担当授業のこととか,なんかそういった話題。

主に自分の身の回りのことと担当講義に関する話題。時々,寒いギャグ。

LC回路で光を発生させられるか。

2013-05-22 22:43:04 | 工作・実習
AM ラジオ,短波ラジオときたら,今度は FM ラジオに挑戦したいところである。

そのように受信周波数を高める「タテの広がり」ではなく,AM ラジオにとどまっても,高周波増幅,低周波増幅,レフレックス,再生,超再生,スーパーヘテロダインなどのさまざまな回路方式があるので,そういった「ヨコの広がり」もある。

さらには,受信機だけではなく送信機を作るという「逆向きの広がり」もある。

いずれにしろ,ラジオ回路は高周波回路に属するので,高周波回路一般に興味を広げるという方向性もある。最近の僕の興味は高周波回路に向かいつつある。

電波を受信して特定の周波数だけを選び出すには同調回路が必要である。特定の周波数の電波を送信するには発振回路が必要である。同調回路にせよ,発振回路にせよ,コンデンサとコイルを組み合わせた回路が基本である。

そこでふと思ったのだが,LC 発振回路でどのくらいの振動数の電磁波まで発生させられるものなのだろうか。

光は電磁波の一種であると言われている。では,LC 発振回路で可視光を発することはできるのだろうか。

現在,我々の身辺で使用されている光る物体は,真空放電を利用した蛍光灯や,電子が低いエネルギー準位に落ちるときに光子を放出することを利用した LED,物質を熱すると物質が放射する電磁波の振動数が上がることを利用した電球が主なものだろう。と知ったかぶって書いたが,電球のフィラメントが熱せらると光を発するメカニズムを自分がよく知らないことに今さらながら気づいた。これは Planck が量子を導入するきっかけとなった黒体輻射の理論に関係が深いか,あるいはそのものであると思うのだが,そもそも黒体輻射がなんなのか理解していないので,電球が光るメカニズムがわからない。このままではさすがにまずいので,今度ちゃんと勉強しようっと。

さて,可視光の波長は数百 nm である。こんな数値が何も調べずにぱっと思い出せるのは,秋月電子通商で購入した LED の袋に,ちゃんと LED の基本データを記したシールが貼ってあり,それを日々眺めて暮らしているからである。何のために眺めるかというと,順電圧や明るさ (cd) を確認するためであるが,その際,ついでに波長のデータも目に入るのである。特に紫外線 LED を買った時にはどれくらいの波長なのか興味があったのでしげしげと眺めたことがある。おかげで,その LED の波長が 405 nm~415 nm だったり,415 nm ~ 425 nm だったりすることが頭にインプットされた。

振動数の単位は時間の単位の逆数である。そして光の波長と振動数をかけるとちょうど速度の次元になり,積の値は光の速さに等しい。この基本的な関係式を利用して,光を発生させるためのコイルやコンデンサの大きさを見積もってみよう。

光の速さは 3×108 m/s であるとする。波長は僕の好きなオレンジ色 LED の波長 600 ×10-9 m とする。光の速さを波長で割れば振動数が得られるが,それは

500 THz,

言い換えると

0.5 PHz

である。P(ペタ) は T(テラ)の 1000 倍を表す文字である。

というわけで,超高周波どころか超超超高周波くらいのものである。ギガヘルツの一千万倍くらいなのであるから。

これが L と C の積の -1/2 乗に等しいと考える(2π分の一という係数は面倒なので落として大雑把に見積もる)と,LC の値は 10 の -28 乗のオーダーとなる。

L としてμH,つまり 10 の -6 乗のオーダー,C として pF,つまり 10 の -12 乗のオーダーで測ったとすると,さらに -10 乗くらい足りない。導線をほんの一巻きか二巻きしたくらいのコイルだったら nH くらいのオーダーのインダクタンスの物が作れるかもしれないが,それにしたって -7 乗だけ余る。コンデンサをうんと小さく作ったところで,この差はどうにも埋められそうにない。

