『NOVA2』 大森望 責任編集 (河出書房新社)
![](http://www.kawade.co.jp/img/cover_l/41027.jpg)
大森望さん責任編集。最近流行りのアンソロジーSF総本山といったところ。SFではこれと創元の年間SF傑作選が両巨頭。SFマガジンセレクションも復活しないものか。
ところで、NOVA2イベント(@立川オリオン書房)で耳にした話によれば、一般小説のアンソロジー『Story Seller』は『NOVA』の10倍売れてるらしい。東浩紀はどうしてそっちに書かなかったんだろうと、しきりに残念がっていたが、SF小説なんてそんなもんだろう。河出だし(笑)
今回のNOVAは“ジャンルを超えた豪華メンバー12人”というだけあって、かなり雑多な感じ。SFからファンタジーからすこしふしぎから奇妙な味から、まさにアンソロジーって感じ。非SF者向けのショーケースとしては悪くないんだろうけど、SF者にはちょっと喰い足りない気がした。
NOVAは今後6まで出版確定だそうで。めでたいことだ。
12月刊行予定の『NOVA3』の方は、もっと濃いメンバーになりそうなので、SFファンとしてはそっちの方に期待大。
○「かくも無数の悲鳴」 神林長平
メタ不確定性原理SF。苦笑、失笑の嵐を巻き起こすお笑いSF。
神林には、あの足元が揺らぐようなSFを期待したいんだけど……。
△「レンズマンの子供」 小路幸也
ああ、昔よくやったよ、廃屋工場探検にレンズマンごっこ。
って言いたいけど、あんまりやってない。捻くれた良い子だったもので(笑)
◎「バベルの牢獄」 法月綸太郎
なんじゃこれ、と思って読み進めていって、最後にワロタ。
ページ重ねて、透かして見たりとか。
-「夕暮にゆうくりなき声満ちて風」 倉田タカシ
すみません。結局、読めてません。3次元トーラス、何回ひねりとか。
端のほうの重複部分のせいで、かえって繋がり先が探しずらかったです。
◎「東京の日記」 恩田陸
想像力を無性に書き立てる日記風の、もうひとつの東京描写。
何もオチは無いのだけれど、いったい何が起こっているのだろうかと惹き込まれてしまう。
咲き誇る桜の上に落ちてくる鳩のシーンが怖すぎる。
○「てのひら宇宙譚」 田辺青蛙
円城塔の結婚相手ってこの人なのか。言われてみれば、波長が合いそうな。
△「衝突」 曽根圭介
冒頭からスピルバーグの『衝突』かと思いきや、まったく別な話。
人間扱いされない人ってのはいつの世もいるものですが、自分も蜘蛛が嫌いなので、そうなのかも、とか。
○「クリュセの魚」 東浩紀
ネルガルでアキトでボソン・ジャンプしてナデシコかよ!
とか思ったら、アキトじゃなくて明仁様かよ!
◎「マトリカレント」 新城カズマ
壷って、パンドラのアレでいいのか?
《あたらしいもの》シリーズって言われてなければ、“海に住む人”の意味を取り違えたかも。
海底ケーブルのうなる響きってあたりがポイントですかね。
そんな意味を知らなくても、海の中の美しさと、地上の国境にこだわる滑稽さとの対比が趣深い。
いや、意味がわかると、もっと趣深いわけだけれど。
○「五色の舟」 津原泰水
津原作品はどうも納得のいかない設定やスジが多いのだけれど、これは普通に受け入れられる。
SFネタがセオリーどおりということか。
しかし、ここで描かれたフリークスたちの悲しさと自負はハッピーエンドなのにズドンと重い読後感をもたらす。
○「聖痕」 宮部みゆき
パーマーエルドリッチ?
さすがの筆力に感服するんだけど、ネタとしてはヒネリが足りないと思う。
△「行列(プロセッション)」 西崎憲
午後の恐竜?
