![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/42/9e1d945e833ba39a55aad256557c6491.jpg)
…それはまるで甲羅をへた怪物のような
鋼鉄のキャメラだった
「ミッチェルNCサウンドというてな、
トーキーの時代を開いたキャメラや。
毎秒二十四コマの定速同時録音がでける、
今なら当たり前のことやけど、
それが輸入された昭和の初めには、
絵と音がいっぺんにとれるいうのんは、
魔法のようやった」
まるで国宝級の仏像の手入れでもするように、
辻老人は柔らかな絵筆と布とで
キャメラの埃を拭いながら説明を続けた…
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/11/40315a9d806c8f841412b573896a16be.jpg)
…毎秒二十四コマの定速撮影のほかに
、
モーターの交換によって毎秒四コマから
三十二コマ変速回転ができるという、
しかもフィルム面のあるアパーチュアと
ルーペが後部のハンドルによって正確にシフトし、
撮影画面とピントが
ひとめで確認できるという、
当時としては画期的な機能を備えていたそうだ…
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/42/1e117aafbb23f4bbb80187a9fa3858e4.jpg)
と小説「活動寫真の女」では
撮影所のキャメラの説明を
詳しく述べられています
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/cb/7d9b502d08d5bdbf0997bd45948e619c.jpg)
当時の撮影所にはNCミッチェルのほかに
サイレント・ミッチェル、
ミッチェル・スタンダード
などありました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/db/8465d2e7b246d141f28fcf842051dc65.jpg)
日本製のキャメラとしては
土井ミッチェルとか精機ミッチェルと呼ばれた
撮影機が作られていましたが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/fc/295f9dbb9c54963e34c4b1c16cea18be.jpg)