ただの導線一本にしたって,高周波回路ではインダクタンスとキャパシタンスを持つとみなす必要があるようなので,そういった浮遊インダクタンスと浮遊容量の積が 10 の -28 乗よりも大きければ,通常の電気・電子回路で光を発生することなど不可能になってしまう。

どうやら LC 発振回路から光を飛ばすというのは絶望的なようである。ところで,超高周波回路の一種にマイクロ波回路というものがあることをつい最近知った。それがどのくらいの振動数の電磁波を指し,また,マイクロ波なるものを発生させるのにどういったデバイスを使用するのか,だんだん興味が湧いてきた。このくらいの領域になると,電子工作で自作してみたいという無謀なことをするつもりは毛頭ない。単に知的好奇心を満足させたいだけである。

LC 発振回路で光を発生させられるかなんていうアホなことは電気電子の専門家だったらとてもおおっぴらに口にするわけにはいかないだろう。素人だからこそ,何の遠慮もなしに,こうしてブログという形で世界中におバカさ加減を世界中に堂々と発信できるのである。これは素人の特権である!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

LMC555 で チャージポンプ。

2013-05-16 22:37:18 | 工作・実習
1.5V の電源で LED を点滅させる LM3909 という名の IC は現在では入手が困難である。それで代用品はないものかと考えていたのだが,電子工作界では定番のタイマ IC 555 を使えないかと思いついた。

早速調べてみたところ,普通の 555 にとっては 1.5 V は電源電圧としては低すぎるらしい。

せっかくのアイデアがふいになったとガッカリしたが,あきらめずに定電圧で動く発振用の IC はないかと探したところ,秋月電子通商の web カタログで CMOS 版の LMC555 というのを見つけた。おあつらえ向きに 1.5 V から動作する。

というわけで,早速買って回路を組んでみた。

555 をパルス波発生源として使用している。発振周波数を決める抵抗とコンデンサの値は 10kΩ,10kΩ,0.1μF にしてみた。チャージポンプの充電用コンデンサは100μFである。
使用した LED は 20mA で 75cd の光を発生するというお気に入りの超高輝度オレンジ色 LED である。
そこそこ光っているように見えるかもしれないが,超高輝度だからであって,1.5 V を直接つないだときよりはマシかな,という程度である。発振周波数をもっと高くしたり,抵抗を小さくするなどすればもっと明るく光らせられるかもしれない。あるいは,もっと発振周波数を低くして,目標にしていた LED フラッシャーにするというのも検討したい。

ちなみに,LMC555 を用いて 1.5V 電源で LED を光らせようという試みは僕が初めてではない。誰でも思いつくようなアイデアであるらしい。

そもそも秋月電子通商が LMC555 を利用した 1.5 V 電源の昇圧回路で順電圧の高い白色 LED を光らせるキットを販売している。LMC555 を見つけた時にそのキットの存在も同時に知ってドキッとしたが,キットはインダクタを用いたフライバック方式で昇圧しており,インダクタを使用しないチャージポンプ方式の僕のアイデアとはかぶっていないことがわかってホッとした。なお,キットで使用されている単3電池2本用の電池ホルダ―に回路を全部組み込むというアイデアには感心した。なるほど,そういう風にコンパクトに組み立てるのか。今後、何かを作る際に真似させてもらおうっと。

LED をメインに取り上げた電子工作の本では昇圧回路が必ずといってよいほど取り上げられている。杉本靖著『基礎入門 LED電子工作の素』(技術評論社)の第2章ではステップアップコンバータ方式(たぶん上でフライバック方式と呼んだものと同じもの)による昇圧回路に LMC555 を用いている。秋月電子通商のキットとはいくつかの点で違いがあるが,回路の基本は同じである。また,トランジスタ2石による無安定マルチバイブレータをスイッチに使った2段チャージポンプ昇圧回路も取り上げている。おそらくトランジスタによるマルチバイブレータを LMC555 に置き換えても同じように動くだろう。この本の一番最後には,LED に光が当たると起電力が生じることを利用して,LED 一個に明るさセンサとランプの二役をさせるという興味深い回路が紹介されている。同じようなアイデアはエレ工房さくらいの『不思議な LED 点滅回路キット』にも見られる。こちらも面白い回路であり,しかも LMC555 を使用しているのでますます気になるところである。

