2013 J2 第12節 コンサドーレ札幌 0-1 京都サンガF.C. @スカパー
この試合は「白い恋人withコンサドーレサポーターサンクスマッチ」。プレゼントとして配られた“応援パタパタハンド”はサポ内で賛否両論。もともと、札幌の試合は野球みたいに先割れメガホンをバンバン叩いて、異様な雰囲気として他チームに恐れられていた。しかし、これがうるさい(客席に段差があるので、膝でたたくと前のひとの耳元で鳴る)ということで、いつからか使用自粛に。
パタパタハンドはメガホンの再来なのか、それとも、ライトファンにも応援してもらうための最適グッズなのか。議論は尽きないのであった。
サポ的な目玉はパタパタハンドでも、ピカチュー&ゆるきゃら大集合でもなく、曳地の初先発。前節、大ミスをやらかして大ブーイングの杉山に変わってチームの救世主になれるのか、大いに期待したい。
さらに、宮澤、櫛引がベンチで、先発のうち、曳地、奈良、松本、深井、荒野、榊がユース出身。遂に半分(松本が微妙だけど)越えた。さらに、上原、上里、岡本がいわゆる生え抜きということで、ベンチも含めた生え抜き外選手はまえしゅんとチョソンジン、杉山、砂川のみ。今年も育成賞くださいな状況。
一方の京都の山瀬功治はベンチ。おまえもこっちに混ざれよ(笑)
試合開始序盤は、両チームともプレスがそれなりに効いているので、お互いラストパスがつながらず。京都を相手に、特にポゼッションで負けているイメージは無い。守れているし、攻めている。
曳地はキックが良く飛ぶ。財前監督にフィードに課題と言われていたようだが、それは全く問題ない。
最初のチャンスはユースの先輩後輩つながりで、荒野の綺麗なパスから榊が抜け出す。京都DFに倒されてゴール前でFK。しかし、上里のFKはいい弾道で完全にGKの逆を取ったが、わずかに右へ外れる。
これを皮切りに、細かいパス回しから一気にサイドチェンジとか、パスカットからの絶妙な縦パスとか、結構楽しいサッカー。上里、深井のボランチ2枚と荒野のパスが正確なのでこれができている。
さらに、榊と荒野が前線で追い回してくれるので、守備に時間ができてなかなかカウンターも喰らわない。
あとは前田が決めるだけなのだが……。
そして、今日キャプテンの岡本はどうしたことか元気がなく、試合から消えがち。
京都はなぜか前半終了間際に山瀬投入。軽くブーイングあり。
前半0-0。曳地はまったく問題なし。DFラインでの連携の乱れが一回あった程度だが、杉山だって1試合に数回やらかすので、マイナスポイントにならない。
スタッツで見ても、シュート数9-2をはじめ、ほかの数字でも圧勝のコンサドーレ。こんな試合は久しぶりだ。
パスの出し手と受け手がうまく噛み合って、面白いサッカーができていた。細かくつないで、DFを集めておいて、空いた逆サイドとか痺れる。しかし、いい時間帯に得点できない試合って……
後半開始時にも流れは変わらず。シュートを打つ。オフサイドを取る。
しかし、バヤリッツァの縦一本からペナルティエリアで松本が抜かれてGKと1対1というピンチのあたりから、様子が変わってくる。これは外してくれたが、曳地も最後までボールを良く見て飛びこまなかった。
0-0の局面を変えるべく、荒野に替えて砂川を投入。しかし、このタイミングが悪かった。マークの再確認中にフリースローから失点。一瞬フリーになった選手が狭い角度から巻くようなシュート。これは相手がうまかったけれど、岡本のマークミスっぽくて残念。やっぱり、岡本がブレーキ。さらにDFラインでも松本が穴になる感じ。
そこで、岡本に替えて中原。中原がトップ下で翔太がサイド。キャプテンは砂川。しかし、中原に与えられた指示がどうなのか、中途半端なプレーになってチャンスに絡めず。
さらに、前田に替えて横野。宮澤でも、DF入れて上原を前にでもなく、横野だぁ! しかも、完全にバテバテで、走りながらよれよれの翔太ではなく、前田に替える。足が攣ってもがんばる翔太のプレーはサポの胸を打つも、采配としてはどうなのか。
曳地に続けとばかりに、そろそろ後が無い横野は中山から9番を受け継いだ男。空回りが身上で、今日も絶妙な胸トラップを魅せるも、そこからつながらない。周りがバテて動けない分、無駄走りだけが目立つ結果に。
結局、0-1でホーム2連敗。前半で調子に乗り過ぎ(北海道弁:おだつ)たのか、前半と後半でまったく別のチームになってしまった。
前半みたいなサッカーを90分やるのは難しいのはわかるのだけれど、もうちょっとどうにかならないのか。3人の交代がプラスに働かなかったのも大きい。
交代と得点によって運動量が増した京都。減った札幌。省エネサッカーで自滅するよりはよっぽどマシとは言え、傍目から見ると、どうしても頭が悪そうに見えてしまう。前半走るなら、いい時間帯で2点は獲れるように頑張ろう。
今日最大の収穫は曳地。この試合を見る限り、杉山に何が負けていたのかさっぱりわからない。実力に遜色が無ければ、下り坂の選手とこれからの選手のどちらを優先すべきは明らかだろう。
第1キーパーのイホスン、第4キーパーの阿波加が怪我で離脱中という緊急事態になってしまったGK陣ではあるが、曳地の活躍でなんとかチームを救って欲しいものだ。