南スーダンでの報道を観るたびに、分らないことが増えてゆく。
この国は、2011年にスーダンから分離独立した。
その後、ディンカ民族出身のキール大統領と、ヌエル民族出身のマシャル副大統領
(当時)が石油利権をめぐって対立し、2013年に内戦状態に陥った。
2015年8月、停戦合意が成立する。
2016年7月8日、銃撃戦が始まり、大規模な武力衝突に発展する。
2016年7月10日、PKO中国軍の装甲車に砲弾が命中し、中国兵2人が死亡。
それ以降も、両民族が対立する状況が続き、市民を含む二百数十人が死亡。
(7月11日以降のことは、次回にします)
つまり、石油利権や民族問題が複雑にからみ合っているのだ。
次に、安倍政権が南スーダンへの自衛隊派遣の根拠とするPKO参加5原則を、
外務省のHPで調べてみた。
わが国が国際平和協力法に基づき国連平和維持活動に参加する際の基本方針のことで、
1)紛争当事者の間で停戦合意が成立していること
2)当該平和維持隊が活動する地域の属する国を含む紛争当事者が当該平和維持隊の
活動及び当該平和維持隊へのわが国の参加に同意していること。
3)当該平和維持隊が特定の紛争当事者に偏ることなく、中立的立場を厳守すること。
4)上記の基本方針のいずれかが満たされない状況が生じた場合には、我が国から
参加した部隊は、撤収することが出来ること。
5)武器の使用は、要員の生命等の防護のために必要な最小限のものに限られること。
の5つを指し、それぞれ国際平和協力法の中に反映されています。(引用ここまで)
次の記事から、1)は完全に崩壊している。 (再度、載せます)
(144)「南スーダン『和平合意は崩壊』 反政府勢力トップが見解
10月21日 朝日新聞デジタル」
http://www.asahi.com/articles/ASJBP1Q9CJBPUHBI001.html
また次の記事から、2)の根拠はあやうい。
(165)「南スーダン PKOを敵視 国連報告書 9月29日 毎日新聞」
http://mainichi.jp/articles/20160929/ddm/007/030/168000c
また次の記事からも、4)は不可能のようだ。
(166)「【南スーダン】自衛隊はPKOの任務激化に対応を――
伊勢崎賢治・東京外国語大学教授に聞く 9月8日 Newsweek」
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/09/pko-1_1.php
記事の一部を引用させて頂きます。
99年には『国連事務総長官報』という形で、PKO部隊は戦時国際法・国際人道法を
順守せよとの命令書が出されています。これは、PKO部隊は任務遂行のため
同法に従って『紛争の当事者』つまり戦時国際法上の『交戦主体』になるという
ことであり、
住民を保護するため交戦も辞さない ということです。
この時点で、 停戦が破綻したら撤退するという日本のPKO参加5原則は
全く意味が無いだけでなく、『交戦』を禁止する憲法9条とも、もはや『解釈』が
成り立たないほど抵触している のです。
そのことを日本政府もメディアも見事に見過ごしてきました。
『職務怠慢』以外の何物でもありません」
また次の記事から、3)の根拠もあやうい。
(167)「特集ワイド 続報真相 南スーダンへの自衛隊派遣 空論でなく現実見よ
9月2日 毎日新聞」
http://mainichi.jp/articles/20160902/dde/012/010/022000c
伊勢崎さんの言葉の一部を引用させて頂きます。
「『かつてのPKOは中立を守るため、停戦合意が破られればすぐ撤退しましたが、
今は違う』と解説する。転機は94年にルワンダで住民虐殺が起きた際、
PKO部隊が現地にいながら阻止できなかったことに対する国際社会の
批判だったという。
これ以降、PKOの最優先任務は『住民保護』になり、場合によっては 中立性を捨て 、
住民を守るための武力行使をするようになったんです。
10年のコンゴ民主共和国(旧ザイール)PKOでは住民を攻撃する武装勢力に対し、
先制攻撃する特殊部隊すら承認された。
今のPKOは撤退しないし、交戦主体となることをためらいません。
日本だけ時計が止まったまま なんです。
憲法上、交戦権のない自衛隊を長年、その現場に送り続けたことに無理がある。
国会とメディアの怠慢ですよ」 (引用ここまで)
少なくとも1)、2)、3)、4)が崩壊してしまっている以上、
南スーダンに自衛隊を派遣する根拠はどこにあるのだろう?
