オイラの思い残しの道リストに載っている本州の山域で、今年は、白馬からの栂海新道を夏に歩いた。この秋は、北八ヶ岳主要ルートを歩こうと「一応、山行計画を立てて」でかけたが、起点となる新湯大滝キャンプ場が9月一杯で終わっていることに気づいて、前泊の宿としていた甲府のホテルで出発の朝になって急遽の計画変更、キタヤツ南下から北上へと変えた。こんないい加減なオヤジだもんで、やっぱ、独り歩きでしょう。
起点となるのは、一気に2000mを超える世界へバスで運んでくれる白駒池のキャンプ地。季節運行のバスが、まだ走っててくれてよかった。(この時刻表も、この朝確認した次第)
ここで一泊。高見石から天狗を登って、憧れの本沢温泉に下って一泊。深いシラベと苔世界の道をたどり、懐かしいミドリ池を経由して中山峠に登り直し、ニュウのピークを踏んで、再び白駒池へ。秋色の深まる池畔で雨音を子守唄に一泊。
翌日、好天の兆しがないので、稜線歩きはやめにして、雨池を迂回して双子池へ。夕刻まで雨でテント内も湿り勝ちだったが、未明に目覚めると満点の星。寒さに震えながら、ニコンのカメラのフレーズを押した。
これが祟って風邪をひいたものか、翌日は、テントを置いたまま、空身での軽快な出で立ちで45年ぶりとなる蓼科山に出掛けたが、途中から悪寒が走り、山頂直下の蓼科山荘でとん汁をいただき、バファリンと胃薬を服用しながら、あと30分の行程を60分かけて、這う這うの体で懐かしの瓦礫を極めた。
山頂ヒュッテで、さらにコーラを「服用」する頃には、すっかり復調し、秋晴れの山頂で展望を一時間も楽しんで、双子池に降りた。もちろん、お薬師さまに、感謝の祈りを捧げた。
最後の夜、アーモンドの月が池を照らしていた。
翌日、亀甲池から新湯までの下り道。これまで経験したことがないような高齢者に優しく美しい道だった。落葉松林が日の光を受けて、そろそろ黄金になる頃合いだった。
荒天につき省略した麦草峠から北横岳への稜線ルート。思い残しの道リストに登録し、再訪するか。小鳥のにぎやかな季節がいいな。
家に戻り、台風をやり過ごしながら、写真の整理でもしようかな。







