1日1日感動したことを書きたい

本、音楽、映画、仕事、出会い。1日1日感動したことを書きたい。
人生の黄昏時だから、なおそう思います。

「ディア・ドクター」(西川美和)

2009-08-02 19:41:08 | 映画
 昨日からの雨も午前中にはあがって・・昼から、シネリーブルで上映中の西田美和
監督の「ディア・ドクター」を見てきました。

 村民1,500人、そのうち半数が老人の山あいの診療所で働く医師が主人公の物語。
命の支えとして、村人に頼りにされながらも、どこか胡散臭そうで、不安げな医師
の姿を、笑福亭鶴瓶が好演しています。ほんま、はまり役やったです。「おくりびと」
の余貴美子もよかった。

 映画は、村にたった一人しかいない医師が失踪するところから始まります。医師と
村人たちとの交流を追いかけるうちに、失踪の真相が次第次第に明らかになっていき
ます。

山あいの村で一人暮らす老婦人が、突然倒れた時に、医師に言う言葉。

「子供たちも自立して、家を出ていった。夫が病院に入院した時は、子供たちに
とても迷惑をかけた。私は、たとえ癌だったとしても、入院しないで、この村で
一人で死んでいきたい。」

 ぼくもこんな気持ちになるのだろうし、実家で一人暮らす母親もこんな気持ちでい
るのだろうなぁ。。。

 人を支え、ケアするとはどういうことなのか・・・そのことを強く考えさせてくれ
る映画でした。

 大切なことは、資格や肩書ではなく、自分が無力であることを自覚しながらも、
ひたむきに他人を思いやるハートのあたたかさなんやろね、きっと。ラストのシーン・・・
にこりとしながら、涙が目にいっぱいたまっていました。五つ星。