稽古なる人生

人生は稽古、そのひとり言的な空間

相面について思うこと(長正館矢田中学校、4月25日)

2018年04月26日 | 剣道・剣術
矢田中学校体育館。
19時前に来たが井上館長と弟子と私の3人だけ。
何やら近鉄南大阪線が動いていないのだとか。
JR奈良線も人身事故で遅延してるだとか。
列車テロでなくて良かった。

取りあえず弟子と剣道形稽古。大太刀5本まで。

3本目の入れ突きになやす部分。
4本目の打太刀の構え。仕太刀との呼吸の合わせ方。
脇構え、八相から、いったん、左上段になっての正面打ち。
5本目の仕太刀の残心の取り方。

以上が特に指導したところ。

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稽古は最終6人。
人数が少ない分、中身の濃い稽古になる。
けっこうハードな稽古だった。

昨夜は弟子との相面勝負を少しやってみた。

弟子との相面についての考察。

F六段が弟子に「粕井さんとの相面で負けても気にしてはいけない」、
「粕井さんは横から打ってくるけど、Sさんは真っ直ぐ打ってるから負けても良い」
との指導をしていた。

うん、ある意味正しい。
まずは真っ直ぐな正しい正面打ちが打てること。
しっかり打ち込んで真っ直ぐ速く打てる稽古が大事である。
勝つとか負けるとか考えずにひたすら真っ直ぐ打ち込む稽古だ。

しかしだ。
私が横から打つ(正しくは相手の頭頂部の1寸左右を打つ)のは、
そのほうがきちんと面に当たるからそうするだけなのだ。それだけ。
真っ直ぐ打とうが横から打とうが速く打てるほうが勝つ。

そして、同じ打つなら真っ直ぐ打ったほうが絶対に速い。
横から打つほうが速いという理由は無い。
基本的には横から打ってはならない。

「粕井さんは負けないようにと横から打っている」と言ったけど、
ここはF六段が間違えているところ。
同じ条件なら横から打つと負ける。

昨夜の横からの面というものは、
特に切り落として打っていたわけでは無いし、
右手で相手の竹刀を打ち殺して打ってるわけでは無い。

お互いに真っ直ぐ打つと竹刀と竹刀がぶつかり合ったり、
時に鍔や拳がぶつかり合って怪我するのがイヤなだけである。

相面で大事な事は「相手より先に打つ準備が完了しているか否か」である。

特に振り返ってすぐまた面を打つような相面勝負の稽古の場合、
スピードでは無く、先に振り返って、相手を良く見て、
打つ体勢が相手より先に出来ていたほうが面で打ち勝つのである。
間境を越える部分で打つ準備が完了しているかどうか・・である。

昨夜の弟子への指導で言いたかったのはこの部分。
安易に間境(虜点)を越えてはならないという部分である。
あとは右手の冴えの部分。これが出来れば確実に強くなる。

弟子は中学生なので体移動のスピードは速い。
速いのでどうしても遠間から飛び込んでくる。
しかし速いだけでは「飛んで火に入る何とやら」になってしまう。
中学生同士なら早い方が強い。女子は分が悪いのは仕方が無い。

相手がガンガン飛んでくるタイプなら、
迎え打つような技も身に付ける必要がある。
これは今後の課題。

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私が打つ時は真っ直ぐ打てる時は真っ直ぐ打ち込む。
相手の左面を狙ったほうが良い場合は右足僅かに右方向に出して左面、
相手の右面を狙ったほうが良い場合は右足僅かに左方向に出して右面を打つ。
切り落とす場合は相手より少し遅らせて打ち込む。

これらは瞬時に判断して出す技である。
最初から決め打ちするわけではない。

人に稽古をつけている場合も自分の稽古はするものだ。
弟子との稽古でも、必ず自分の課題を稽古している・・というわけだ。


(基本稽古、井上館長はK芦五段の足を気にしておられる)


(基本稽古、必要以上に右足を前に投げ出すようなクセが抜けない)


(基本稽古、K部五段は力を抜いた打ちが少しずる出来るようになった)


(K芦五段とF六段の地稽古)


(井上館長)


(K部五段は昨年五段を頂いてから構えが良くなった)


(K芦五段とK部五段、お互い打ち負けないようにと右手に力が入り過ぎる)


(K部五段は、相手の打ちを避けようというクセを無くせば良くなる)


(弟子とF六段の相面稽古)


(F六段の指導、「負けてもいいから真っ直ぐ打つことが大事!」)
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