加藤芳夫著『LED電子工作ガイド』(誠文堂新光社)でも第2章で昇圧回路を取り上げている。やはり LMC555 を使っているのだが,フライバック方式だけでなく,チャージポンプ方式のフラッシャーにも使用していた(同書46ページ)。しかも2段のチャージポンプである。

僕が思いつく程度のアイデアはすでに多くの人が考えついており,しかもより発展させた形で世に発表しているのだということを今回もつくづく思い知らされた次第である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

十年目の真実の真相。

2013-05-13 23:51:29 | 工作・実習
長年通い続けた駅のそばにあるという街のパーツ屋さんに行こうとしたのに、看板すら見当たらないという事態に遭遇して一週間ほどが経過した。ある情報筋の話によると、ちょうど4月末頃に閉店したとのことである。やはりそうだったか。残念なことである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

水晶振動子の振動数。

2013-05-11 23:51:09 | 工作・実習
MHz オーダーの高い振動数を持つ電気振動を発生させるのに,水晶振動子というものが使用されている。ところが,それらに比べるとかなり低い振動数である 32.768 kHz を発生する水晶振動子も出回っている。それはたいてい時計用と書き添えられている。

32.768 なんていう中途半端な数値が時計にどう役立つのかさっぱりわからなかったのだが,Wikipedia の「水晶振動子」の項目に,「1 Hz を求めやすい」と書かれていた。

いや,だから,32.768 みたいな中途半端な振動数から,どうやって 1 を作るのか,それがわからないって言って・・・。

あれ?

「32.768 kHz から 1 Hz を作り出すにはどうすればよいか」というほどには具体的に考えを推し進めてはいなかった。

この 32.768 kHz って,本当に中途半端な値なのだろうか?

小数で記されているため,32.768 という数値が近似値にしか思えなかったのだが,そうではないのかもしれない。

kHz から Hz に直すと,32768 Hz である。

ひょっとして,これを分周すると 1 Hz になっちゃったりするってことか?

1 Hz を「求めやすい」わけだから,簡単なプロセスで 1 Hz に到達できるはずである。

試しに振動数を半分ずつにして行ってみよう。

32768÷2=16384

16384÷2=8192

8192÷2=4096

この辺まで来ると,僕にも見覚えのある風景が見えてきた。

4096÷2=2048

2048÷2=1024

なるほどね。

32768 を半分にする操作を 5 回繰り返すと 1024,つまり 2 の 10 乗になるってわけか。だから,32768 は 2 の 15 乗だったのね。

Wikipedia で外部リンクとして挙げられていたCITIZEN の技術ライブラリーを後で見たら,同じことが書いてあった。

実際に分周するには水晶振動子が発生するパルスを 15 ビットのカウンタで数えればよい。そうすると,例えば 15 ビット目を出力ビットに使用すれば,0.5秒間隔で ON,OFF を繰り返す 1 Hz の振動に変換できるというわけである。

今回学んだ教訓は,きりのよい数値なのに小数で表されると近似値に思えてしまい,数値に対する態度が変わり,その結果大事なことを見落としてしまうことがある,ということである。といっても,こんな経験は初めてだし,今後も同じような体験をするかというと,これが最初で最後のような気もするが。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミニミニ金属探知器。

2013-05-07 15:41:49 | 工作・実習
あれは確か中学生の頃だったと思う。コイルを用いた発振回路を利用して簡易金属探知器を作るという面白い製作記事がある本に載っていた。僕はまだ子供だったので,漫画の単行本は買えても2千円近くする本はそう簡単には買えなかった。図書館にも置いてなかったので,何度も本屋で立ち読みしては,回路図を記憶してあとで再現するということをやったような記憶がある。記憶力のない僕のことだから,こっそりメモを持ち込んで書き写すというズルをしたかもしれない。ともかく,手に入れた回路図を元手に実際に作成し,夏休みの自由研究課題か何かで学校に持って行った。それなりに動いたのではなかったかと思う。

それは何の本だったか,再び作ってみたいと思っていたところ,ある図書館で佐伯平二著『電子工作のはなし I 第2版』を手に取ったところ,「ミニミニ金属探知器」と題する記事を見つけた。チョークコイルをセンサとし,9V の 006P 乾電池を使用しクリスタルイヤホンから出る音の変化で金属の有無を検知するという,記憶通りの回路構成であった。ただ,山水トランスの ST-11 が使われているが,僕は当時それを使用したかどうか覚えていない。山水トランスは電気びっくり箱で ST-26 を使ったのが唯一の使用例だった気がするからである。

第2版の本文には,この装置が非常に微妙な発振器であるため,はんだ付けをしっかりと行って製作するよう注意が述べられている。

となると,ブレッドボードで組むのはまずいかもしれない。

回路ではトランジスタ (Tr) 2SC1815,抵抗 (R) 1kΩ,可変抵抗 (VR) 10kΩ,コンデンサ (C) 0.0022μF,チョークコイル (L) 4mH,トランス (T) ST-11,そしてクリスタルレシーバー(現在はセラミックイヤホンで代用するしかない)を使用している。電源は 006P 乾電池の 9 V である。

一ヵ月ほど前にトランスとコンデンサ,そしてコイルを手に入れてブレッドボードに組んでみた。その時は L として 4.7mH のものしか手に入らず,それで代用してみたのだが,VR を回しても発信音は一向に聞えてこず,実験は失敗に終わった。

その後,秋葉原の東京ラジオデパート3F・シオヤ無線電機商会で 4mH ちょうどのチョークコイルを見つけた。この店は僕にとってパラダイスとでもいうべき店である。バリキャップ 1SV149 はもちろんのこと,幻の AM ラジオ用 IC LA1050 など,ラジオ関係のパーツの品ぞろえは,もう,最強といっていいほどである。バーアンテナも定番以外に聞いたことのない品番もいくつかある。バーアンテナ用のフェライトコアも5~6種類はあったろうか。ちなみに,山水トランスの同等品もかなりの種類がそろっている。もちろん ST-11 の同等品も手に入る。そういう意味では,今回作ったミニミニ金属探知器はこの店だけで必要なパーツをすべて(乾電池は売ってるかどうかわからないが)そろえることができる。

こうして念願の 4mH のチョークコイルも手に入れたのだが,VR を回しても,回すときに発生するザリザリいう耳障りなノイズ以外,音は聞こえない。またもや失敗である。

「ハンダ付けをていねいにし」なければならない「たいへん微妙な発振器」であるがゆえに,ちゃんとはんだ付けをしないブレッドボードではうまくいかないのは当然のことなのかもしれない。素直にユニバーサル基板やラグ板にはんだ付けして組み立てればよいのだが,そうやって作っても正常に動くかどうかわからない。製作に踏み切るためには,ブレッドボードで試作したものが動くという動作保証が欲しいところである。

そこで,もう少し粘ってみることにした。悲しいかな,発振の原理を理解していないため,C や L の数値をどう変更すればよいか全く見当もつかない。シオヤ無線で一緒に買った 2mH のチョークコイルに差し替えてみたが駄目だった。C の容量を変える気にはとてもなれない。こうなると,僕がいじれる回路の定数は選択肢がほとんどない。残るは抵抗のみである。

トランジスタを使用しているとはいえ,コイルとコンデンサで構成された発振回路である。分類的にはハートレー型の発振回路に近いようだが,ぴったりそのままという感じではないのでよくわからない。それはともかくとして,コイルとコンデンサが使われている以上,発振周波数はコイルとコンデンサの値が決めているのであろう。そしてそれ自体は聞こえてくるはずの音の高さを決めるだけであって,回路が発振するかどうかにはあまり影響がないのではないかと想像される。そうすると,発振するかどうかの決め手は抵抗だということになる。

実験中にこのように推理したわけではないが,今にして思えばある程度理詰めで対処法がこのようにわかったのではないかという気がする。実際に実験していたときには,とりあえず VR の可変域をもっと広くしたらどうかと何も考えずに思い付き,10kΩより少し大きめの 20kΩに変えてみた。