なんだかよくわからなかった。
![](http://www.kawade.co.jp/img/cover_l/41027.jpg)
大森望さん責任編集。最近流行りのアンソロジーSF総本山といったところ。SFではこれと創元の年間SF傑作選が両巨頭。SFマガジンセレクションも復活しないものか。
ところで、NOVA2イベント(@立川オリオン書房)で耳にした話によれば、一般小説のアンソロジー『Story Seller』は『NOVA』の10倍売れてるらしい。東浩紀はどうしてそっちに書かなかったんだろうと、しきりに残念がっていたが、SF小説なんてそんなもんだろう。河出だし(笑)
今回のNOVAは“ジャンルを超えた豪華メンバー12人”というだけあって、かなり雑多な感じ。SFからファンタジーからすこしふしぎから奇妙な味から、まさにアンソロジーって感じ。非SF者向けのショーケースとしては悪くないんだろうけど、SF者にはちょっと喰い足りない気がした。
NOVAは今後6まで出版確定だそうで。めでたいことだ。
12月刊行予定の『NOVA3』の方は、もっと濃いメンバーになりそうなので、SFファンとしてはそっちの方に期待大。
○「かくも無数の悲鳴」 神林長平
メタ不確定性原理SF。苦笑、失笑の嵐を巻き起こすお笑いSF。
神林には、あの足元が揺らぐようなSFを期待したいんだけど……。
△「レンズマンの子供」 小路幸也
ああ、昔よくやったよ、廃屋工場探検にレンズマンごっこ。
って言いたいけど、あんまりやってない。捻くれた良い子だったもので(笑)
◎「バベルの牢獄」 法月綸太郎
なんじゃこれ、と思って読み進めていって、最後にワロタ。
ページ重ねて、透かして見たりとか。
-「夕暮にゆうくりなき声満ちて風」 倉田タカシ
すみません。結局、読めてません。3次元トーラス、何回ひねりとか。
端のほうの重複部分のせいで、かえって繋がり先が探しずらかったです。
◎「東京の日記」 恩田陸
想像力を無性に書き立てる日記風の、もうひとつの東京描写。
何もオチは無いのだけれど、いったい何が起こっているのだろうかと惹き込まれてしまう。
咲き誇る桜の上に落ちてくる鳩のシーンが怖すぎる。
○「てのひら宇宙譚」 田辺青蛙
円城塔の結婚相手ってこの人なのか。言われてみれば、波長が合いそうな。
△「衝突」 曽根圭介
冒頭からスピルバーグの『衝突』かと思いきや、まったく別な話。
人間扱いされない人ってのはいつの世もいるものですが、自分も蜘蛛が嫌いなので、そうなのかも、とか。
○「クリュセの魚」 東浩紀
ネルガルでアキトでボソン・ジャンプしてナデシコかよ!
とか思ったら、アキトじゃなくて明仁様かよ!
◎「マトリカレント」 新城カズマ
壷って、パンドラのアレでいいのか?
《あたらしいもの》シリーズって言われてなければ、“海に住む人”の意味を取り違えたかも。
海底ケーブルのうなる響きってあたりがポイントですかね。
そんな意味を知らなくても、海の中の美しさと、地上の国境にこだわる滑稽さとの対比が趣深い。
いや、意味がわかると、もっと趣深いわけだけれど。
○「五色の舟」 津原泰水
津原作品はどうも納得のいかない設定やスジが多いのだけれど、これは普通に受け入れられる。
SFネタがセオリーどおりということか。
しかし、ここで描かれたフリークスたちの悲しさと自負はハッピーエンドなのにズドンと重い読後感をもたらす。
○「聖痕」 宮部みゆき
パーマーエルドリッチ?
さすがの筆力に感服するんだけど、ネタとしてはヒネリが足りないと思う。
△「行列(プロセッション)」 西崎憲
午後の恐竜?
なんだかよくわからなかった。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます