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かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

冬のもてこし

2017-02-08 04:55:01 | 日記

三好達治の詩集「駱駝の瘤にまたがって」に「冬のもてこし」という詩がある。オイラは、この詩を歌で知った。CD鮫島有美子「日本の歌~からたちの花」の冒頭の歌である。作曲者は、鵜崎庚一。短かくて、瞬く間に消え入る蜻蛉のような歌ではあるが、オイラの「早春賦」として、この季節、耳の奥でリフレインしている。大げさに表現すれば「宇宙事象のつながり」、冬~春、海~砂、風~帆、男~女、ということであろうか。

 冬のもてこし

冬のもてこし

春だから

この若艸(くさ)に

坐りませう

 

海のもてこし

砂だから

砂にはをどる

松林

 

無限の時が

来て泊(は)てる

岬のかげの

入り江です

 

風のもてこし

帆が二つ

帆綱ゆるめて

はたと落つ

 

それらのものの

ひとつです

さらばわれらの

語らひも

 この「もてこし」という言葉の意味することは、「運んでくるおみやげのようなもの」と文脈から分かるのだが、多くの今の日本人はすぐには検索できない言葉で、オイラも最近俳句の「文語文法」を読みながら、やっと分かりかけたということか。

この詩全体が、文語で描かれているのだから、「もてこし」も文語なのである。

もてこしは、複合動詞の「持て来」(もてく)、これに過去を表す助動詞「き」の連体形(名詞なんかにくっつく活用)「し」が接続しているようだ。

冬の持ってきた「春」という名詞につながるからである。

「持てく」の連用形は、「持てき」。「し」という助動詞には、動詞の連用形が接続する。。

であれば、「もてきし」となるはずであるが。

文語文法も複雑で、辞書を引くと、助動詞「き」がカ変動詞(か行変格活用のことで来(く)しかない。)につながるときは、動詞の未然形につながる、とある。

複合動詞「持て来」もカ変動詞である。なので、「持て来」の未然形は、「もてこ」となる。

「冬の持て来し」は、「冬のもてこし」と読み、現代語では、「冬が持ってきた」、ということになる。

めでたし、めでたし、ああ、すっきりした。

それにしても、自由に文語を操れた三好さんの偉業に感服し、文語のリズムと切れのよさが、短ければ短いほど、広大な宇宙を感じさ

せ、いい歌を生むということが、分かりかけてきた。

 

 

 

 

 

 

朝4時過ぎ、11.5日の月が、オレンジに燃えて、西の地平に沈んでいった。

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