小説「活動寫真」を読み進むうちに
清家と二人で喫茶店に入る描写があります
ウェイトレスがそれを運んできたとき
僕はてっきりオーダーを聞き違えたのだろうと
思って文句を言った
東京では初めからミルクと砂糖の入れられてくる
コーヒーをコーヒーとは言わずカフェ・オ・レ
、
もしくはミルク・コーヒーと呼ぶ
これは京都市内、珈琲店の老舗
「イノダ」がモデルになっている
のでしょう。
映画「夜の河」吉村公三郎監督
(公開1956年=56年前)で
京都堀川の京染め屋の山本富士子と
大学教授、上原謙が
喫茶店で珈琲を飲むシーンがありました
白を基調にした洒落た店内は「イノダ」でした
この映画でさらに「イノダ」が有名に
なりました
この「イノダ」は現在,本店のほか
近くに三条店があって
百貨店にも支店がふたつあります
… … …
「イノダ」で客がホット・コーヒーを
注文すると
「当店ではミルクと砂糖が入っていますが
よろしいですか」
とウェイトレスは客に聞きます
古くから「イノダ」のなじみ客は
何とも思わないのでしょうが
京都にやって来る
観光客は、ビックリするのでしょう