神なる冬

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[映画] ダーク・シャドウ

2012-06-10 23:57:40 | 映画
『ダーク・シャドウ』 - goo 映画



(C)2012 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED


ティム・バートン監督、ジョニー・ディップ主演のホラーコメディ。

と思ったら、予想以上にラブストーリーな感じで、男一人で行くには場違いだったかも。実際、周りは女子グループとカップルばっかりだったよ。

とにかく、主人公のバーナバスを憎みながらも愛する魔女アンジェリークのひねくれた愛情と、それにこたえられないバーナバスの葛藤が悲しい。


しかしながら、1960年代のTVドラマをリメイクしたとあって、エピソードがかなり割愛されているためか、ストーリーはとっ散らかった感じでいまいち。ちゃんとストーリーを描き切るには、あと3倍くらいの時間が必要じゃないのか。

肝心のヴィクトリアの物語がばっさり切られていて、精神病院の回想は如何にも唐突で、さらには最後のシーンでどうして岬から身を投げようとしたのかもさっぱりわからない。

他にも、娘のキャロリンにもびっくりだ。

都会にあこがれる反抗期の田舎娘というウザイけれども、ある意味ちょっといじらしいキャラクターで、エロかわいくてちょっといいかと思ったのだけれど、そんな秘密を持っていたとは。そりゃ、グレるわ。

そんな感じで、200年の眠りから目覚めたバーナバスを迎える家族4人はすべていろいろな物語を持っているにもかかわらず、すべてアンジェリークに喰われて霞んでしまっているうえに、最初っから薄くしか描かれていない。これならば、バーナバスの家族の物語というよりは、アンジェリークとの愛の物語としてちゃんと語り直した方が良かったんじゃなかろうか。


もうひとつ触れなければならないのは、物語の舞台となる1972年という文化、風俗。狙ったのか、ドラマのリメイクとして必然なのか、60年代から70年代のファッションや音楽が前面に押し出されている。これが懐かしいような新鮮な感じでおもしろい。

きっと、70年代ファッションが一周回ってファッショナブルな感じに受け入れられている現状にうまくマッチしているのだろう。そういった意味では、これは音楽とファッションを楽しみつつ、ジョニー・ディップにキャーキャー言いながら観るのが正しい映画なのだね。