身近な自然となかよくblog (旧「菊名エコクラブblog」)

自然環境と調和した持続可能な社会を!

by NACS-J認定 自然観察指導員 松田 照之

篠原池にも冬の水鳥が渡ってきています。

2011年01月10日 18時03分15秒 | 2-5.篠原池
前回の記事で、菊名池に今年も冬鳥のキンクロハジロが渡ってきたことを紹介しましたが、
となりまちの篠原池でもオナガガモが渡ってきています。

キンクロハジロもオナガガモも、どちらもカモの仲間。
カモというとアヒルと体型が似ているので、ついついペットのように扱ってしまいやすいかもしれませんが、
その多くは遠くの国からはるばる飛来する冬鳥で、野鳥です。

菊名池でも、鶴見区にある三ッ池でも「野鳥にエサをやらないように」という主旨の看板が掲示されています。
それには、大きく次の3つの理由があります。


①野鳥に限らず野生生物にエサを与えたりすると、エサを人に頼るようになり、自力で生きていく力を失っていく。

②エサを池に入れると、池の水が汚れてしまう。
 訪れる人たちが入れ替わり立ち代わりエサをやっていくことを考えると、
 エサやりによって、けっこうな量の有機物が池に投入されていると思います。
 これでは池の水が汚れてしまいます。 

③野鳥ですから他の場所に移動します。
野鳥は狩猟で狙われることがあります。人に馴れてしまうと、簡単に猟師の餌食になってしまいます。
これは犬に馴れさせることも同じです。


篠原池は、町なかの池といえども野生の生きものたちの生息する、生態系の成立した池です。
生態系を復元する目的で再整備が行われ、それが見事成功した池なのです。

菊名エコクラブは、自然環境を守るボランティア活動をしています。
その立場から言わせていただきますが、篠原池に来られる方々には、こうした篠原池の経緯にふさわしい利用と扱い方をしていただきたいと思っています。
せっかく復元された、町なかにありながらも良質の生態系が復元された池です。
それを守っていくためには篠原池に関わる人々が、篠原池に生息する野生の生きものたちの生態や自然環境のしくみを理解し、それらに基づくマナーを守りながら関わっていくことが必要不可欠なのです。



ところでオナガガモは、私の観察した10月11日と16日には篠原池では見られず、菊名池でキンクロハジロに混じって2羽見られる程度でした。
これらの日、篠原池にはカルガモ50羽ほど集まっていましたが、他のカモは見られませんでした。
それが11月13日には篠原池に18羽のオナガガモが飛来していました。

以後、11月28日には23羽、12月25日には38羽と数が増えましたが、年明けの1月8日には17羽と数が減っています。
例年これらの池では、オナガガモはキンクロハジロに比べて遅く飛来し、去って行く時期は早く、滞在期間が短いようです。
また、キンクロハジロもオナガガモもカルガモも、これらの池の間で行き来があるようです。