身近な自然となかよくblog (旧「菊名エコクラブblog」)

自然環境と調和した持続可能な社会を!

by NACS-J認定 自然観察指導員 松田 照之

七夕

2021年07月07日 12時37分36秒 | 6-2.思ったこと・考えたこと

本日7月7日は七夕です。七夕は星祭りとも呼ばれ、ほんらいならば各地で七夕祭り・星祭りと呼ばれる行事が行なわれます。ところがコロナパンデミックのため、昨年に引き続き今年も中止となっており、たいへん残念です。

星祭りというと宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を思い出します。星祭りの夜にジョバンニという少年が経験したこととして描かれているからです。この物語の中でジョバンニは銀河鉄道に幻想第四次という世界に誘われ、死後の世界と思われる世界を旅します。物語を見ていると(読んでいると)銀河鉄道に乗車してくる人々が死者であることが物語を見ていると(読んでいると)はっきりわかってきます。その中では人の死というものが丁寧に描かれていて、本当に良い生き方とは何かについてもふれられています。

七夕が過ぎると間もなく新暦のお盆が訪れます。死者の霊が家に帰ってて生きている私たちと一緒に過ごす期間だとされています。お盆の期間は小さな虫であっても、むやみな殺生はいけないと子供のころよく言われていました。こうしたことからシーズン的にも内容的にも「銀河鉄道の夜」とお盆とは、私の中では結び付いているのです。

子供のころは毎年、夏休みという長い休みの期間があり色々な体験ができたからなのでしょう。夏になると様々なことを思い出します。私もそのころから生きものや自然が好きで、色々な生きものを捕まえては飼育していました。でも死なせてしまことが多く、残念な気持ち、悪いことをしてしまったような気持ち、もの悲しい寂しい思いをしたものです。

時は変わり今という時代、人の自然や自然の生きものたちに対する見方が変わってしまいました。もちろん自然観察会に参加してくださる方たちはそうではないことを知っていますが、今の便利で整然とした都市環境に住む私たちは「身の回りの自然の生きものたちは、人間にとってリスクでしかない。」とまで言うようになってしまったのです。

若いお母さんが、カブトムシが気持ち悪いので殺虫剤をかけて殺すという会話をしていたのを聞いたことがあります。オタマジャクシが子子ガエルになって庭に入ってくると気持ち悪いので、オタマジャクシのうちに駆除してくれと苦情があるのだと聞いたことがあります。野草たちもみな雑草としてゴミ扱いされますし、樹齢の高い樹木には精霊が宿るとまで昔は言われていたのに、今では当たり前に伐採されます。

昔はそんなナンセンスなこと(私はそう思います)言われなかったのに、いつからかどうしてこんな世の中になってしまったのか、悲しく思います。お盆という時期、宗教とむずびつけるつもりはないのですが、今一度、命を持ったもの、生きものについて、その関わり方というものを見直し、再び自然や生きものたちを大切に思う機会となるように願っています。これが私のささやかな七夕の願い事です。

 

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