
ワイドショーで不思議に思うことがあります。
… … …
ある事件の取材です.
広い街並みの画面にワイヤレスマイクを持った
キャスターがフレームインしてきます.

「ここが事件の現場です…」
地面を指差します…
「近くに事件の被害者宅があります」
とキャスターは画面に告げて歩き出します.
カメラは後からキャスターについていきます.

カメラマンは歩きながらキャスターを撮像します。
ズームレンズをワイド側にしていますから、
カメラブレは見苦しくない程度に少ないです.
… … …
やがて,カメラとキャスターは固く閉ざされた門戸に到着します.
門戸脇のインターフォンにカメラは近寄ります.

キャスターはマイクを近づけて
「▼▼テレビの○○です…
××さんにお目にかかりたいのですが…」
インターフォンから
「××は気分が悪いので、どなたにも
お会いしたくないと言っています…」
と聞こえます.
インタビューできなくて,取材は見事に失敗するのですが
ここまでの段取りを見せられた私は妙に納得してしまいます…

ある地下鉄で、スリが多発したことがありました.
ドキュメンタリーとして,日数をかけて取材していました.
ある駅で,スリ仲間が乗車・下車しているとの情報です.
犯人が出入りする駅が特定されてきました.
その駅のプラットフォームの壁際にベニヤ板製の大きな箱を置きました。
カメラマンが箱の中に入るのです.
ベニヤ板にレンズの窓を開けて,電車が撮れるようにしています.
手前の電車と反対側を走る電車も撮れる位置でした。