日本政府の意識は、20年前のままなのだろうか。
先進国がすでに撤退している中で、なぜ日本が自衛隊を派遣するのか、
ますます分らなくなった。
伊勢崎さんはテレビ番組に出演されていたが、短い時間で理解するのが難しいです。
テレビ局はもっと時間を割いて、この問題を取り上げてください。
オリンピック問題や豊洲問題が、こうした重要な報道を隠蔽するために
使われているのでは……、とますます疑うようになってきた。
(画像はお借りしました)
この国は、2011年にスーダンから分離独立した。
その後、ディンカ民族出身のキール大統領と、ヌエル民族出身のマシャル副大統領
(当時)が石油利権をめぐって対立し、2013年に内戦状態に陥った。
2015年8月、停戦合意が成立する。
2016年7月8日、銃撃戦が始まり、大規模な武力衝突に発展する。
2016年7月10日、PKO中国軍の装甲車に砲弾が命中し、中国兵2人が死亡。
それ以降も、両民族が対立する状況が続き、市民を含む二百数十人が死亡。
(7月11日以降のことは、次回にします)
つまり、石油利権や民族問題が複雑にからみ合っているのだ。
次に、安倍政権が南スーダンへの自衛隊派遣の根拠とするPKO参加5原則を、
外務省のHPで調べてみた。
わが国が国際平和協力法に基づき国連平和維持活動に参加する際の基本方針のことで、
1)紛争当事者の間で停戦合意が成立していること
2)当該平和維持隊が活動する地域の属する国を含む紛争当事者が当該平和維持隊の
活動及び当該平和維持隊へのわが国の参加に同意していること。
3)当該平和維持隊が特定の紛争当事者に偏ることなく、中立的立場を厳守すること。
4)上記の基本方針のいずれかが満たされない状況が生じた場合には、我が国から
参加した部隊は、撤収することが出来ること。
5)武器の使用は、要員の生命等の防護のために必要な最小限のものに限られること。
の5つを指し、それぞれ国際平和協力法の中に反映されています。(引用ここまで)
次の記事から、1)は完全に崩壊している。 (再度、載せます)
(144)「南スーダン『和平合意は崩壊』 反政府勢力トップが見解
10月21日 朝日新聞デジタル」
http://www.asahi.com/articles/ASJBP1Q9CJBPUHBI001.html
また次の記事から、2)の根拠はあやうい。
(165)「南スーダン PKOを敵視 国連報告書 9月29日 毎日新聞」
http://mainichi.jp/articles/20160929/ddm/007/030/168000c
また次の記事からも、4)は不可能のようだ。
(166)「【南スーダン】自衛隊はPKOの任務激化に対応を――
伊勢崎賢治・東京外国語大学教授に聞く 9月8日 Newsweek」
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/09/pko-1_1.php
記事の一部を引用させて頂きます。
99年には『国連事務総長官報』という形で、PKO部隊は戦時国際法・国際人道法を
順守せよとの命令書が出されています。これは、PKO部隊は任務遂行のため
同法に従って『紛争の当事者』つまり戦時国際法上の『交戦主体』になるという
ことであり、
住民を保護するため交戦も辞さない ということです。
この時点で、 停戦が破綻したら撤退するという日本のPKO参加5原則は
全く意味が無いだけでなく、『交戦』を禁止する憲法9条とも、もはや『解釈』が
成り立たないほど抵触している のです。
そのことを日本政府もメディアも見事に見過ごしてきました。
『職務怠慢』以外の何物でもありません」
また次の記事から、3)の根拠もあやうい。
(167)「特集ワイド 続報真相 南スーダンへの自衛隊派遣 空論でなく現実見よ
9月2日 毎日新聞」
http://mainichi.jp/articles/20160902/dde/012/010/022000c
伊勢崎さんの言葉の一部を引用させて頂きます。
「『かつてのPKOは中立を守るため、停戦合意が破られればすぐ撤退しましたが、
今は違う』と解説する。転機は94年にルワンダで住民虐殺が起きた際、
PKO部隊が現地にいながら阻止できなかったことに対する国際社会の
批判だったという。
これ以降、PKOの最優先任務は『住民保護』になり、場合によっては 中立性を捨て 、
住民を守るための武力行使をするようになったんです。
10年のコンゴ民主共和国(旧ザイール)PKOでは住民を攻撃する武装勢力に対し、
先制攻撃する特殊部隊すら承認された。
今のPKOは撤退しないし、交戦主体となることをためらいません。
日本だけ時計が止まったまま なんです。
憲法上、交戦権のない自衛隊を長年、その現場に送り続けたことに無理がある。
国会とメディアの怠慢ですよ」 (引用ここまで)
少なくとも1)、2)、3)、4)が崩壊してしまっている以上、
南スーダンに自衛隊を派遣する根拠はどこにあるのだろう?
日本政府の意識は、20年前のままなのだろうか。
先進国がすでに撤退している中で、なぜ日本が自衛隊を派遣するのか、
ますます分らなくなった。
伊勢崎さんはテレビ番組に出演されていたが、短い時間で理解するのが難しいです。
テレビ局はもっと時間を割いて、この問題を取り上げてください。
オリンピック問題や豊洲問題が、こうした重要な報道を隠蔽するために
使われているのでは……、とますます疑うようになってきた。
(画像はお借りしました)