身近な自然となかよくblog (旧「菊名エコクラブblog」)

自然環境と調和した持続可能な社会を!

by NACS-J認定 自然観察指導員 松田 照之

冬の渡り鳥キンクロハジロが菊名池で繁殖

2010年08月22日 17時14分21秒 | 2-4.菊名池
毎年冬鳥(冬の渡り鳥)として菊名池に飛来するキンクロハジロが、この夏、その菊名池で繁殖したようです。
私は知人の野鳥の会の会員から19日に連絡があり、昨日行ってみました。

オスとメスの成鳥が1羽ずつ、そして雛が1羽確認できました。

キンクロハジロはカモ目カモ科。水中に潜ってエサを採る海ガモ類です。
日本で見られるほとんどのカモの種類は冬鳥(冬の渡り鳥)です。

菊名池のキンクロハジロも同様で、毎年10月に群れで飛来し4月ごろまで過ごします。
といっても、その数はこの期間中変動します。当然、秋に飛来しはじめる頃は数は少なく、2月ごろにピークになり、それ以降は次第に数が減っていきます。

これまで、羽根を痛めて飛べなくなったような個体が菊名池に残るということは何度かありましたが、繁殖したのは初めてです。

珍しいことではあります。
でも、喜ばしいことがどうかは慎重になる必要があると思います。
生息環境を人工的にしたり、野生生物にエサを与えるということは、自然環境や野生生物にとって良くないことです。
こうしたルールが都市公園ではなかなか守られず、野生生物たちに悪い影響が出始めてるのかもしれません。

今年は国際生物多様性年で、地域地域で多様な自然を保全していくことが環境省によりアピールされています。
また、今日はさきほどNHKで「ちょっと変だぞ日本の自然」という番組をやっていました。やはり地域地域で郷土の自然環境と共存していく必要があるという内容でした。

これらの出来事を機に、このブログでもしばらく菊名池の自然環境の変遷などについて取り扱っていきたいと思います。



菊名池で繁殖したキンクロハジロ
オス成鳥、メス成鳥、そして雛が確認できました。


カルガモも雛をかえしていて、3羽の雛を確認できました。
カルガモは冬鳥(冬の渡り鳥)ではなく、留鳥といって一年中菊名池や近辺に生息しているカモです。


菊名池の東岸からの全景です。

以前の菊名池の記事でも少しお話ししてきましたが、菊名池はここ十年ほどで、大きく自然環境が変わってしまいました。
かつてはカマ(ヒメガマ)の茂みがあり、それが菊名池の生態系を支えていました。
しかし人々がブラックバスやブルーギル、そしてハスを入れたりしたため、ガマの茂みはなくなり、昔から住み続けていたテナガエビも菊名池から絶滅してしまったようです。
毎年子育てをしていたバンも姿を消してしまいました。

しかし、こうして池が残っていること。そしてこのように生きものたちが何かと話題を投げかけてくれること。
これらのことを思うと、まだ希望は持てるかもしれません。

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2 コメント

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主の鴨? (茜空)
2012-09-19 23:48:24
初めてこちらのページを拝見しました。
写真がとてもよく撮れていて癒されました。
ところでもうずっとずっと菊名池公園にいた、
主のような存在の鴨?がいたと思うのですが、
(大きいサイズで首あたりが緑色のアヒルような)
最近ぱったり見かけなくなりました。
老齢なのかなとも思っていたので居ないのが
とっても心配だし、寂しいです。
何か情報をお持ちではないでしょうか…。
返信する
あれ、アヒルなんです。 (菊名エコクラブ 松田)
2012-09-20 10:08:28
茜空様

コメントありがとうございます。
菊名池にいた青首のカモのような鳥はアヒルです。
青首模様のカモはマガモのオスでして、
そのマガモを家禽化したのがアヒルです。
元々家禽(動物の場合家畜といいますが、鳥の場合
家禽といいます。

家禽は元々食肉とか羽毛を採るために野生種よりも
体が大きいので、茜空さんのおっしゃるとおりサイズが
大きいのです。
アヒルの品種の中には原種の特徴を残したものもいて、
それが、菊名池にいたあのアヒルです。

私は主に野生種や自然の様子を全体的に見ており
まして、あのアヒルは特に気にしてはいませんでした。
そういえばここのところ姿を見かけませんね・・・。

菊名池の写真を撮っていると、何枚かは必ず写りこんで
いたあのアヒル。
確かに淋しいは寂しいですが、かなり長くいたので、
寿命を全うしたのではないでしょうか。
そうであれば例えさびしくても、生きものとしては幸せな
死に方だったのではないかと思います。
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