これが功を奏したのである。

VR を回すと相変わらず嫌なガサガサ音で耳がやられるのだが,ほんの一瞬だけ,「ピ」と音が聞こえる瞬間があった。つまみ(といっても,半固定抵抗器を使ったので,つまみはドライバーで回していたのだが)を「ピ」が聞えたあたりでゆっくり回したり,戻したりする作業を経て,ついに発振音が持続的に聞こえるスポットを探り当てることに成功した。聞こえる音に注意を払いながらボリュームを調整するこの作業は,バリキャップで ラジオのチューニングをするのと非常によく似ている,

本によると,「ビィービィー」もしくは「ピィーピィー」という発振音が聞こえてくるとのことであったが,僕が聞いたのは管楽器が鳴っているような「プオーン」という控えめな音だけであった。ほんの一瞬通り過ぎるだけの「ピ」音は継続して鳴らし続けるのは非常に難しく,つかまえるのに成功したのは一回だけである。「プオーン」の方は何度試してもわりあい簡単にとらえることができるので,それを使うことにした。

ミニミニ金属探知器をミニ・ブレッドボードに組んだ様子の写真は以下の通りである。

ゴミみたいなものが散らかっていると思うかもしれないが,クリップ,アルミフォイルの切れ端,ボリュームの調整になくてはならないプラスドライバは探知機能を調べるための試料である。指が示しているところらへんに「402」という数字の書かれた黒くて円いものが見えるが,それが 4mH のチョークコイルである。金属としてはここに挙げたものの他,一円玉や十円玉などの硬貨も試した。また,ネオジム磁石も試料に用いた。

金属や磁石をコイルのすぐそばに近づけると,発振音は「プオーンンン~?」と高くか細くなって完全に聞こえなくなる。発振周波数が高くなり過ぎたのか,それとも発振が止まってしまったのか定かではないが,コイルのインダクタンスが変化し,回路がその影響を受けたであろうことは間違いない。期待通り金属探知器の機能を持っていることがわかった。

なお,写真に写っている指をもっと近づけるとどうなるかというと,音がほんのわずか低くなる。指をコイルの腹に触れさせるとビィーという,それまでとは違った音色の発信音に変わり,音量も大きくなる。水などの入ったペットボトルを触れさせても同じ現象が起こる。何が起きたのか,理論的なことは全くわからないが,水分を多く含むものをコイルに近づけると金属を近づけたときとは逆の現象が起きるようである。こうした実験結果を見ると,このデリケートな装置は金属以外のもの(もしかすると誘電率の高いもの?)の探知にも使用できそうである。

今気が付いたのだが,せっかく周波数カウンタのついたマルチテスタを持っているので,それを使って周波数変化くらいはちゃんと追ってみるべきであった。実験したら追記することとしよう。

この本にはサイリスタを使用した回路例がいくつかある。サイリスタも名前は知っているが触ったことのない半導体なので,この本との再会記念にサイリスタにも手を出してみようと思っている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

色 S メーターを試してみる。

2013-05-05 21:52:03 | 工作・実習
サイト「ブレッドボードラジオ」> LM501T > LMF501T+ "色Sメーター"

に載っている“色 S メーター”を試してみた。ラジオの受信状況が悪ければ LED が緑色に光り,良ければ赤く光るというものである。その様子は,「ブレッドボードラジオ」の該当ページに掲載された写真を見るとよくわかるだろう。

僕の少年時代の思い出の一品である SONY のラジオキット ICR-K10 にも同様の機能が搭載されていた。赤い LED が一つ使用されていたが,それは電源用のパイロットランプではなく,受信が良好な時に明るく光る,一種の S メーターだったのである。

ついこの間そのことを思い出し,いずれ自分でそのような機能を再現したいと思っていたが,それはまだずっと先のことのつもりであった。ところが,いろいろなラジオ回路を物色しようと橋本剛著『ブレッドボードで始める電子工作』(CQ出版社)をパラパラめくっていたところ,「色 S メーター」の記事が目に入った。ちょっと前までは S メーターというものに何の興味も無かったので読み飛ばしていたが,このところ電波の強度を知りたいと思うようになった。ようやく僕自身に心の準備が整ったというわけで,そういうときは自分の関心に関係のありそうなものは目に留まるものである。

