今日のうた

思いつくままに書いています

知らなかった、ぼくらの戦争

2017-09-11 05:54:14 | ③好きな歌と句と詩とことばと
アーサー・ビナード著『知らなかった、ぼくらの戦争』の中に、気になる言葉があります。
戦時中は「皇民化」のための純粋培養、
今は「お受験」のための純粋培養、

余計なことは知らなくていい、余計なことは考えなくていい。
目の前の目標を達成することだけに全力を尽くせ……それが一番正しい生き方だ、と。
一部を引用させて頂きます。

(1)沖縄の学校で、自分がかつて受けた教育を振り返り、大田昌秀さん(元沖縄県知事)は、
   「生徒を試験管に入れて純粋培養」とたとえて語った。
   思想の自由とは相容(あいい)れない「皇民化」が、その教育の最大の狙いであり、
   純度の高いカリキュラムを組み立てた政治は、
   社会の多様性を忌(い)み嫌っていた。
 

   なぜなら、古今東西の哲学者や政治家や宗教家や篤農家(とくのうか)や文学者の幅広い
   知恵に人々がアクセスできてしまうと、
   学校を通じた愚民政策はうまくいかないからだ。
   「お国のために命をささげることが人間としていちばん正しい生き方だ」と、
   しっかり教え込むためには、まず人間と動植物と地球と宇宙の過去と
   現在の大部分をシャットアウトする必要がある。
   「試験管に入れて純粋培養」とは言い得て妙だ。

(2)ビナードは、
   そして現在の日本の学校に目を向ければ「お受験のため」という一種の純粋培養が
   行われているようにも感じられる。
   「お国のため」というより「お受験のため」が名目だが、
   深く考えて本質を探る教育にはほど遠い。    (引用ここまで)


生徒は国が選定した教科書に疑問を抱くことなく、暗記モノ中心の受験勉強をすればいい。
学生は奨学金返済のためにバイトに明け暮れていればいい。
社会人はその日その日のノルマに追われ、立ち止まって考えたり、
自分の生活や社会に対して疑問に思う時間など、ない方がいい。
間違っても小説や詩、評論、随筆、絵画、音楽に興味を持ったり、
社会や歴史、経済、政治などに疑問を抱き、勉強しようなど思わない方がいい。
生徒や学生は与えられた勉強に努め、社会人は与えられた仕事にひたすら打ち込む。
「和」を重んじる私たちにとって自己主張したり、人と違う意見を言うことは、
日本人として恥ずべき行為だ。
独裁者の考える国民像は、こんなところだろうか。

①「佐川長官『辞めろ運動』が拡大 第2次署名3日間で1000超 9月16日 日刊ゲンダイ」

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/213738

彼こそが、安倍氏の求める理想像?

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だいぶ前になるが、新聞に早見優さんのインタビューが載っていた。
細部は忘れてしまったが、こんな内容だった。
早見さんがハワイの小学校に通っていた時に、クラスでディベートの時間があった。
あるテーマについて話し合ったのだが、37名の中で早見さんの意見だけが違っていた。
すると先生は、「一人の違った意見こそ大切にすべきです。みんなで聴きましょう。
優、どうしてそう思ったのかを、みんなに説明して」
記憶があいまいで間違っていたら申し訳ないが、その時に早見さんは
「みんなと違っていてもいいんだということ」、「きちんと自分の意見を述べること」、
そして「たったひとりの意見に、みんなで耳を傾けることが大切だということ」、
などを学んだと書いてあったように思う。

KYなどクソ食らえ!
自分で調べて、自分で考えて、自分の意見を言う。
そして意見が違っていても、他者の言葉に耳を傾ける。
大人も子供もこうしたことから始めないと、日本はまた同じ道を歩むことになるのでは?























(画像はお借りしました)


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