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[SF] SFマガジン2013年10月号

2013-09-07 23:43:10 | SF

『S-Fマガジン 2013年10月号』 (早川書房)

 

今月号は特集がみっつ。特集:SFコミック、作家特集:西島大介、それに、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』公開記念小特集。

SFコミックは全然読んでいないな。今回紹介されているものの中で、実際に読んだのは西島大介の『凹村戦争』、『アトモスフィア』と『PLUTO』くらい。

別にコミックに拒否反応があるというわけではないのだけれど、小説の方を優先してしまうと、コミックを呼んでいる時間も無いという感じ。あと、内容を聞く限り、小説で読んだらぜったい壁投げ本だよなと思える(主にSF設定において)ものが多いということもある。ただし、さすがにSFマガジンの特集だけあって、ここで紹介されたものにはそういうものは無さそう。

そうは言っても、絵の持つ力というのは常々すごいと思っている。文章で長々と説明するよりも、それがどんなに美しい文章であっても、一枚の絵として提示されたときの衝撃は越えられない。まさに百聞は一見にしかず。

SFにおいても、「実は地球だった!」などのいわゆるオチを長々と説明されてもインパクトは薄れるわけだが、絵で見せれば一瞬にして、一撃必殺のインパクトとして伝わることもあるんじゃないか。そういった意味では、ラノベ形式のイラスト付き小説は1.5次元エンターテイメントとして、もっと可能性を秘めているんじゃないかと思ったり。


実は、SFコミック特集で紹介された作品の中で、一番読んでいるのは、もうひとつの特集でもある西島大介。しかし、それはJコレを全部読むという俺ルールに従っているためなだけ。Jコレで刊行されれば、コミックだろうが画集だろうがオーディオブックだろうが、何でも買いますよ。

で、その西島大介だけれども、最近SFマガジンに連載しているエッセイともフィクションともつかないやつは、どうも放射脳の匂いがしてあまり好きではない。ちゃんと本人の言動を追いかけていないので定かでは無いのだが、SF関係者にしては必要以上に放射能を怖がっり過ぎているように読める。そのあたりが実際にどうなのかは、Jコレで出たときに確認してみようと思う。どうせ、買うんだし。


最後のスタートレックに関しては、これまた不思議なことに縁が無く、宇宙大作戦の頃からまともに見たことが無い。熱狂的なトレッキーがうざくて敬遠したという記憶もないので、どうしてなのか自分でもよくわからない。これを機に2009年版の『スター・トレック』から見直してみますかね。


◎「ニュートラルハーツ File1 電気少女の気持ち」 吉富昭仁
上で書いたような絵の持つ力を感じさせてもらった作品。たぶん、これを小説でどんなにうまく書いても、ありがちな話で片づけられてしまうんじゃないか。しかし、この絵柄で、最後のコマを見たときのインパクトがとんでもなく衝撃的だった。一発ネタかと思いきや、なんと不定期連載になるらしい。

○「星の池」 丸山 薫
これも絵で見るからこその一瞬のインパクト。たぶん、小説では書けない。

△「と、ある日の忘れもの」 宮崎夏次系
これは絵柄の面白さだけだと思った。俺がSFに求めているものとはちょっと違う気がする。

○「永遠の創作物」 鷲尾直広
創作物とは何かという話。ありがちではあるけれど、結局はそこに戻ることに異議はない。絵柄がほのぼのとしていてかわいい。

○「海嘯 星界の断章」 森岡浩之
ありゃりゃ、〈星界の戦旗〉第二部は開始未定なのか。あれだけ冬眠していたくせに急に第一部完結なんて言い出すので、すぐに開始されるのかと思っていた。で、まぁ、この作品だけの感想で言うと、山羊がかわいそうだよね。もちろん、星界世界の奥行きを見せる補助線としては、地上世界に対するアーヴの考え方などがわかって面白い。

 



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