さっそく試してみようと思ったが,5kΩのボリュームが手持ちのパーツにあるかどうか心もとなかったし,2SB1375 という初めて目にする型番のトランジスタを使用するようだったので,昨日秋葉原で買って来た。2SB1375 は千石電商で購入した。

部品数は多くないが,回路図を見ながらブレッドボードに組むのは少し気力が必要である。ちなみに,上に挙げたサイトや本(著者は同じ方のようなので,書いてある内容もほぼ同じ)にはブレッドボード上の実体配線図も親切に載せてあるが,パズル気分で自分で配線を考えるのが好きなのである。それは一種の修行であるとも捉えている。

数日ぶりの LM501T ラジオであったので,電灯線アンテナをつなぐのは初めてである。予想通り,近隣の強力な局の放送がいたるところ混信してくる。

それはともかくとして,5kΩのボリュームを回して色合いを調整する。おそらくコツは,あちこちで聞こえる近隣の局ではなく,バリコンを回していて一回だけしか強く聞こえることがない局を選び,それがよく聞こえる状態で,ボリュームを回して赤緑 2 色 LED の色が確実に緑に光る状態からボリュームを少し戻して赤みを帯びた色にすることである。初めのうちはどう調整すればよいかわからず,ボリュームをいい加減に回していたのだが,ボリュームを緑色になる方に回し続けると,途中で発信し始めてひどい音が鳴り出すことがわかった。

一応,僕も写真を取って見たが,色が読み取りやすくなるような工夫をしなかったので,色の違いがほとんどわからない写真になってしまった。


これは受信が良好な状態を表す赤い光である。


これは2つの隣接する局の狭間の受信状態にあるときに撮影したものである。要するに受信状態は良くないということで,赤みは消えて黄色に近い橙色になっている。ちなみに,僕が使用した 2 色 LED は赤と黄緑の組み合わせとのことだったが,黄緑の方はほとんど黄色にしか見えない。したがって,2色同時に光らせると黄色というよりは橙色に近い色合いになる。

調整にはコツがいるが,LED の色はちゃんと受信状態の目安になることがわかった。おかげでついついバリコンのつまみをあれこれ回して LED の色の変化を楽しんでしまった。本来の周波数ではないところで聞こえてしまう放送の場合は,不思議なことに,かなり音が大きいようであっても,LED の色は赤くならない。その放送局の本来の周波数の近辺でだけ赤く光るのである。耳での聞こえ方と,元の電気信号との間には感じ方にズレがあるということだろう。

このタイプの S メーターは子供のころから気に入っているので,近いうちにはんだ付けをして組み上げるつもりの IC ラジオにアクセサリーとしてつけようかとも思っている。


今回,トランジスタ 2SB1375 を使ったが,型番が 2SB で始まる PNP 型トランジスタを使用するのは,たぶんこれが初めてである。僕が今までに触ったことがある PNP 型トランジスタは,超有名どころの 2SA1015 と 2SA733 だけだったように思う。

ちなみに,2SB1375 をそのまま 2SA1015Y に差し替えてもちゃんと「色 S メーター」として機能することを確認した。消費電流など詳しいことは全く調べていないが,少なくとも見た目には動作にほとんど違いは見られなかった。自分でも色 S メーターを試してみたいが,2SB1375 が手に入らないよう,という人もいるかもしれないので,他のトランジスタでも代用が可能であったことを書き記した次第である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フォトトランジスタとフォトダイオードによる検波。

2013-05-05 21:07:27 | 工作・実習
シリコンダイオードやシリコントランジスタであっても,バイアス電流を流せば検波ができるという。同様に,LED に光を当てれば検波ができる

