今日のうた

思いつくままに書いています

恵まれた世帯は ますます恩恵を受け・・・

2016-04-08 15:04:57 | ②一市民運動
最近、政治はどのような世帯に目を向けているのか、と腹立たしくなることがある。
恵まれた世帯はますます恩恵を受け、そうでない世帯が置きざりにされてはいないか?

4月8日の朝日新聞千葉版に、松戸市の記事が載っていたので引用させて頂きます。
 
 松戸市は市内在住の親元と同居または近居する目的で住まいを取得する子育て世帯に、
 引っ越し費用として最大100万円を補助する制度を5月から始める。
 三世代が近接して住むことにより、子育てサポートの充実と共助関係の構築を
 図ることが目的。
 市は「効果が出れば女性の就労意欲が高まり、税収増や世帯の収入増による
 経済効果が期待できる」としている。 (引用ここまで)

これは松戸市に限ったことではないが、このことには二つの前提条件が必要なのだ。
一つは、子育て世帯に家を取得できる経済的な基盤があること。
二つ目は、親世帯に子育てをサポートする体力と時間と意志があること。
家を買う余裕がなく生活のために働かざるを得ない子育て世帯、
そして、子育てをサポートしたくても健康上できない、あるいは自ら働かざるを得ない
親世帯の方が多いのではないだろうか。
それに、このことはプライベートな問題だ。
政治が「子育てサポート」という一つのベクトルを、国民に押しつけるのは
筋違いというものだ。
別に押しつけているわけではありません。勧めているだけです、と言うのであれば、
そうできない人たちのことを、考えたことがおありだろうか?

サポートしてもらえなくても安心して働ける環境を用意する。
そのために政治があるのではないのか?
保育士の待遇を改善し、保育所を増やすことの方が先決なのではないのか?

保育も介護も家庭で――というのが、現政権の基本的な考えなのだろう。
働く女性が増え、核家族化が進んだ現在にあって、この考えは時代に逆行していると思います。
そしてこのことは、政策の放棄であると考えます。

昨日(4月8日)、テレビのチャンネルを替えていたら、元ウルグアイ大統領のホセ・ムヒカ氏を
特集している番組があった。
ご自分の体験、ご自分の思想から発せられる言葉は、
こんなにも清々しく、力強いものなのかと感動しました。
そして昨日からの私のモヤモヤが、一気に解消されました。
その一部を引用させて頂きます。
録画していなかったので、細部に誤りがありましたらお許しください。

(1)テレビからいきなり次の言葉が流れてきました。
   「高齢者が孤独を感じることのないよう、政府は施設を作らなければならない。
    高齢者を置き去りにしてはならない。
    だから政治が必要なのです。

    現状に不満があるなら行動を起こしてください。
    考えなければならないのは、子や孫がどんな世界に生きることになるか、なのです」

私は「そうそう!」とテレビに向かって叫んでいました。
保育も介護も家庭で――ではないのです。
それができない人のために、政治がサポートすべきなのです。
そして、今以上に悪くなるような日本を、子や孫の世代に遺すべきではないのです!

(2)「政治の病気というのは、お金に執着すること。
    問題はお金の好きな人が政治家になろうとすることで、非常に危険です。
    政治家は人から慕われることが名誉です。
    『誰に投票しても同じだ』と投票しないことは、試合を捨ててしまうことです。
    絶望感こそが汚職を可能にしてしまう」

一人一人の政治家に聞きたいです。
「あなたはどんな志を持って政治家を目指したのですか」と。
「お金が儲かるから」とか、「国民を支配できるから」とか、「威張れるから」とか、
「たまたま地盤があったから」とか、「他に思いつかなかったから」とか、
「家族からの要望があったから」とか、「支援者に頼まれて」とかは無いですよね?

(3)「失望しないで!若者は世の中を新しくする希望そのものです。
    若者は肉体が若くとも、魂が老いていることは危険です。
    文明によって、若者は多くのものを求めるようになった。
    それにより、若者は窒息してしまう」

(4)「多くの富を得ると、失うことが恐怖になる。
    物欲を基本的なものと、そうでないものに分ける必要があります。
    中庸――ほどほどにならないと、幸せにはなれない。
    クレバーな節度をもって生きる。
    朝を迎えられることに感謝する。
    生きるということは 間違えること。
    生きるということは 学ぶこと。
    そして、ミスによって葬られないこと」 (引用ここまで)

お金、お金、お金最優先の今の日本にあって、とても心に響く言葉でした。
そして政治とは何なのか?
為政者は何を目指すべきなのか?ということを考えさせられました。
政治は、利益を追及するためだけにあるわけではありません。
国民一人一人が安心して暮らせるよう、為政者は目指すべきだと思います。
総理大臣が、そして知事が、まるで営業マンのように利益を最優先する姿を見ると、
ちょっと違うだろう、と感じてしまいます。

嘘、言い訳、ごまかしが当たり前のような日本の政治家を毎日、見せつけられて
生活していると、ホセ・ムヒカ氏の言葉は一陣の風のように爽やかでした。

(904)「『政治の放棄は少数者の支配を許すことにつながる』 
      ムヒカ・ウルグアイ前大統領 講演 4月9日 東京新聞 TOKYO WEB」

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016040990070429.html

◎東京外語大でのムヒカ氏の講演の概略が、東京新聞に載っていました。
 細切れの内容の私の投稿より、こちらを是非、お読みになるようお奨めします。
 こういう講演をセッティングする大学、そして記事にする新聞は素晴らしいと思いました。
 ムヒカ氏は「政治の放棄」という言葉を、国民の政治への無関心という意味で使っています。
 私は「政策の放棄」を、為政者がすべきことをしないという意味で使っています。
 紛らわしいので書きました。

(905)「『軍事費の無駄を貧困や環境に』 『世界一貧しい』前大統領・ムヒカ氏
      4月7日 東京新聞 TOKYO WEB」

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201604/CK2016040702000146.html

(906)「世界一貧乏な大統領の、突き刺さるスピーチ『今、人間が見直すべきこと』
      2014年2月26日 Whats」

http://whats.be/2180


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