるのにも弊害がある。
 守備者はボール保持者とパスをもらおうとしている子の間に入る必要があるが,そういった動きを習得させることも難しくなってくる。

 偶発的な動きに期待して,ゲームを進めることになってしまう。

シュートボール 1

2010-12-20 00:10:50 | 体育
 体育でゴール型ゲーム「シュートボール」の授業を行っている。

 ボール運動の指導をするときに私が指標としているのは,私自身が楽しめるか,私自身が理解できるかということである。
 私はボール運動が極端に苦手であった(現在もそうであるが…)。
 そういう私でもできそうだという見通しが持てる内容であれば,子どもたちもできるはずである。
 自分自身がボール運動を苦手としているということが,私の教材づくりの武器なのである。

 ゴール型ゲームで,いきなり通常ルールに近い形のポートボールやハンドボールを行う先生もいる。
 しかし,私はそういう指導には反対である。

 それは私の体験からきている。
 通常ルールでゲームを行うと,私の場合,次のようになるのである。

(1)ボールをパスされる。
(2)状況が見えず,パニックになる。どこに味方がいるのか,どこに敵がいるのかなど見えなくなる。
   もたもたしている間に敵に囲まれることもある。
(3)とにかく一刻も早くボールを手放したい。
   それで,いい加減にボールを投げてパスしたり,強引にシュートしたりする。
(4)いい加減に投げているので敵にパスしてしまうなどという事態が起こる。
  「あっ。間違った」などと訳の分からぬ言い訳をしてごまかす。

 簡易化したルールから始めなければ,私のような子が必ず出てくる。
 今回のシュートゲームは,ハンドボールをもとにした易しいゲームといえる。
 場の設定は図の通りである。

横跳び越しの授業 4

2010-10-04 00:03:05 | 体育
6.跳び箱運動

・跳び箱の上に乗って,高くジャンプして下りる
・何回手を叩けるか
・半回転ジャンプで着地
・助走して正座で乗る

 これらの運動のあと,いよいよ横跳び越しの練習に入る。
 まず,踏み切り板を斜めにし,「踏み切り板の向きに並び直しなさい」と指示した。
 3台ずつ左向き,右向きに斜めにずらしたので,子どもたちは放射状に並ぶようになった。
 
 踏み切り板を斜めに置くような場面を見るのは,子どもたちは初めてである。
 何が始まるのだろうというワクワク感が感じられた。

 斜め助走からの横跳び越しを私が示範してから行わせた。
 H君がくるんと反転してしまうのが目に入った。予想されたつまずきである。

 ここで発問である。
「手はどのように着いたらよいでしょうか。」

 発問によって,子どもたちにゆさぶりを掛けていく。
 予想ではBの方が跳びやすいというのが圧倒的であったが,「両方試してみなさい」と指示して試させた。結果はやはりBである。

 また,「トトン」となってしまう子もいるので,「さっきの平均台と同じです。音をひとつにしなさい」と指示した。

 練習していく中で,よい動きをしている子を見つけるように努力した。
 そして,Rさんに示範させた。
 Rさんは,跳び箱の奥に着手し,跳び箱の上を体が通過するようにしていたのである。
 そして,私も示範した。私は手前に手を着いた。
 
「Rさんの動きと先生の動きで違うのはどこだろうか。」
 
 手の位置が違うということに子どもたちはすぐに気づいた。
 発問を入れることによって,知的な授業となる。

「ちょっと難しいという人は,一旦跳び箱の上に跳び上がって下りなさい」とステップを置かせた。

 左からが助走するのがやりやすい子と右からがやりやすい子がいるので,入れ替えて練習させた。
 その後,どちらか自分がしやすいほうで練習させた。

 結果として,全員が横跳び越しを行うことができた。

横跳び越しの授業 3

2010-10-03 23:59:38 | 体育
4.平均台運動

 折り返し運動の形で行った。
「橋から落ちると人食いワニに食べられてしまいます」とストーリー設定してから行った。

・前向き渡り
・横向き渡り
・左右に跳ぶ

 特に重視したのが,左右に跳ぶ動きである。
 本時のメインの横跳び越しにつながる動きだからである。
 これが基礎技能になる。

 動きのイメージを持たせるため,初めに私が示範した。
 子どもたちに行わせたが,両足を同時に着かない動きが多く見られた。「トン」ではなく「トトン」となっているのである。ここは見逃してはいけないところである。

 上手にできているKさんに示範させ,私が「トトン」となる下手な動きを示範した。
Kさんの動きと先生の動きどこが違いますか」と問い,動きの違いに気づかせた。
 その後,もう一度練習させた。
 
 動きは修正され,多くの子が「トン」と着けるようになったが,声を出させると更によかったと思う。
 着地の動きに合わせて「トン」「トン」と自分で声を出す。
 また,グループの子も合わせて声を出す。
 このようにすれば,両足同時着地への意識が更に上向いたのに加え,仲間との関わりも生じたと思う。


5.跳び箱の準備
 
 4段横向きに設置した。
 あらかじめ使用する跳び箱,マット,踏み切り板だけを手前に引き出しておいた。
 そうしておかないと,混乱が生じるからである。
 設置場所もマーカーコーンを置いて示した。
 目で見て分かるようにしておくことが大切である。
 スムーズに準備できた。

横跳び越しの授業 2

2010-10-02 23:56:04 | 体育
1.準備運動

 普段行っている流れで行った。

(1)太鼓に合わせたフリーラン
(2)手を支点にした腕立て回り
(3)後ろ向き走り
(4)足を支点にした腕立て回り
(5)スキップ
(6)ブリッジ
(7)アザラシ
(8)かえる倒立
(9)クマさん歩き
(10)足打ち跳び
(11)うさぎ跳び
(12)かえるのダンス(腕立て川跳び)
(13)ケンケンパー,ケンケングー
(14)壁登り倒立

 逆さ感覚,腕支持感覚を鍛える動きを中心に取り組ませた。
 休む暇なく,間髪入れずに行っていくので,相当な運動量である。

 馬跳び,手押し車など,仲間との関わりのある動きも行いたかったが,時間の都合でカットした。


2.折り返しの運動

 4~5人×6列に並ばせた。普段の教室の席順と同じである。
 先頭の子にカラーコーンを持ってこさせ,置かせた。
 10mほどの距離で,往路は各種の運動をし,復路は走っていって次の子にタッチする。
 取り上げた運動は,次のものである。

・ケンケン走
・カンガルー走(両足を揃えてジャンプ)
・うさぎ跳び
・かえる跳び
・クマさん歩き
・クモ歩き(仰向け4つ足歩き)

 腕支持感覚や体の投げ出し感覚などの基礎感覚の習得を目的としている。
 準備運動で行ったのと同じ動きも入れた。
 折り返しの運動のよいところは,1人1人の動きをしっかりと見られることである。
 準備運動では全員一斉に行っているために,なかなか目が行き届かないが,この形にすればしっかりと1人1人の動きを把握して指導ができる。

 また,友達との関わりも自然と生じる。
 グループの子に声援を送ったり,遅くなってしまった最後の子に全員で拍手をしたりする姿を,保護者に見せることができた。


3.平均台の準備

 平均台を出すのは初めての経験であるが,グループで協力してすばやくできた。

横跳び越しの授業 1

2010-10-01 23:53:38 | 体育
 10月1日,3年生の跳び箱運動で横跳び越しの授業を行った。この時間は授業参観であった。

 跳び箱運動の2時間目である。
 1時間目は開脚跳びを行った。跳べない子が6名いたが,向山式指導法で1名を除いて跳べるようになった。時間は5分ほどである。
 1名は自分の体重を支える感覚がいまひとつ身についておらず,また相当な苦手意識があって,私の指導技量ではすぐに跳べるようにはならなかった。

 授業参観では,1人残らず全員を成功に導かなければならない。
 
 授業参観で横跳び越しを行ったのは,この子への配慮もあった。
 普段の準備運動の中で,腕立て川跳びを行っており,それはこの子もできていた。
 腕立て川跳びができていれば,横跳び越しの基礎感覚・基礎技能は身についているはずだからである。

 子どもたちが横跳び越しという技を経験するのは初めてであるが,全員を成功させる自信はあった。

 授業参観の1時間の流れは次の通りである。

1.準備運動(基礎感覚づくり)
2.折り返しの運動(うさぎ跳びなど)
3.平均台の準備
4.平均台運動(左右に跳ぶ動きなど)
5.跳び箱の準備
6.跳び箱運動(横跳び越し)
7.後片付け

バトンパスの常識を疑う 3

2010-09-10 22:44:40 | 体育
 従来,バトンを受けるときは手の平を返すようにするように指導されてきた。

 アンダーハンドパスならまだしも,オーバーハンドパスで肩あたりの高さまで腕を上げるとなると相当苦しい。

 このように手の平を返すような動きは日常の中にはない。
 したがって,指導しなければどうなるかというと,手の平を返さずに上に向けるか,リングバトンを受けるときと同様に親指が上になるようにして横向きにして構えることになる。

 バトンを渡された後のことを考えてみる。
 通常,バトンパスされた後は,すぐに反対の手に持ち替えることになる。
 
 手の平を返す従来のバトンパスの方法だと,反対の手に持ち替えたときにバトンの上の方を持つことになるのではないだろうか。
 バトンの上を持っていたのでは,次走者にスムーズにバトンを渡すことはできない。
 次走者がバトンをつかむ場所がないからである。
 
 リングバトンを受け取るように親指を上にして横に構える方法だとどうなるか。
 受け取るときにバトンの上の方をつかむため,持ち替えたときにはバトンの下を持って走ることになる。
 これだと,次走者にスムーズにバトンを渡すことができる。