では,他の半導体でもラジオの電波を検波できるだろうか。


【ペルチェ素子・失敗】

半導体で構成されたペルチェ素子をゲルマニウムダイオードの代わりにつなぎ,ドライヤーであぶってみたが,特に放送が聴こえてきた感じはなかった。ちゃんと片面を氷で冷やすなどして温度差を作るべきだったのかもしれない。


【太陽電池・失敗】

太陽電池は LED みたいなもんだ,とたかをくくって試みてみた。日の光にさらしたり,LED で照らしたりしてみたが,何かの拍子にガサガサいうことはあっても,放送は全く聴けなかった。


【フォトトランジスタ・成功】

一ヵ月前に使ったフォトトランジスタ NJL7502L のことを思い出し,それでも検波できないかと試してみた。

思った通り,光を当てたら放送が聴こえてきた。実験は成功である。

フォトトランジスタ NJL7502L は黄色い線の間に見える,緑色の LED みたいなヤツである。


【フォトダイオード・成功】

何に使うとはなしに,秋月電子通商でとりあえず買ってみたフォトダイオード S9648 の出番がついにやってきた。正確には,これは出力を制御する IC が組み込まれた,フォト IC ダイオードというものである。単に検波できるかどうかを見るだけなので,違いを気にせず試してみた。その結果,夕暮れ時の明るさや,室内の蛍光灯による照明であっても,光を感じ取ってダイオードとしての機能を発揮して検波してくれた。

透明なボタンみたいなものがフォト IC ダイオード S9648 である。


異なるタイプの半導体を組み合わせると,整流作用が生じる。整流作用のある半導体ならば,ラジオの検波に使えるはずである。今後も,何か面白そうな半導体を見つけたらゲルマラジオ的な働きをするかどうか,調べてみたいと思う。

鉛筆の芯とカミソリで検波できるという話なので,電灯線アンテナを相棒に,それもいずれ試してみたいものである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お日様の下で聴く LED 検波ラジオ。

2013-05-05 14:43:08 | 工作・実習
日が照っていないと聞こえないラジオを試してみた。

はじめに断わっておくが,太陽電池を電源にしているというわけではない。LED で検波する,一応無電源のラジオである。このようなラジオが可能であることは,ある方から教えていただいた

今日は雲一つない晴れ間の広がる,最高の行楽日和である。しかし僕は家にこもって電灯線アンテナを作った。しかしコードが短く,部屋の入り口付近のコンセントから,日の当たるベランダまで届かない。仕方がないので,延長コードのお世話になることにした。

なるべくなら AC コンセントのアース側につなぎたいので,この日のために作った検知器で確認した。

フツーな感じの赤色 LED を太陽に正対するように向けると,近隣の強い局が受信できた。


もちろん,光を遮ると聴こえなくなる。

夜など,暗い時にはこのようにしてご使用になれます。お気に入りの超高輝度オレンジ色 LED を,禁断のリチウムコイン電池 CR2032(3V!)直つなぎで光らせております。

(「ほら、エサ(光)だよ,お食べ。」という感じでございます。)

わざわざ乾電池を使って LED を光らせるくらいなら,トランジスタや FET などでフツーに検波してフツーに増幅して聴けばいい,というのは,そりゃごもっともでございます。

原理的に深夜放送が決して聴けないラジオ。

名付けて,

「お日様ラジオ」

「ひなたぼっこラジオ」

「縁側ラジオ」

「青空ラジオ」

「アオゾラジオ」。

愛称をどれにするか,決めかねております。

いずれ,

LED で発生させた電圧を利用して

LED をバリキャップ代わりに使用し,

LED で検波して聴く,

(コイルを除いて)オール LED プロデュースの,

LED の,

LED による

LED のためのラジオ

を製作するのが,目下の僕のささやかな夢である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最強のツールを手に入れた!

2013-05-05 14:25:20 | 工作・実習
電池無しでラジオ電波を受信する際,何か聞こえるものの,音が小さすぎて放送内容を聞き分けるのは難しい。

立派なアンテナがあればもっとよく聞こえるだろうが,1~2m ほどのビニール線をアンテナ代わりに垂らしているだけでは受信するのがやっとである。

この不便な状況はなんとかならないだろうか。

ラジオ製作を紹介した工作記事では,木造家屋の場合は AC 100V のコンセントをアンテナ代わりに使う方法がよく紹介されている。それを試してみたいとずっと思い続けてきた。

今日,ついに作ってみた。

部品は,AC プラグと 100V 以上の耐圧性をもった 100pF のセラミックコンデンサ,そして2mくらいのビニール線である。ビニール線はもっと長いを買うべきだったが,買い直したりしているとまた先延ばしになってしまうので,もう作ってしまうことにした。

作業は30分もかからない。

部品のレイアウトはこんな感じにした。レイアウトってほどでもないね。


コンデンサのリード線の一方の端をプラグのボルトの周りに絡め,他端はビニール線にはんだ付けする。


ビニール線の他端に秋月電子通商で安く売られているピンヘッダをつなぎ,ブレッドボードなどに挿しやすいようにした。


これでさっそくゲルマニウムダイオード (1N60) 検波ラジオ(ゲルマラジオ)やショットキー・ダイオード (BAT43) 検波ラジオ,さらには LED 検波ラジオを試してみた。やはりビニール線を垂らしただけのアンテナに比べて感度は抜群によい。ゲルマニウムダイオード2個で両側検波し,FET2石で増幅してトランス ST-30 を負荷にしたラジオにもつないだところ,電波強度が強すぎて混信がひどいくらいであった。

ともかく,これで AM ラジオの実験は捗るだろう。最強のツールを手に入れた気分である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ソニーのラジオキット ICR-K10.

2013-05-04 01:21:09 | 工作・実習
西田和明氏は講談社のブルーバックスで何冊か電子工作の本を書いておられる。その中に『組み立てる・IC工作』(B-616) と題する,1985年に出版された一冊がある。先週,ある図書館でその本を見つけたので手に取ったのだが,僕の思い出の一品,ソニーのラジオキット ICR-K10 が製作例の一番最初に取り上げられていたのに驚いた。

キット ICR-K10 は 3,600円だったとのことである。当時,確か漫画の単行本は一冊360円だったと思う。『ドラ○もん』が10冊買える値段だったわけである。現在,『ドラえも○』は410円で売られているようなので,それを基準に換算すると今なら 4,100円ということになる。結構いい値段である。

子どもの頃組み立てた ICR-K10 は今手元にないが,確かケースに鉄腕ア○ムのシールが貼ってあったように思う。なぜラジオに鉄腕○トムが,と不思議な気がするが,確かそういうシールもキットの一部だったと記憶している。『組み立てる・IC工作』には説明書の写真が載っており,説明書にアト○のイラストがあるので,僕の記憶は裏付けられた。

このキットは IC を使った AM ラジオであるが,高周波増幅の後,周波数変換をして中間周波数に変え,さらに増幅し,検波した後,低周波増幅をしてスピーカを鳴らすという,実に本格的なラジオである。周波数変換と中間周波増幅のために局部発振コイルなどを使用しており,IC を使っているとはいえ,そこそこに部品数は多い。小学生の,しかも人生初の電子工作にしてはかなりレベルが高い代物である。とてもそんな難しいものを作り上げた覚えはないのでおかしいなと思っていたら,ICや中間周波トランスなどの大半の部品はすでに基板にはんだ付けされており,抵抗やコンデンサなどの残りの部品をはんだ付けするだけで完成するものだったらしい。しかもはんだ付けの練習用の部品も入っていたそうなので,初心者向けに至れり尽くせりの配慮がなされていたようである。しかも完成した暁には立派なAMラジオとして末永く使えるわけだから,電子工作入門として実にふさわしい一品である。ただ,バーアンテナのコイルを固定する際の調整作業は少々難しそうであった。けれども,市販品のラジオと同じくらいの性能を持ったラジオだろうから,それくらいの最後の仕上げはあってよいだろう。

実は,秋葉原ラジオセンターの2Fで,ICR-K10 がショーケースに飾られているのを見つけてしまった。すでに一台もっているので,さすがに買うのは踏みとどまったが,値段によっては買ってしまうかもしれない。いや,やっぱりそれはないな。た,たぶん。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする